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星を追う者 ~話が長い。三行で~  作者: 鴉野 兄貴
『山賊』に出会った
6/77

ギンカを返してもらった

穴が欲しいらしいので地面に手ごろな穴を掘ってあげたのだが、

『山賊』は目から塩水を出すのを辞めない。動かないので放っておいて旅をすることにする。

今日も平和だ。……と、思っていたら『山賊』はついてくるという。別に要らないのだが。


……。

 ……。

 「おいっ?! まてっ? 」

「……どうした? 穴なら何でもいいといわなかったか? 」

私は背を向けたまま歩く。周囲には光霊が巡回しているので目で見る必要はない。


 「悪かった! 悪かった! ディーヌ!! 」

どたどたと走りよる『山賊』。何が悪いのかは理解できないが、

相手を尊重する我らの習俗を理解してもらったらしい。光栄なことである。


 「お前の行動は人間にとって自然なコトらしい。私は理解した」

「……(俺の所為で人間全体が多大な誤解を受けた気がする)」


 私が歩を進めていると「お前の脚は速いッ! ちょっと待てっ! 」と後ろから五月蝿い。

「……」待てといわれたのでとりあえず止まってみる。


 「なんて脚が速いんだ」「……お前の脚が短いだけだ」

そういうと彼は「俺のほうが背が高いのに……」と言っている。

また瞳から塩水を出しかねない。塩は植物を枯らす。危険だ。


 「私はいくつかのことを学んだ。人間の前で肌を見せてはいけない」「お、おう」

「人間は身体から塩を作る。恐ろしい」「……まて。服を脱いではいけない根拠としてオカシイ」

「我らにとって精神の精霊は悪戯者の友人だが、人間は稀に彼らに支配される」「そ、そうなのか」

「性衝動はそれに更に勝る」「そ、そうだな」

「穴ならなんでもいい」「……地面に穴掘られた男の気持ちがエルフにわかるか」


 がっくりと肩を落とす謎の呪術。悲しみの精霊・『泣き女』を呼ぶ呪術なのだと昨今理解した。

人間と言うのは面白い。精霊の言葉を解せずして、高位の精霊を呼び出すのだから。


 「ところで」「なんだ? 」

「ディーヌ? とはなんだ? 」「お前だ」

「ディーヌスレイトと言ったが? 」「短くした」

人間はとにかく短い名前を好むらしい。


 「それから、この銀貨は返しておくぞ」「? 」

「お前と付き合ってると頭が割れそうだ」「??? 割れるのか?! 人間は凄いな」


 「我らは人間と違い、腕が千切れてもくっつけることはできる。

が、割れた頭はどうにもならんな。流石に身体の損傷が激しすぎる。

……腕が千切れた程度で大騒ぎの種族が、頭が割れても大丈夫とは初耳だ」「……」


 「どうした? 私が人間の腕が千切れたら戻らないということを知っていて驚いたか? 」

『山賊』は私の博識ぶりに驚いたようだ。

私も其の話を聞いて驚いた。人間とは頑丈のようにみえてなんと弱いのかと。


「……やっぱ、不安だからしばらくお前についていくわ」「???」

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