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四話 ~妹その3『桐ヶ谷 三春』~

はい、遅くなりましたが無事何事もなく更新出来ました!

もちろん最後の妹。『桐ヶ谷 三春』も他の妹同様『~~デレ』属性です。

何の属性かは......見てからのお楽しみです!


では、ごゆるりとどうぞ♪





チャーチャーチャッチャチャーチャッチャチャー♪







―――『桐ヶ谷 三春(みはる)』。







妹達の中では一番頭が悪いが(悪いと言っても僕より断然良く、平均よりも頭が良い)、運動だけは妹達の中では一番良い。

三春のパンチやキックをくらった人ならば分かるはずだ。コイツが全身凶器であることを......。


ほら、人ってよく照れ隠しするでしょ?言い訳して誤魔化したり、ペシペシと肩を叩いたりとか可愛い照れ隠しを。

......でもね、三春の照れ隠しは下手したら命に関わるんだよ。......冗談じゃないからね?僕何回か死にかけたもん。


三春は照れ隠しに僕を殴ってくるんだよ。その殴られた時の痛さと来たら......アイツの運動神経は本当にどうかしてるとしか言い様がない。

前に一度冗談で聞いてみたんだ。『鉄を折ることって出来る?』と。

その時に返ってきた返事が、『ああ。割り(ばし)を折るより簡単なことだよ』だってさ。......ありえないよね?

しかも性格だって好戦的だから、こちらとしては堪ったもんじゃないよ......。


まあ、一言で言うと野蛮だね。でも可愛い所もあるんだよ?



―――ということで、僕はそんな野蛮だけど可愛い所もある妹と会話をしなければいけない。

目の前でダースベイダーの着信音が鳴り響く携帯を取り、通話ボタンを押して耳に近付ける。


「もしもし?」

『か、勘違いしないでよね!別にバカ兄貴のために電話したワケじゃないんだからね!』

「......」


ブツッ!


三春の言葉を聞いて少し間を置き、僕は電話を切ることにした。


......え?何で切るのかって?

だって僕のために電話したワケじゃなおってことは、僕話聞く意味なくない?と、そう思ったからだ。......と言うか

第一声が『もしもし』じゃなくて『勘違いしないでよね!』ってどゆこと?




チャーチャーチャーチャッチャチャーチャッチャチャー♪




そんな事を思っていると、また携帯からダースベイダーの着信音が鳴る。

まあ当然相手は、さっきいきなり電話を切られた三春だ。さて、次はどんなセリフがくるかな……。

そんな事を頭に思い浮かべながら、携帯の通話ボタンを押す。


『か、勘違いしないでよね!別にバカ兄貴のために電話したんだからね!!』

「......」


......うん。結構日本語がおかしいけど、本当見事に一年前と変わってない『ツンデレ』っぷりだね。あと、一体僕は何を勘違いしてるんだい?教えて下さい三春さんや。











―――『ツンデレ』。











いやこれもう絶対皆知ってるでしょ?それぐらい有名なんだから。

......まあ知ってると思うけど、一応説明しなきゃね。


つまり。基本好きな人の前では、自分がその人のことを好きだとバレないようにツンツンし、その裏心ではその人と話出来たとかその人と近付けたとかでデレデレする。


俗に言うこれが『ツンデレ』だ。


僕の記憶が正しければ、昔の『ツンデレ』は今の『ツンデレ』とは違うらしい。

昔の『ツンデレ』は、最初は本気でツンツンして相手のことを何とも思ってないけど、その人と好感度を上げていくことにより、そのツンツンしていた人がだんだんデレに変わる......。


これが昔の『ツンデレ』らしい。(僕個人が認識している『ツンデレ』だから、違うところもあると思うけど気にしないで)





―――おっと、少し話がずれてしまったようだ。

今はこの現代の典型的な『ツンデレ』妹を何とかしないとね。


「そんで、僕というバカ兄貴の為に電話したってことは......用件があるんだろ?」

『うん。兄貴のベットの下にある物についてだけど―――』


ブツッ!


三春の言葉を最後まで聞くことなく再度電話を切る僕。


―――マズイ。本当に何とかしないといけない……!


僕は今本気だ。マジと書いて本気なんだ!

千棘だけならまだしも、瞳までもがアレの存在を知っていた時点で三春も知っていると予想はしていたが......。(できれば外れてほしかったけど)




チャーチャッチャッチャー(以下略)




「―――ッ!!」


ぐっ!やはりまた電話を()けてきたか!


激しく動く心臓の鼓動を抑え込むため、深呼吸をする。

落ち着け。落ち着くんだ僕......。三春は怒ってるだろうが、とりあえず冷静になるんだ。


スーハー、スーハー。


一通り深呼吸をし、落ち着いてきた所で携帯の通話ボタンを押す。


『......バカ兄貴』

「......はい。何でしょうか、三春さん」


声で分かるよ。完全に怒ってるねこれ。

だ、だけどアレは自己防衛判断なんだ!だからしょうがなかったんだ!

そ、それに僕がそうゆう本を持っているのにもちゃんとした理由が―――


『別に私は、兄貴にあんな本を持つなって言ってるんじゃないよ?私は別の事で兄貴に怒ってるんだからね?』

「―――え?」


言い訳けを必死に考えている僕に、彼女はそう言ってきた。

以外だ。てっきり僕は、そっち系の本を持っている事で怒っているのかと思ったよ。ホッとした......。



......しかし、別の事で怒ってるのか......。

あれか。いきなり電話を切った事だろうか?それとも心の中で野蛮な妹だって思った事がバレたからだろうか?


『さっきも言った通り、ああゆう本を持つなってワケじゃない。ただ......ただ......ッ!』

「た、ただ......?」


三春のただならぬ気迫の(こも)った声に、ゴクリと生唾を飲み込む。

そして三春は、息を荒げながら言ってきた。


『どうしてその本の中に『妹物』が入ってないの!?』

「怒るとこそこぉ!?」


一年前と変わらずなブラコンッぷりをどうもありがとうこんちくしょう!!そして何故僕が持っているコレクションのジャンルをお前が知ってるの!?


『か、勘違いしないでよね!別に、兄貴の為に調べたワケじゃないんだからね!』

「そうだよねぇ!確かに僕の為じゃないよねぇ!?」


これが僕の為だと思っていたのなら、この妹に説教をしなければいけない所だったよ!


『でも兄貴の趣味(しゅみ)思考(しこう)が、メガネっ子で巨乳でなおかつドジっ子属性だなんて......ッ!!』

「ねぇ三春!君は僕を自殺に追い込みたいのかい!?」


僕の秘蔵コレクショ......もういい!もうエロ本でいいよ!認めるよちくしょう!

とにかく!今の僕は、妹にどんな趣向のエロ本を買っているかを知られた羞恥心(しゅうちしん)で死にそうなんだ!


羞恥心で(もだ)えてる僕に、またもや三春は息を荒げて言ってきた。


『私には一つもない要素じゃんか!ふざけてるの!?』

「何その逆ギレッ!?」


理不尽だ!僕はこんな理不尽を見たことがない!そしてお前はそこそこ......平均以上胸があるだろ!?瞳の気持ちにもなってやってくれ!あいつが一年前と変わってなければ、あいつはAかB......


『まったくもう!......え?どうしたの瞳?あっ―――『ハル兄、今私にたいして失礼なことを考えたよね?お・仕・置・き♪』......だってさ、ハル兄』

「マジすいませんしたぁッ!!」


電話の向こうの彼女らには分からないかもしれないが、とりあえず土下座をしておく。誠意が大事だなのさ、誠意が。


......そういえば瞳、三つ子の中で一番胸がないの気にしてたなぁ......。


『瞳はもういなくなったよ。......拷問の準備しなきゃって言って出ていったけど......』

「......」


僕、明日の朝を迎えることができるかなぁ......。


『とにかくね兄貴。私は別に兄貴がそうゆう本を持っててもいいの。ただ、その中に『妹物』とかもいれてほしいなぁって思ってるの、分かる?』

「......はい」


なんだろうね、実の妹から『妹物のエロ本買ってよ』なんて言われる兄って......。世界中探しても僕だけなんじゃないかな?世界ってのは不思議だねぇ......泣けてくるよ。


『勘違いしないでよね!別にバカ兄貴に『妹物』のエロ本を、買ってほしいワケじゃないんだからね!』

「へいマイシスター。矛盾って言葉を知ってるかい?」


ねぇバカなの?ひょっとしてお前僕よりバカなの?


『とにかく!今後からは趣味思考を変え、なおかつ妹物のエロ本を買うように!』

「ええ!?そんなの嫌に......『断ったら兄貴の

コレクション全部燃やすから』喜んで変えさせていただきますよチクショウ!」


拒否権(きょひけん)は!?僕に拒否権はないのか!?


『まあ、断らなくても『妹物』以外は全て燃やすけどね♪』

「理・不・尽・すぎる!!」


鬼だ!ここに鬼がいる!!いくら理不尽にも程があるよ!断っても燃やされる!断らなくても燃やされる!一体どうしろと!?


『分かったね?兄貴。返事は?』

「拒否権だ!拒否権を行使させてもらう!」

『兄貴に人権があると思ってんの?』

「思ってますけどぉ!?」


何てことを言い出すんだ、この妹は!

しまいには泣くよ!?泣いちゃうよ!?大の高校生がマジ泣きしちゃうよ?いいの!?


『兄貴の人権なんて、そこら辺に転がってる石ころと同等の価値でしょ?だったら無いも同然じゃんか』

「うわああああんッ!!」


三春からトドメをくらった僕は、その場で絶叫してしまった。

不思議だ。視界がボヤけてきちゃったよ......何でだろ。

な、泣いてるワケじゃないからね!?本当だよ!?ちょっと口のなかがしょっぱいだけさ!......うん。泣いてない泣いてない。大丈夫だよ......ぐすっ。


で、でも僕は知ってるよ?三春が(あま)邪鬼(じゃく)だってことを。

だから、最初はひどい事を言ってくるけど



















『うぇっ?な、泣いてるの?ご、ごめん兄貴。まさかそこまで傷つくとは思わなくて......』








最終的にはこうやって謝って来るのが三春の可愛い所なんだよね。

こういう時、このツンデレ妹は本当に最高の妹だって思えるんだよ......。



「うん。いや、別にいいんだよ」

『で、でも......ごめんなさい』

「だからいいってば」


(なお)も謝って来る三春に、僕はなるべく優しい声音で本音を言ってやった。


「そうやって素直になった三春が、僕は一番可愛いと思うよ?」

『―――ッ!!な、ななななな!?』


三春の動揺した声が携帯越しに聞こえてくる。今の三春は、顔を真っ赤にしているだろう。


『は、ハァッ!?ば、ばばバカじゃないの!?わ、私が可愛いだにゃんて......そんにゃ......』

「......呂律(ろれつ)回ってないけど?」


―――え?なにこの子、メチャクチャ可愛いんだけど?お持ち帰りしたいんですけど。僕の妹ってマジ天使?


そんなことを考えていると、三春は動揺した口調で言ってきた。


『こ、このバカ兄貴!!も、もう知んにゃい!それじゃあね!!』

「―――あ」


ブツッ。


最後まで呂律が回ってない口調のまま、三春は逃げるように電話を切ってしまった。






「............急に静かになったな......」






今まで妹達と話をしていたせいか、僕の部屋にシンとした静寂が流れる。


(あいつ達が居ないと、こんなにも静かなんだな......。)


静まり返った部屋で、一人そんなことを思った。

だが自分は、妹達の為と自分の為に一人暮らしを始めたんだ。......今更後戻りは出来ない。


......。

いけないいけない、ついしんみりしゃったよ。こんなの僕のガラじゃないな......。


改めて気をとり直すため、時計の方に視線をやる。

時刻は七時半過ぎぐらい。随分と長い時間を妹達と話したもんだと思う。




(そろそろ『沙奈(さな)』が来る時間か......)




ノロノロとした動きでベットから立ち上がり、入学式に行く準備を済ませようとする。





ああそうだ。結局僕が出した妹達への対策だけど、もう結論は出したから。


......妹達が霧ヶ(きりがおか)に来るという事実はもう変えられない。

過去にでも行かない限り、その事実を変える事は出来ない......。ならばどうするか?答えは至ってシンプルさ。







―――だったら逆に歓迎してやればいい。







もうこの際開き直る事にしよう。それが僕の出した結論。もう妹達を拒絶しない、逆に迎え撃ってやろうじゃないか!

主な対策方は、僕の自慢の『幼なじみ』と『親友』に考えてもらうさ!

フフッ。ハッハッハッ!さあ来い僕の妹達よ!お前達はもっと幸せになってもらう為に、僕のことは諦めてもらうからな!







僕は自分でも引くような笑みを浮かべながら、入学式の準備を始めた。







これから始まるであろう、妹達との戦いを思い浮かべながら......。




















どうでしたかね?出来れば感想とか頂けると嬉しいんですけど......。

まあ、それはさておき!もうすぐ夏休みです!ええもう皆様も気分が高揚としてるんじゃないでしょうか?

ええ。自分はしてますとも!遊ぶに決まってるじゃないですか!......も、もちろん更新もしますからね?本当ですよ?


......ん、んんっ。それではまた次回で会いましょう!それでは!

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