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合同作戦会議

幼女って良いですよね、幼女

発展途上のボティといい、あの可愛さや明るさといい、うらやましい限りです

あ、別にロリコンじゃないですよ?同い年、年上、年下、年齢詐称の幼女、きれいな女性だったら何でもありな雑食な作者です

第8話 魔王軍戦序盤②


「状況報告をお願い」

 俺は一旦、仮眠を取った後で現状を確認する。

 すると、近くにいたホムンクルス・ゴーレムの内の1人が報告をしてきた。

「現在、魔核弾頭ミサイルによって魔王軍を3割近くまで減少させました。その後、B-52爆撃機による高高度爆撃を敢行。着実に数を減らしているとのことです」

「魔王軍の指揮系統などはどうなっている?」

「指揮系統が麻痺して大混乱に陥っています。ただ、観測機の報告では前線部隊に七大悪魔の何人かを配置してあったらしく、この部隊はいち早く機能を回復しています」

「さすがに魔王軍のトップも馬鹿じゃないって訳か」

「そうじゃのぅ。前回のこともあるし、前もってそういう風に行軍させておったのじゃろう」

 魔王軍全体の3割近くというとだいたい、170万体ぐらいか。となると、370万体ほどの魔族がこの地上から消え去ったと言うことになる。

 人類共通の敵とは言え、ここまで数が一気に減少すると指揮官としてやってられなくなるな。

 俺が魔王軍のトップだったら、尻尾を巻いてとっとと逃げ帰っているレベルだ。

 とは言え、まだ170万体も魔族がいるからまだまだ気の抜けない戦いになりそうだ。

「そう言えば、近隣の町に被害は出ているのかい?」

「幸いにも侵攻したばかりじゃし、近くの住人は避難しているから人的被害は出ていないが、建物などの物的被害が出ているようじゃ」

 やっぱりか。とは言え、近くにいたゴーレム達の報告では近くにあった村の建物が吹っ飛んだとか、町の建物のガラスが割れた程度の被害らしいので特に気にしなくていいだろう。

「うーん、だけど他国とのあんまり荒波を立てない方で行きたいなぁ」

「となると魔核弾頭ミサイルの発射は今後、しない方向になるかの?」

「そうだねー。威力自体はだいたい把握できたし、あの兵器をまた使うとなる時は国が存亡の危機に立たされた時ぐらいだろう」

「わかった」

 これで絶望的な数の差ではなくなり、通常兵器を駆使すればなんとかなるレベルにまで下がるだろう。

 気になる点を上げると、今回の魔王軍侵攻のトップが誰なのかが疑問だ。

 前回の魔王軍戦から1年半の間にようやく、彼らの地に配下のゴーレム達を密偵として送り込むことが出来た。

 それによると、七大悪魔というものが存在してそれを統括しているのが魔王と言うことになる。

 密偵の聞き込みや情報収集である程度の情報は集まったが、それでも正確な情報ではなくてあくまで下っ端魔族や中級魔族からの聞き込みから推測できる程度だった。

 何しろ、上級魔族達の口は堅い上に仲間意識が高いので、新入りのゴーレム達にはそう簡単に重要な情報を言ってくれなかったのだ。

 そんな訳で引き続き、爆撃を行うように指示を出してから俺は、ウィネと共にダンジョンコアのある部屋に戻った。


~~~~~~


「お帰り~、どうだった?」

「魔王軍は順調に殲滅している。残るは消化試合なんだが・・・」

「あまりにもあっけないですか?」

「・・・そうだな。確かにそうだ」

 バエルの挨拶と共に現状を報告したのだが、パイモンは俺の浮かばない表情とはっきりとしない口調から俺の考えを読み取った。

「あっけないってどういう事?」

「ごり押し一辺倒と言うことですね?」

 アスモダイは、訳がわからないといった顔だったのでサガンが俺に聞いてきた。

「あぁ、いくら何でも今回はおかしすぎる。情報を疑いの範疇にしていた前回と違って、生き延びて本国に戻った連中からいくらでも情報は聞けただろうに」

「いくら何でも考えすぎじゃない?あんな超兵器を使うからナイーブになっているだけだよ」

「そうかもな。だが、希望的観測だけで戦争に敗北を喫した国を俺は知っている。だから魔王軍を殲滅した時に偵察機をいくつか出すから、最低でも警戒態勢を維持してくれ」

 アスモダイには気にしすぎだと言われたが、こういうのは何かしらの悪い方のイベントが起きるというお約束があるからな。用心に越したことはない。

 それに、そう言った物語をある程度の数を読んでいるため、俺の中の悪い方の予感はそれなりに当たるものだ。

 そんな訳で、魔王軍が侵攻を開始してからさらに2日が経った後で魔王軍の殲滅が確認できたため、戦闘態勢から警戒態勢に移行してどんなに細かい異変でも見逃さないようにさせた。


 警戒態勢に移ってから数日後、アレマーニャ帝国からの支援の部隊が来た。


~~~~~~


「久しぶりだな、ハデス」

「そっちも元気そうで何よりだよ、カレン」

 俺やバエル達は、1年半ぶりに再会したカレン達を歓迎した。

 彼女達は援軍として、3千の兵と共に神聖ハデス教国までやってきたのだ。

「それにしても良い人材が集まっているようだな」

「あぁ。先の魔王軍との戦闘でテレサ第一王女のアドバイザーになったのさ」

「と言うと?」

「実はな・・・」

 カレンから詳しく話を聞くと、俺達のダンジョンに潜った後でステータスを見るとその数値が異常なほど上がっていたらしい。

 そのため、アレマーニャ帝国に侵攻してきた魔王軍の時に家に戻ってみると彼女達の親から根掘り葉掘り、色んなことを聞かれたらしい。

 その中で、学校の友人に訓練を手伝ってもらったと言うと今度はその友人に会わせろ、とか言い始めて説明するのに苦労したそうだ。

 その後、寡兵ながらも俺らの軍と共闘して魔王軍を撃退すると、帝国としての評価が上げたらしい。

 その昇進が否応なしにテレサ第一王女の目に留まり、アドバイザーとして昇進したと言うことだ。

「昇進についてはおめでとう。だが、俺らと関わったせいで無駄な苦労を掛けてしまったな」

「なぁに、気にすることはない。強くなった時の必要な対価だからな」

 俺が謝るとカレンは、別に気にしていないと言いたげな表情でそう言ってこう続けた。

「所で肝心な魔王軍だが・・・」

「それについては9割方、終了している」

「どういう事だ?」

 俺が魔王軍との戦闘はほとんど終わっていることを言うと、カレンは訝しみながら俺に聞いてきた。

 そのため、俺は重要な部分をぼかしながら簡単に説明した。

 俺達が開発した兵器群でかなりの数の魔王軍を減らしたこと、その時に魔王軍は分散して少数の部隊で侵攻してきているかもしれないこと、その中には上位魔族がいるかもしれないこと。

 とまぁ、現状で俺達が把握している情報をカレン達にも伝えた。

「ふむ、となると後は小部隊の索敵になる訳だが見つからないのか?」

「上位魔族なら魔力隠蔽や姿形を変えることが出来るから、見つけ出すには人海戦術で精密にやるという二律背反をしないと駄目だからな。まだ見つかってない」

「となると私達はしばらくの間、この国に駐在することになりそうだな」

「そうしてもらうと助かる。いろいろと募る話もあるしな」

 と言うことで、魔王軍との戦闘自体は終わっていないが俺達とカレンの仲間達で宴会することにした。こうでもしないと、精神的に参ってしまうからね。


~~~~~~


「あれ?珍しい組み合わせだな」

「あっ、ハデスさん」

「おう、ハデスも一緒に飲むかのぅ?」

「お兄ちゃん、いらっしゃ~い」

 ダンジョン本部の近くにある広場で、援軍として来てくれたカレン達に感謝を込めた宴会をしていると、ウィネにズライグとグイベルが一緒になって飲んでいた。

 彼女達が飲んでいるものは、アルコール度数の高いワインやウォッカなどだ。

 ウィネやズライグなんかは妙齢な女性だから良いが、グイベルは見た目が幼女だから前世では完全に犯罪行為だな。

 だが安心してほしい。

 グイベルも含めて、彼女らは数百年は生きている魔神とドラゴン達だ。だから法的な心配はないし、何よりも彼女らは大の酒好きだ。

 以前、バーで見かけた時もかなりのワインボトルを空けていたし、俺も何回か付き合わされた時にかなり飲まされた。

 前世では無縁だったアルコール類なのでめっぽう弱いはずなんだが、転生した後の俺の身体にはワインなどの味がうまく感じる。

 そのため、俺はワインを片手に宴会場を回っていた時に珍しいと言ったのは彼女達の他にもう1人、カレンの幼馴染みのクレハがいた。

「よう、久しぶりだな」

「そうだな、こうやって気兼ねなく話せるのも久しぶりだねぇ」

 アレマーニャ帝国に、魔王軍が侵攻した時はお互いに立場があって気軽には話せなかったが、今は無礼講と言うことで会場に居る皆は気兼ねなく話している。

 まるで、学園にいた頃の俺達に戻ったかのようだ。

「それにしてもクレハがウィネ達と飲んでいるなんて珍しいな」

「あぁ、学園にいた時は控えていたんだが魔王軍侵攻で故郷に戻ってから飲み始めたんだ」

「なるほどね~」

 どうやら、クレハ自身もかなりの酒好きらしい。

 よく見ると、彼女達の周りには空になったボトルが相当数あるからかなり飲んでるな、こりゃ。

「ところでハデスは良いのかい?宴会の中心に行かなくて」

「俺は食休みだから良いんだ。それに、あの場の中心はバエルとカレンだよ」

 宴会の中で1番、騒がしいのはバエルとカレンを中心に色んな人達が集まっている場所と、サトルを初めとする勇者達とギレンの場所だ。

 その2つを中心に、この宴会はかなりの賑わいを見せている。

 俺は主催者ではあるがあくまで調整役であり、必要に応じて指示を出すようにしている。その方が、お互いに自由度があって楽だしね。

 そんな訳で引き続き、ウィネやクレハの話を聞きながら飲んでいると数人の少女達がパイモンに連れられて俺達のところまで来た。

「ここにいましたか~」

「どうしたんだい?パイモン」

「以前、ミレイちゃんと会った時から数人の新入りが入ったそうなので今のうちに紹介しておこうと思ったのですよ~」

 パイモンがそう言うと、彼女の後ろからミレイが現れて挨拶をしてくれた。

「お、お久しぶり・・・です・・・」

(かわいい・・・)

 ミレイはパイモンやグイベルのように、年齢詐称のロリババアではないので初心(うぶ)な感じがいい。

 とは言え、他人(ひと)のところに仕えている奴に手を出すほど、勇敢でもないからミレイ達に勧誘する気はないがな。YESロリータ、NOタッチって奴だ。

 え?幼女姿のパイモンやグイペルとは、(ねや)で一緒に合体やいちゃこらしているじゃんって?やだなぁ、彼女達は合法ロリじゃん。だから大丈夫だ、問題ない。

「久しぶりだね、一緒に戦えてうれしいよ」

「よろしく・・・お願いします・・・」

「ん?妙に震えてないか?」

「それはですね~・・・」

 ミレイは俺達に挨拶してくれたが、パイモンの袖を強く握りしめて震えていたため、パイモンが説明してくれた。

 それによると、俺がロリコンで幼女を攫って色んな意味で食っちまうんじゃないか、という噂を耳にしたらしい。

 だが、ダンジョンの主要メンバーにおける幼女の割合自体は少ないのを目の当たりにしたため、その噂は彼女の中ですぐに否定された。

 では何故、それでも震えているかというと伝説級の亜人や獣人、吸血鬼などの魔族よりの亜人達が沢山いるからだ。

 そのため、宴会の会場に充満している魔力は尋常じゃないぐらい高いのを感知してしまい、震えているそうだ。

「そいつはすまねえ。パイモン、適当に回ったら彼女をカレン達用の施設まで送ってやってくれ」

「わかりました~」

 俺はそう言ってまだ、自己紹介をしていないメンバーと挨拶をした。

 その中でわかったのだが、カレンの元には有能だが他の貴族のところで才能を発揮できなかった奴らばっかりだった。そのため、かなりの有能な人材が集まっていた。

(これはカレン達がどういう風に帝国の中で成長するかが楽しみだ)

 俺はそう思いながら、彼らの話を聞いていった。


 そして宴会は順調に進んでいき、夜が更けた所でお開きとなった。


~~~~~~


 ダンジョン本部 第一合同会議室


「先日、ついに魔族軍が移動しているルートが判明しました」

「それがマップの赤い点で表示されている場所に魔王軍がいます」

「多いな」

「敵さんはかなりの数で分散しているからこのぐらいは当然でしょう」

「テツ、どうするつもりだ」

 俺達がいる場所はダンジョン本部の2階に位置する合同会議室で、ここではクロム率いる神聖ハデス教団とゴーレム軍団を率いるヴィクター、カレン達が率いるアレマーニャ帝国の救援部隊、各ダンジョンのダンマスを管理するバエルに勇者達の代表であるサトルが集まっている。

 その他にも、各部署の主要人達が代表を中心にして一堂に会しているのだから、一般人がいたら失神しそうなほどのプレッシャーがある。

 しかし、それはあくまで一般人の感覚であるのでこの会議の中心的な存在である俺にとっては、別の意味でのプレッシャーが掛かっている。

 理由は、ちょっとした判断ミスで大損害を招いてしまうからだ。

(こう言った会議は相変わらず、苦手だな~)

 前世では中学生の時、まめな性格なために学級委員長や部活動のリーダーに抜擢されたこともあったが、その時もこう言った責任が伴う会議は苦手だった。

 そのため、この世界に転生してからは極力、こう言った会議には参加しないようにしていたが、目の前に脅威が迫っている状況ではそうも言ってられない。

「敵が分散している状況を利用してゴーレム達で隠密部隊を編成、国に接近する間に出来るだけ各個撃破させよう」

「それが良いですね~。昔にやった、勇者戦でもサトルさん達の前では砲撃が通用しませんでしたから」

「あれを避けるのは結構、大変だったんだぞ?」

「実際に売っている側から見ているとあれを避けるには相当なステータスが必要を見れるしな」

「諜報員からの情報では余裕で避けれるとのことらしいよ?」

「となればすぐに編成して作戦行動に移らせますわ」

「あぁ、頼む」

 魔王軍は、残った10万ほどの兵力を200個ほどの部隊に分散させてこの国を包囲するかのように、歩調を合わせて移動していることが液晶画面に映し出されたマップからわかる。

 なぜなら、マップには現在の魔王軍の部隊位置とそこに至ってその先の予想ルートが映し出されているからだ。

 それによれば、予想到達ポイントから近い位置に存在している部隊の移動速度は遅く、遠い部隊の移動速度が速い。

 そのため、移動速度の遅い部隊から積極的に撃破していけば敵は混乱することが見込まれる。

 とはいえ、移動速度が遅い分、それだけ優秀な人材が集まっている可能性があるため、それだけ強いゴーレムを送り込むつもりだ。

「さて諸君、ゴーレムたちを送り込んだ先についても検討しよう。じゃないと作戦がグダグダになるぞ」

「う~っす」

「わかりました~」

「私たちは帝国軍の援軍は、あくまでオブザーバーだから作戦に口出しする気はないな」

「助かるぜ、カレン」

 どうやら、暗に自分たちも作戦に参加させろと言うことらしい。

 俺達は、その要望に応えるつもりで作戦を立案に取り掛かった。


 こうして、魔王軍は多大な犠牲を払って俺達の国に接近するという前哨戦は終了して、血を血で洗う本戦が始まるのであった。

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