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抵抗軍リーダーの物語  作者: 高井高雄
2/8

1-2

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 目覚めてから1週間が過ぎようとしていた。

 小鳥の鳴き声で目を覚ました信也は、ベッドから起き上がり、アイテム画面を開き、アイテム欄からオリーブドライの戦闘服を取り出し、着替える。

 黒いブーツを履き、部屋を出る。

 まだ、薄暗い台所で、朝食の準備をする。

 竈にジッポーライターを近づけ、火をつける。

 昨日、リズワーンが作ってくれたスープを温め、信也はちょっとしたものを作ろうと料理に取りかかる。

 料理と言っても、ホットケーキだが・・・彼が寝泊まりするこの家には、マリア、リズワーン、リズクの3人が暮らしている。

 3人共、甘いものが好きであるから、問題ない。

 アイテム画面のアイテム欄から昨日アイテム購入欄から買ったホットケーキのもとを取り出し、順番に従って作っていく。

 準備ができると、フライパンを取り出し、竈のではなく、これまたアイテム欄から購入した携帯用ガスコンロを出し、ホットケーキを作った。

 4人分のホットケーキが出来上がった時に、マリアが起き、台所に顔を出した。

「おはよう。今日も早いわね」

 マリアがそう言うと、ホットケーキの匂いに気づいた。

「あら、おいしそうな匂いだわ」

「これ、ホットケーキって言うんだ。ハチミツをつけて食べたらとってもおいしい」

「ほっとけえき?」

 マリアは初めて聞く食べ物の名前に首を傾げた。

「何か手伝う事がある?」

「じゃあ、このホットケーキとスープをテーブルに並べてくれ。俺は洗いものあるから」

「わかったわ」

 そう言ってマリアは朝食をテーブルに持っていた。

 マリアが朝食を並べ終えてから、リズワーンとリズクの姉妹が起きてきた。

「あら、すごくおいしそうな匂いがしますね」

 リズワーンがホットケーキの匂いに気づいた。

「本当です。お姉ちゃん。とても甘い香りがします」

 リズクがとても嬉しそうな表情で言った。

「今日の朝食はシンヤさんが作ってくれたのよ。たしか、名前は・・・」

 マリアが初めて見たケーキの名前を度忘れする。

「ホットケーキ」

「そうそう。ほっとけえき」

「ほっとけえき?」

姉妹がマリアと同じく聞き慣れない名前を口にする。

「揃った事ですし、お食事にしましょう」

 リズクが待ちきれないと、言った様子で、椅子に腰掛けた。

 マリアとリズワーンも微笑みながら、椅子に腰掛ける。

 信也も椅子に腰掛けると、彼以外の3人は食事のお祈りを唱えた。

 お祈りが終えると食事に手をつける。信也はお祈りの言葉がわからないので、ただ「いただきます」と言うだけだ。

 3人はナイフとフォークを使い未知の料理を口に運ぶ。

「これ、すごくおいしいわ」

 マリアが代表して、ホットケーキの感想を口にした。姉妹もおいしそうに食べている。

「とっても、甘くておいしいです」

 リズクが幸せそうに合唱する。

「こんな、おいしいものは初めてでず」

 リズワーンも感想を漏らす。

「それはよかった」

 信也も3人の表情を見て、とてもおいしい朝食時間を過ごせる事ができた。



 朝食を終えた信也たちは、村長の家を訪れていた。

「シンヤ君。身体の具合はどうだい?」

 村長の家に入ると、いかにも人のよさそうな顔をした30代そこそこの男性が声をかけた。

「おかげ様で、すっかり動けるようになりました」

 信也も笑顔で言った。

「それはよかった」

 男は我が事のように微笑んだ。

 彼は村長の息子であり、次期村長である。

「お兄ちゃん!」

 奥から1人の幼い少女がパタパタと足音をたてながら、信也に抱きついた。

「やあ、サリー」

 信也は抱きついた少女の頭を撫でながら、微笑んだ。

 この村で過ごしているうちに出会った1人だ。

「こら、サリー。家の中で走ったらダメでしょう」

 奥からサリーの母親がやさしく窘める。

「ごめんなさいね、シンヤさん。この子は本当に貴方になついちゃって」

 母親が微笑みながら、言った。

「いや、サリーには癒されていますから、このぐらいはたいしたことではありません」

 信也がそう言うと、サリーは嬉しそうに笑った。

「えへへへ」

「サリー。いい加減、シンヤ君から放れなさい。今日は村長に呼ばれているんだから」

 サリーの父親である村長の息子は相変わらず微笑みながら言った。

「え~」

 サリーはなごり惜しそうに放れた。

 そんな光景はマリア、リズワーン、リズクの3人は暖かく眺めていた。



「よく来てくれた。シンヤ」

 50代後半の男が穏やかに言った。

 4人が村長の部屋に入ると、男は信也たちに腰掛けるように促した。

「早速ですまないが、近くの町まで、薬草を届けて欲しいのだが、マリア行ってもらえんか?」

「はい。村長」

 マリアは2つ返事で了承した。

「そこで、シンヤ。マリアを護衛してもらえんか?この辺りは危険はないが、一応な」

「了解しました」

 信也も2つ返事で了承した。

「では、早速ここに薬草がある。これをいつもののように薬売りに渡しておいてくれ」

「はい」

 村長から受け取った薬草をマリアは受け取り、カバンに入れた。

「では、出発してくれ」

 村長に言われ、信也とマリアは村長の家を出て、支度をした。

 リズワーンとリズクは他の用事があるそうだ。

 信也はレッグホルスターにM1911A2を入れて、マリアと共に出発した。


 1-2をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回もよろしくお願いします。

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