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29.5話【僕の気持ち】
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僕がこの異世界に来て初めて出会った人物は、マリーという女の子。
マリーの危機を知ったとき、助けようと思った理由は二つある。
一つは僕のタイプの女の子だったからだ。
二つは彼女の人生をとても憐れに思ったからだ。
これは僕が人を助けるときの行動理念に当たる。
つまり、僕は好みの女性、もしくは、憐れだと思った人間なら、誰でも助けようと思ってしまう。
まあ、そんなことはどうでもいいのだけれど。
これからのことを考えると、僕は他人と関わるべきじゃなかったのかもしれない。
とにかく、マリーにしたって、他の人達にしたって────僕に関わるとろくなことがない。
みんなみんなみんなみんなみんな。
とてもとてもとてもとてもとても。
可哀想だ。
──憐れだ。
誰一人して救われない。
僕と関わると、僕と関わろうとすると、僕と関わることになると────ろくなことがない。
みんなみんなみんな、とてもとてもとても、可哀想だ。
──憐れだ。




