プロローグ 旅立ちの試練
私は人間世界を旅する使命をうけた。今は一人で不可思議な洞窟を探索している。
しかし、勝手についてきた妹を助けてしまい。目的の品を投げ出してしまった。
気がつくと女王が私の前に立っており、これは幻だったと告げると『私』に物見の資格を与えた。
……。
……。
我が名は『ほしをおうむすめ』。
エルフの名前は言い難い。か。
そうだな、「ディーヌスレイト」と呼んではくれぬか。
私の父曰く、以前世話していた狼の名だそうだ。
「姉さま。これを」
幼い妹のエルル。本名は『もりのこもれび』だが暫定的にそう呼ぼう。
彼女は古ぼけた木の実で作った首飾りをくれた。
「あなたの見たものが幻か真実かは知りません。あなたの本質があの幻で見えたはずです」
村の女王はそういうと、「あなたに星の加護あれ『ほしをおうむすめ』」と私に祝福を授けた。
両親は私の旅立ちのためにと武器や防具(必要らしい)、
旅の装備と……出来損ないの形をした銀の円盤を沢山くれた。ギンカ。とかいうものらしい。
使用法を解説された。本来の価値以上の『値段』をつけようとするモノばかりで苦労するそうだ。
大切に使えとのことだが、少々判らない。
「では、行って来る」
私は皆に旅立ちの挨拶を済ませ、いまだ幼い『姉妹の木』に記憶を預けると、
『姉妹の木』の一部が裂けて私の『身体』が生まれた。
姉妹の木の負担からして、100年以上は新しい身体を作ることは叶わないだろう。
……新しい身体にはなじまない。剣も弓も重く感じる。精霊の声もほとんど届かない。
私は『身体』に苦労しながら森を歩き、
森から一歩外に踏み出した。太陽の明かりに目を細めて。
……私の旅が始まった。
イメージソング
『百年の孤独』EPO
『キミはス・テ・キ』ムーヴ