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星を追う者 ~話が長い。三行で~  作者: 鴉野 兄貴
『山賊』に出会った
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さぁ 犯そう

『山賊』が改めて襲い掛かってきた。私は彼を撃退した。

人間の前で肌を見せると彼らは理性を失い。塩水を噴出し、植物を枯らすことを私は学んだ。

人間は恐ろしい種族だ。今後は人間の前で肌を見せないように努力しよう。

……。

 ……。


 「お前無茶苦茶強いじゃないか」

『山賊』は大地に口付けをしている。なんらかの儀式なのだろう。


 若干遡る。

「……前に確認したときは、尻の穴すらなかったんだが」

「おそらく、貴様に食事を薦められてからだろうな」「……どういう身体してるんだよ」

「? こういう身体だが? 」

「わかんねぇよっ?! 」


 私は丁度よいことに革鎧を脱いでくつろいでいた。

「見え難いのなら再度確認すれば良いだろう」

春風と蜘蛛の糸で織った服を脱ぎ捨てると、彼は何故か「ごくっ」と言う音を立てた。


 「其の音はなんだ? 」

「ごくっ 」????


 「……この一ヶ月、女とヤッてねえんだ」

「よくわからんが、大変だな」「ああ。大変だ」


 「尻の穴でいいからやらせろっ?! 」「……?? 使用目的が異なると思うのだが」

「ニア 」「 そ う か ん け い な い ね 」 「……」


 私は慣れぬ身体と遠のいた精霊の声に苦労しながら、彼を撃退した。

……冒頭に戻る。


 「お前無茶苦茶強いじゃないか」

「お前が弱すぎるだけだ」『本来の身体』だったら彼は死んでいる。


 「そもそも、ギンカはやったし、繁殖行為は行わない約定ではなかったか? 」

「人間は、裸の女を見ると理性を失うことがあるんだよっ?! 」「……人間は大変だな」

恐ろしい種族だ人間と言うモノは。理性を失うことがあるのか。


 「一応、言っておくが。排泄口は生殖行為を行う穴とは異なるものらしい。

構造上そのような用途を想定していない筈だ。大事な身体を壊されてはたまらない。気をつけてくれ」


 「お前にとって大事なものでも、相手次第では違ったりするんだっ?! 」「……そうなのか」

うむ。我が種族は御互いを尊重するのだが。人間との語らいは未知ばかりで興味が尽きぬ。


 「すくなくとも、私が恋をしないかぎり、生殖器は出来ないだろうな」

そう言い放つと、「俺、どういう立場なんだ」と彼は瞳から塩気のにおいのする水を出した。


 人間は労せずして瞳や肌から塩を作ることが出来るらしい。やはり、人間は恐ろしい種族だ。

……今後は肌を人間の前で見せないよう努力に務めることにする。

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