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星を追う者 ~話が長い。三行で~  作者: 鴉野 兄貴
『山賊』に出会った
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空腹を満たしたのに『身体』がフラフラする

 身体と心が結びつかない。意識の混濁というものか。これも身体に慣れていない所為だな。

そう思っていると、『山賊』は時々パタンと横になり、『グーグー』と不愉快な音を出して私の相手をしてくれないことに気がついた。大したことではないが。不愉快だ。


……。

 ……。


 「……お前、寝ないのか? 見張りとしては便利だな」

「……? 寝る? 」「ああああっ?? もうテメェを抱く気なんかないからなっ??! 」


 「……? 」

「お前は、その目をしているときとウサギみたいな耳が動いていないなら、何を考えているかワカラン」

「耳など動くか。子供ではないのだぞ? 」「動いてるっ! ものすっごく動いているよっ!? 」


 『山賊』はそういうと、「そーいえばお前の名前を聞いてなかったんだが」

「……♪ 」


 「綺麗な歌声だったな。で、お前の名前は? 」

パチパチと手を打ち合わせる不思議な動きを見せる『山賊』。

「さっき教えたぞ」


 「……まさか。さっきの唄か? 」「其の通りだが」

「長いっ?! 呼べるかっ?! 」「……私たちは普通に呼び合っているのだが」

「お前らの時間感覚に付き合えるかっ?! 1秒で呼べる名前にしろっ?! 」


 「――」

「……今度はなんだ? 」「精霊の言葉だ。心にある言葉を直接伝えることが出来る」

「……人間にわかる言葉にしてくれ」「難しいな」


 こうして、私は『ディーヌスレイト』と名乗ることとなった。

かつて私が飼っていた犬の名前である。父は狼と言って聞かないが。


 『山賊』という下劣な種は如何な不思議か『冒険者』なる種になったという。

種が変わるとは。人間とは誠に興味深い。『風の声』に乗せ、女王に報告しておこう。


 「ところで、お前が死にそうな理由が判ったぞ」「ほう」

「目を閉じて、横になると解決する」「わかった」


 「凄いな。貴様は『イシャ』になれるぞ」「……」

身体が軽い。意識との接続が格段に楽になった。謝意を述べると彼はまた頭を抱える呪術を行った。

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