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星を追う者 ~話が長い。三行で~  作者: 鴉野 兄貴
星を追う者達 『美しき』シーラ・カンス

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悪意の館

「お姉さま方はとても美しい方です」私たちは時々彼女の美的感覚を疑う事態に遭遇していたが。

「どこが? 」「え? 」「うそ?! 」彼女の『瞳』は相手の心の美しさをみる事実を知ったのは後の事である。

……。

 ……。

「お姉さま方。只今『シェヘラザード』が戻りました」

私たちは彼女の実家を訪れることとなった。魔導王国の復活を目論む彼女の父と彼女のコンヤクシャとの決着をつけるために。

 もっとも、説得でどうこうなるのならばそれはそれでいいとは『平原の国』の王たちの意見である。要するに魔導帝国の技術が欲しいそうだ。

「『芸術の都』を離れて長いですよね」「こんな遠くの異国の辺境にくるなんて」

仲間たちは愚痴るが、世間一般では西方都市国家群のほうが『イナカ』である。

シーラは父親には複雑な思いを抱いているが姉たちには純粋な思慕の情を持つようであり、実家に戻り父と決着をつける前に姉二人の美貌を自慢していた。

上の姉は豊満な美女。下の姉はすらりとした長身の美女。

容姿も母もそれぞれ違うが心清くて領民に慕われているそうだ。

しかし。


「どこが? 」「シーラちゃん。ちょっと」


 シーナとラッキィの台詞に不思議そうな顔をするシーラ。

薄々気づいていたが彼女は人間の顔を見ることが出来ない。

彼女が見ているのは心の美しさなのだろう。

故に父が醜いという話も納得できた。

彼女の父は明らかに彼女の父と解る容貌だったからだ。


 真なる『風妖精の女王』が宿る魔槍を遺跡から取り戻す戦いを経て彼女のコンヤクシャを倒し、

そして世界を手にする妄想を抱いた彼女の父を倒した私たちは炎に包まれる館を後にした。

父の所業の全ての責を取り、過去の遺産を消すためシーラと私たちを逃がし、

炎の中央で華やかにほほ笑んで手を振り我らの無事を祈る二人の女性。私には彼女たちが本当に『美しく』見えた。

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