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それじゃあ、また明日

最終話 神として皆と共に生きていく


 魔王との決戦から約10年。その間に色んなことがあった。


 例えば、魔族がいなくなった彼らの領土に調査隊を派遣してみるとそこには多種多様な食料が多少、残っていてそこからどんな生活をしていたかが推測できる。

 また、短い期間で食料を効率的に生産させる方法をまとめた本や歴史書なども見つかったため、アレマーニャ帝国やその他の国々にその知識が出回った。

 それらの情報から推測できるのは、彼らがいかに厳しい環境で生活環境を改善しようとした努力が見て取れる。

 さらに魔王自身、俺達との戦争はやりたがっていなかったことも発見した日記などからわかったが、魔族としてのプライドや人間とのいざこざ、食糧問題で戦争を回避できなかったことも綴られていた。

 そこから浮かび上がるのは、本当に魔族というものは敵対する存在だったのかと言う疑問点であり、今となってはその答えが出てくることはない。


 だが、後悔はしていない。

 あの時あの瞬間、魔王と戦っていなければ国は奪われて多くの命がなくなっていたのだから。


 とは言え、聖光教団との宗教戦争は今も続いている。

 俺達の圧倒的な軍事力と兵力差に表立って、戦争は仕掛けてこないものの彼らの目的は俺らの宗教概念を破壊することだからだ。

 そのため、色んなちょっかいを出してくるが結局は不発で終わることが殆どだから、これからも宗教の価値観で融合することはないだろう。

 だが、聖光教団の敗北と魔王軍戦での俺達の活躍によって聖光教団の教義に疑問を持った国や国民は多く、かつてのような影響力は聖光教団にはない。

 その結果、かつてのような栄光を求めて闇雲に努力しているがそれが裏目に出ていることも多く、完全に空回りしている感じがある。

 それと同時に冥王教に関心を持った人達が大勢いるため、信徒達を各国に派遣して宗教のあり方を説明してもらっている。


 それは別にアレマーニャ帝国とは今でも相も変わらず、友好関係が続いていて国家間でのやり取りは今でも続いている。

 現に、旧魔族領を新しく開拓しようと言うことで俺達の国から技術者などの人材を出す代わりに帝国からは多数の人員を提供することで合意している。

 これによって、俺が理想としている第2の都市計画も遂行できると思っているし、成功すれば大陸内で新規で効率的な輸送路の構築も出来るだろう。

 とにかく、100年200年後の世界を考えると夢が広がるものだ。


 また、国内でも変化はあった。


 まず、教皇として活躍していたクロムはバエル達に内政面での献身的な努力と功績を認められ、冥神龍の使徒として契約の儀式なるものを経て昇格した。

 儀式自体は簡単で、片手をかざして冥神龍の加護を付与するだけで簡単に使徒にすることができるのだが、何故か国家レベルでのイベントになってしまった。

 バエル達に理由を聞いてみると、

「だって人間として初めて魔神である私達に認められたんだよ?そりゃあ、国家レベルでのイベントにもなるよ」

 と、いうことらしい。

 宗教には縁遠いまま、転生した俺にはピンと来ないが教団にとっては重要な出来事らしく、このイベントは内外に広く喧伝されることになった。

 クロムとしてもうれしさのあまり、イベント中に失神しかけたものの持ち前の気力で持ち直してより一層、頑張っている。

 一方、ズライグとグイベルも俺の加護を付与したのだがこっちは内密に行われ、こちらも神龍に格上げした。

 内密に行ったのは元々、ドラゴン自体が希少種であるのとズライグ達が自分の命を守るために逃げてきたことがバレる可能性、そして彼女達を狙ってこの国を狙ってくる輩が出てくるかもしれないからだ。

 可能な限りのリスク回避は、国を引っ張っていく上で必要だと個人的に思っているため、ここまでやっておく必要は十分にある。

 また、サトルを初めとする元勇者達はかつての彼らの仲間の内、複数の女性メンバーを嫁として娶ったために子供が出来てから大忙しだという。

 勇者一人あたり、およそ5~6人と言う話だから大変だなぁと思っていたらバエル達も子供がほしいとかなんとかで、色んな意味で大忙しになりそうだ。

 そんな俺らの状況とは正反対に、件のバエル達の写真集が出回ったことでミスミとリクトの間に大きな溝が出来てしまったので、その溝を埋めるのに一苦労したのはいい思い出だ。

 その時に、ミスミから何発か殴られたので鬼人に殴られる神様として、笑いの種になったのも付け加えておく。


 それに俺が神様になったため、その加護を求めた各部族の族長に冥神龍の加護を付与したため、種族は違えどこの国の民族であるという団結力が生まれた。

 これについての善し悪しは脇に置いても、自分達はどこの民族や出身かと言うことをはっきりとさせておくと国として行動させやすい。

 これがないと、砂上の楼閣のように脆く崩れてしまうからな。何かとあった方が良い。


 そんな訳で、将来がどうなるかはわからないけれども今この瞬間、この確かに国はダンジョンを中心に栄え、亜人や獣人達は幸せを享受し、俺達は元気にやっている。

と言う訳で、「チートなドラゴンによるドラゴンのためのドラゴンのダンジョン暮らし」が完結しましたよー!(タイトル長えな、オイ)

いやー、この作品の投稿を始めてから約半年、作者として活動を初めから1年も経っていないのに合計話数が36話は正直に言って個人的にしんどかった。

何がしんどいかって言うと、週一ペースで6000字ぐらいの小説を投稿するという自分に課したルールを守るために帰宅してからパソコンを開いてタイプしまくりましたからね。

まぁ、今回の小説でいろいろと反省点が出てきたのでそれを踏まえて、次の小説に活かしていきたいと思っています


と言うことで、次回作もよろしくお願いします


※追記(6月30日)

 累計アクセス数が6万PVを突破しました!

 たくさんのアクセス数、本当にありがとうございます!

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