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抵抗軍リーダーの物語  作者: 高井高雄
1/8

1-1

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 初めての方は初めまして。

 高井高雄です。

 亡国のレギオンとは違う話に挑戦します。

 亡国のレギオンとは異なり、ゆっくり書いていきますから、ご了承ください。

「う・・・あぁぁ」

 呻きながら伊高信也(いこうしんや)は目をゆっくりと開けた。

「あ」

 目を開くと、そこには薄い褐色の肌に青い瞳、長い金髪を後ろに束ねた15歳くらいの美少女がこちらを見て、驚いた。

「お、お姉ちゃん。彼が目を覚ましました」

 少女が後ろに振り向き、誰かを呼んだ。

「っ!」

 信也は起き上がろうとしたが、痛みで顔をしかめる。

「あ、まだ、動いてはダメです」

 少女が声をかける。

「リズク。彼が目覚めった、て、本当なの?」

 リズクと呼ばれた少女の隣に、彼女と同じ肌、同じ目、そして長い綺麗な金髪の18歳から20歳未満の女性が顔を覗かせた。

「言葉、わかりますか?」

「ああ」

 女性の言葉に信也はうなずく。

「もう、大丈夫ですよ。峠をこしたそうですから」

 女性は嬉しそうに言った。

「ここは?」

「ここは、カリュー村です。そして、この家は私たちの家です」

 信也の問いに少女が答える。

「カリュ―村?」

「貴方は川岸で発見されたんです。見つかった時はひどい怪我でした」

 女性が信也の手を優しく握りながら、説明する。

「君たちが俺を助けってくれたのか?」

 信也の問いに2人の美女と少女は首を振った。

「私たちは看病しただけです」

 答えたのは女性だった。

「では、話はここまでで。もう少しお休みください」

 女性はそう言うと、布団を掛けなおしてくれた。

 信也は何も言わず、再び目を閉じ、深い睡眠を入った。



 小鳥の鳴き声が聞こえる。

 信也は目を覚ますと、眩しい朝の陽ざしが目に入る。

 身体を起こそうとしたが、やはり、痛み出す。

「くそ」

 信也は小さくつぶやく。

「あら、お目覚め?」

 昨晩の2人とは違う女性の声がした。

 信也は頭を動かし、声のした方に向ける。

 そこには、お盆を持った金髪の白人女性が立っていた。

「君は?」

「私はマリア。マリア・アルバーク。貴方は?」

「伊高信也。伊高が性で信也が名前だ」

 信也が自己紹介すると、20歳ぐらいのマリアはにっこりした。

「シンヤさん。お食事を持って来たんだけど、食べる?」

「あ、ああ」

 マリアはお盆を机の上に置き、シンヤが起きるのを手助けする。

 痛みに耐えながら信也は上半身を起こした。

「昨日、俺を看病してくれた女性2人は?」

「リズワーンとリズクね。あの2人は、今は休んでいるわ。冷めないうちに食べて、まだ病み上がりだから、スープの具は小さくしたから」

 マリアは木の椀を持ち、中のスープをスプーンですくい、信也の口に持ってきた。

「はい。あ~ん」

「ちょっと待て、自分で食べる」

「ダメダメ、まだ病み上がりなんだから」

 マリアはそう言って、信也に食べさせた。

 信也としては、とても勘弁してほしい事であった。



 あれから数日が経ち、信也は動けるようになるまで回復した。

 マリア、リズワーン、リズクとも、仲良くなり、信也が動けるようにリハビリまで手伝ってくれた。

「すごいですね。シンヤさん、もう歩けるように回復しましたね」

 リズクが我がことのように喜んだ。

「あんなにひどい怪我でしたのに、驚きです」

 リズワーンが言う。

「貴方がたの看病のおかげだ」

 信也は彼女たちに振り向き、言った。

「いえいえ。それも、治りたい、意志が強いからよ」

 少し心配そうな口調でマリアが言った。

 相変わらず、彼女はリハビリ中ずっと心配していた。

「さあ、そろそろお部屋に戻ってください。いくら動けるようになっても、無理をしたら逆効果よ」

「・・・・・・」

 マリアの言葉に信也は苦笑しながら従った。

 部屋に戻り、ベッドに座る事を確認すると、3人は部屋を出ていった。

 いくら看病でもずっと見られているのは、たまらない。

 信也は、頭の中で、アイテム画面、と念じると目の前にアイテム画面が開いた。

 アイテム画面には、アイテム欄、所持金、アイテム購入欄、しかない。

 信也は、この世界・・・異世界に来る前の事を思い出していた。いつものように外でぶらぶらしていたら、突然眩しい光が発生し、それに吸い込まれた。その後、真っ暗な空間に浮いていた。

 その空間で、頭の中で直接誰かが話しかけた。

「貴方は選ばれました。これから異世界に行ってもらいます。もう2度と元の世界には帰れません。だから、いろいろとサービスをしてあげます」

 と、言われて、頭の中にまるで叩き込まれるように色んな情報が入ってきた。メニュー画面、言語、読み書き等々だ。

 そして目覚めると、リズワーンとリズクが目の前にいて、看病されていて、今にいたる。

(まったく、きちんと説明しろよな。どこの神さんか知らんが、俺をこんな目にあわせやがって!)

 信也は心の中で叫んだ。

 アイテム欄から、初期装備のM1911A2を取り出した。

 弾倉を装填し、スライドを引く。

「まさか、試作品の拳銃が最初の装備品とはな」

 信也はまんざらでもない様子に、気付く。

 M1911A2(コルト・ソーコム・プロト)はアメリカ特殊作戦軍の依頼を受けて作られた試作銃。だが、結局採用されなかった。しかし、信也はM1911シリーズは嫌いではない。

 信也はM1911A2を構えて、狙いを定めて引き金を絞る。

 カチッ、という音が部屋中に響いた。

 装填した弾倉には弾を入れてない。

「うん。いい音だ」

 信也は満足した表情でうなずいた。


 1-1をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回の投稿は2週間以内を予定しています。

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