第一話 貧乳女神様
少年が横断歩道を渡っている。彼の名前は不知火司。高校二年生だ。彼がふと、向かいの道を見ると巨乳な女子高校生が歩いている。司は目を奪われた。その後トラックのクラクション音が鳴り響いた。
「うわっ、?!」
司はトラックに轢かれてしまった。周りの慌てる声がだんだんと小さくなっていく。
「つかさ。おい。おきるのだ。」
少女の少し怒ったような声で目を覚ます。周りは雲ひとつない青空、足元には雲が広がっている。きっとここが天国なのだろう。ふと、前を見ると、金髪に透き通るような淡い水色の瞳をした幼い少女が大きな金の装飾の椅子に座っている。
「誰だ?お前?ここはどこだ?」
司は起き上がると、戸惑った様子で問いかける。
「いきなり失礼な奴なのだ!我は女神、アーシャ様だぞ?あとここは天国だ!お前は死んだのだ!巨乳の女を見てたせいでな!バカな奴め!ふんっ!」
アーシャは頬を膨らませて怒っている。
「そこでだ!お前を転生させてやる!」
「ほ、本当ですか!!」
オタクの司にとって、異世界転生できるなんてのは、とても嬉しい事なのだ。
「どのような世界に連れて行って頂けるのでしょうか?」
急に畏まった対応になったのは、それだけ喜ばしい提案だからだろう。
「魔法あり!異種族あり!の異世界だ!どうだ?嬉しいか?」
「ありがとうございます!!特殊能力とかは、、、」
「我はそういうめんどくさいのはやだなのだ!」
「あー、、、そう、、、なんですねっ、、、でも?異世界転生できるってだけでも幸せですよ、、、!」
少し残念そうな司を見て、アーシャは不服そうな態度を取る。
「そこまで言うなら、、、我がまじないをかけてあげるのだ」
そう言ってアーシャが祈ると司は眩い光に包まれる。
「おぉー!!ありがたや〜!所で、、、どんな効果が?」
「貧乳女子に好かれるまじないなのだ!」
「ん?ひんにゅー?、、、貧乳?!」
司は驚いた様子でよろける。
「巨乳の女子高校生を見て居たせいで死んだのだろう?だから、次はそうならない為にと思ったのだ!」
これが、ありがた迷惑という奴なのだろうか。まぁ、巨乳女子に嫌われる呪いをかけられるよりマシだと思うしかないのだろう。
「さあ、行くのだ!」
再び眩い光に包まれ、再び目を開けると、其処は中世ヨーロッパのようなよくある異世界の町中だった。