第六話 再検査
一週間後の夕方、病院で
ゼン「こ......こ...は?」
意識を戻したゼンのぼんやりとした視界に白い天井が広がった
ゼン「この機械と......この消毒の匂い......ここは病院か」
点滴と心電図モニターが繋がれ、消毒液の匂いが鼻をつく──ここが病院だと、すぐにわかった
その時、誰かが扉を開く
麗奈「ゼン...さん」
リリス「ゼン!」
ゼンを見た二人の少女は、一目散にゼンに向かい、思わずゼンに抱き着いた
麗奈「ゼンさん、目覚めてくださって......ホントによかったですわ...!」
リリス「うん.....ホントに......よかった...」
二人は涙を流しながら言った
ゼン「麗奈姉、リリス姉はな...して、胸で...息が.........出来...ない」
二人の豊満な胸がゼンの顔に押し付けられ、ゼンは息ができずに窒息しかけていた
麗奈「申し訳ございませんわ///」
リリス「ごめん///」
二人ははずかしいそうに、言った
龍「無事でよかったけどよ...一週間は寝すぎだ...ゼン」
龍は安堵した表情で言った
ゼン「ごめん...そういえば僕が倒れた後、どうなった?」
龍「お前が倒れて...おそらくすぐだと思うが、警察を連れて俺と凛と唯が着いてたら」
龍「驚いたよ...麗奈とリリスが泣きそうな表情をしてて...そして耳と鼻から血を出すゼンが居たんだから」
龍「すぐに、救急車を呼んで、気絶してた葛木達は警察が連れて行ったよ」
ゼン「えっ.........僕、そんな......ことに」
ゼンは自身に起きたことに恐怖を抱いた
龍「医者が言ってたんだけど、脳から出血したらしいけど、いったい何があったんだ...戦ってる時に?」
ゼン「覚えてないところもあるけど...」
ゼンは葛木達との戦った時の事を話した
龍「そんな、事が起きてたのか」
再び扉が開く
吉秋「ゼン君目覚めたのか...ハァ...ハァ...ハァ...よかった」
息を切らしながら来た、吉秋が安堵の表情をした
ゼン「吉秋さん」
そのすぐ、もう一人、誰かが来た
葛木の父「あの...家の愚息の件で...お話が」
吉秋「その事は電話で伝えただろ!」
吉秋はキレながら言った
葛木の父「でも、弊社との取引永続停止は...やりすぎでは?」
葛木の父はゴマすりをしながら言った
吉秋「人の愛娘の麗奈と娘みたいに見てるリリスの二人を凌辱しようし」
吉秋「息子みたいに思ってるゼンを殺そうとした奴の両親とは取引できるわけねえだろ」
吉秋「もともと、お前らの黒い噂を聞いて、取引を考えてる時に起きたことだ」
吉秋「それが決め手となった、だから、俺が冷静の内にさっさと消えねえと...殺すぞ!」
吉秋は怒りが混じった低く抑えた声で言った
葛木の父「わ...わかり......ました」
吉秋の怒気に葛木の父は尻込みをし、逃げ出した
麗奈「お父様、殺すはさすがに言い過ぎでは?、ゼンさんのおかげで拘束された以外、無事ですので」
吉秋「そうか?」
医者「あの...吉秋さんですか」
医者が病室に来て、吉秋に話しかけた
吉秋「そうですが」
医者「では、こちらに来てください、ゼン君の退院日について話したいので」
吉秋「はい」
吉秋「すぐに...終わるともうから...四人で話して...帰る時は送るから」
吉秋と医者はゼンの病室を後にした
数十分後
吉秋が戻ってきた
吉秋「ゼン君、明後日には退院できるらしいぞ」
吉秋「そろそろ、俺達ができる、面会時間は終わっちまうな、二人とも帰るぞ、龍君も家に送るから来てくれ」
龍「わかりました」
麗奈「ゼンさん、私達は明日も来ますね」
ゼン「うん...じゃあまた明日」
二日後
ゼン「やっと退院できた」
吉秋「ゼン君、こっちだよ」
吉秋が車を停め、手を振りながらゼンを呼んだ
ゼン「この...呼ばれ方...どこかで...気のせいか」
ゼンは車に乗り込むと、ドアの閉まる音が響いた
吉秋「NAMOへ、行くぞ」
ゼン「え、なんで?」
吉秋「医者が言ってたぞ、一週間の昏睡は脳の出血じゃなくて、覚醒が原因だとよ」
吉秋「だから、魔力検査しに行くぞ」
二時間後、吉秋車を停め
吉秋「行くぞ」
ゼン「はい...」
自動ドアが「ウィーン」と開く音がした
受付嬢「いらっしゃいませ、国立能力・魔力機構(NAMO)へようこそ本日はどのようなご用件でしょうか?」
吉秋「予約をした黒羽です」
受付嬢「黒羽様ですね、魔力検査でのご予約を承っています」
受付嬢「では、ご案内しますね」
受付嬢が二人を案内した
受付嬢「では、こちらでお待ちください」
吉秋「わかりました」
検査員「検査する方は入ってください」
スピーカーから出る声
ゼンは検査室に入ってい
検査員「お...六年前に検査した子供をまた検査することはな」
検査員「とりあえず、指に少し魔力を溜めて、この穴に指を入れろ」
ゼン「あっ、はい」
ゼンは機械の挿入口いに指を入れた
検査員は機械のスイッチを押したらゼンの指を光でスキャンし、魔力を調べ始めた
検査員「結果が出るまで少しの間、待ってろ」
ゼン「はい...」
ゼン「あの、少し二つ質問して良いですか?」
検査員「良いぞ」
ゼン「世界最強ってどうなるんですか?」
検査員「世界最強に成る方法ね」
検査員「六年前に世界最強は魔王と勇者と言ったが」
検査員「魔王に成る方法は」
検査員「世界最強に成りたいなら魔王か勇者に勝つとか、だろうな」
ゼン「もう一つの質問して良いですか?」
検査員「良いぞ」
ゼン「六年前は水晶に触れて検査してませんでした?今はなんで機械の中に指を入れてるんですか?」
検査員「簡単に言うと、技術の進歩によって能力と魔力量以外も検査できるようになるからだ」
ゼン「そうなんですか?」
ゼンは首をかしげながら尋ねた
検査員「結果が出たから、何が増えたかはわかる」
検査員が再びボタンを押すと機械から音声が聞こえた
機械音声「名前氷月ゼン 能力:概念型能力【空間操作】特殊現象型能力【影操作】
魔力:基本魔力量:5万 最大魔力量:15万 魔力出力:1万 皮膚魔力浸透率0% 魔力最大許容値:測定不能
その他能力:空間眼」
検査員「能力二つに増えたんだな、魔力量もすげえな。でも、浸透率と出力が危ないな」検査員「それに、眼の力を持ってるのか」
ゼン「あの...空間眼 って何ですか?」
検査員「俺はただの検査員だ...詳細には知らないが...目に宿る、能力とは別の力だ」
ゼン「そう......ですか」
ゼンは得体のしれない、新たな能力に一抹の不安を感じた
検査員「話はここまでにして、検査はこれで終わりだ、この紙を保護者に渡してさっさと帰れ」
半ば強引に検査室から出された、ゼンは直ぐに吉秋に紙を渡した
吉秋「今から、魔導具を見にいくぞ」
ゼン「え、いいんですか?」
ゼン「魔導具って、高いですよね?」
吉秋「家電製品よりかは安いだろ」
吉秋「言っとくけど高いからって、買わないっていう選択肢はねえぞ、行くぞ」
ゼン「は...い」
ゼンはあきらめて返事をした
ゼンと吉明はNAMOから出て、車に向かっている時、NAMO屋上にて男がゼンを見ていた
⁇?「まさか...もう転生していたとは0番よ..これであの計画が始動できますね」
ゼン「誰...!」
屋上からの視線に背筋が凍りつき、慌てて屋上を
ゼン「誰も...居ない!」
男は一瞬にしていなくなった
ゼン「きの...せい?」
ゼンは少しの不安を感じた
吉秋「ゼン君...何で?屋上を見てるんだ...百貨店に向かから、車に乗り込んでくれないか?」
ゼン「あっ、はい...すいません」
ゼンは急いで車に乗り込んだ
数時間後
ゼンと吉秋は家に帰った
桜花「吉秋さん、ゼン君おかえりなさい~」
吉秋・ゼン「ただいま」
桜花「吉秋さん、どうしてそんなに疲れてるんですか~?」
吉秋「実はな...」
吉秋はあったことを話し始めた
数時間前
吉秋「ゼンくん、着いたよ」
ゼン「はい」
ゼンと吉秋は車から降り百貨店に入った
吉秋「魔導具はこっちだな」
吉秋とゼンは魔導具売り場に向かった
吉秋「あの...」
販売員「なんですか?」
吉秋「このような、魔導具ってありますか?」
吉秋は販売員に紙を見せた
販売員「この二つの魔導具はありますけど、お客様が求めるスペックの物は...オーダーメイドになりますね」
吉秋「オーダーメイドお願いします」
ゼン「え...」
販売員「じゃあこちらにきてください」
販売員は魔導具技師が居る部屋に案内した
魔導技師「どういう魔導具をご所望ですか?」
吉秋「魔力出力を一万から千まで下げる魔導具と魔力皮膚浸透率0から上げる魔導具を」
魔導技師「無理です、そんなスペックの物は...作れません!」
ゼンと吉秋は魔導技師に無理やり部屋から追い出された
吉秋「マジか」
二人はその後も三店舗で同じことを聞き追い出された
吉秋「こんなことがあった」
桜花「そんな、ことがあったのですね~」
吉秋「ゼン君の魔導具をどうするか、もっと都会方面かベルクリアに行くか?」
ゼン「そんなに探さなくて良いですよ、皮膚から魔力を出す他の方法と超短期決戦スタイルに成れば良い...」
吉秋「それはだめだ、その戦闘スタイルは高ランク、防御系の技を扱う能力者には弱い」
吉秋「だから、魔力出力の魔導具は探さないといけないんだ」
桜花「そうよ、ゼン君その戦闘スタイルははやめた方が良いわよ~」
吉秋「そう言えば、ゼン君はランクの事、知ってるのか?」
ゼン「葛木の野郎が!、そういえば言ってたけど、知らないです」
吉秋「ゼン君、急に口悪くなるな...その話は捨て置いて」
吉秋「学校で学ばないからなランクは、簡単に言うと、能力者の実力の位だ」
吉秋「詳しくは...近いうちにNAMOからのランク説明講座でわかるから」
ゼン「実力の...位か」
桜花「魔導具を探して、疲れたでしょ?お風呂、沸いてるから、入ってどうするかちゃんと考えたらいいんじゃな
いの?」
ゼン「入ります」
ゼンは風呂場に向かった
麗奈「お父様?」
吉秋「どうした麗奈?」
麗奈「話をお聞きして、リリスが能力で魔力の出力を下げられるかもらしいですわ」
吉秋「そうなの、リリスちゃん?」
リリス「はい、私の呪い操作の能力で呪いを付与できるアクセサリがあればですけど」
吉秋「なら、土曜日に買いに行くか」
翌日警察から電話が掛かってきた、葛木の手下Bは影の斬撃のあたりどこがよく治せたが、悪ければ一生、動け
なるところだったが、殺そうとし覚醒した事で起きたことのためにゼンは不問になった事を伝えられたが、それを聞いたゼンは家を飛び出した
麗奈達はゼンを探したが見つからず夕方になり龍が河川敷でゼンを見つけた
龍「ゼン...やっと見つけたぞ」
ゼン「龍...」
下を向き、体育座りをしていたゼンは龍を見ながら言った
龍「なんで、こんなところに居るんだ?」
ゼン「電話の話を聞いて自分の能力≪ちから≫が怖くなって、それで...皆といて良いのかなって思って」
ゼンはうつ向いたまま言っていた
龍「なんで、そんなこと思ったんだ!」
ゼン「仲間を守るための攻撃がその仲間を傷つけるのが、暴走したときに傷つけるのが怖い!」
ゼン「この影を操る能力はは制御できなければ...麗奈達も無関係な人も敵、無差別に...殺してしまう、村
を...襲った...奴らみたいに......なりたくない」
龍「そんなのは、能力の訓練や精神を強化すれば良いんだよ!」
龍「傷を付けそうな時も、俺が防いでやるよ、暴走しても、力ずくで止めてやるよ!、
龍「俺を信じてくれ、俺ら親友だろ?」
ゼン「...龍」
ゼンは涙を流した
龍「帰るぞ」
龍はゼンに手を差し出した
ゼン「龍、ありがとう」
ゼンは戻り、誰にも何も言わずに家を飛び出した理由を話して謝り、探して人達はゼンを笑顔で許した
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