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12/20

ここだけ広がるは荒野

「——よし! 今日から本格的にやるとするか、覇権ゲー!」


 翌朝、居住区にある宿屋から出たところで意気込み、気合いを入れる。

 昨日はミッションを受注した後、密猟に向けて色々と下準備を済ませたのはよかったが、あちこち店を回っていたら思った以上に遅い時間になっていたから、日を改めて<未開領域>に挑むことにした。


 別にそのまま徹夜で密猟を敢行してもよかったが、フルダイブ中の睡眠不足はパフォーマンスにもろ影響するからな。

 いつでも万全の状態で遊べるよう普段から体調管理に気をかけるのもゲーマーの勤めというものだ。


 それに今日からゴールデンウィークに突入したとはいえ、来週の日曜までずっと休日というわけでもない。

 ここで生活リズムを大きく崩そうものなら、谷間の平日がガチでキツくなる。

 去年それやらかしてしばらく体調ぶっ壊したから、以降は健康的なゲーム生活を心掛けるようにしている。


 ちなみにゼネとティアも俺ほどじゃないが、似たような感じになっていた。




————————————


PN:アラヤ

Lv.8

所持金:80ガル


レンジ:クロス

ポジション:ガンナー

クラス:タンク


HP(生命力):50

MP(魔力):40

STR(筋力):20

VIT(耐久):25

INT(知性):10

MIN(精神):25

AGI(敏捷):15

DEX(器用):70

LUC(幸運):10

アビリティ

・スプレッドショット

・パワーガード

・クイックリロード

・プロヴォーク


装備

メイン:シェルブレイカー

サブ:タワーシールド/無銘の散弾銃

頭:-

胴:支給隊服(上)

腕:革の手袋

腰:支給隊服(下)

脚:戦闘ブーツ

アクセサリ:-


————————————




 昨日の試し撃ちの結果、デュアルショットガンを実戦で運用するとなると、絶対的にMPが足りていないことが判明したから、終了認定試験クリアの際にレベルアップで獲得したポイントは全てMPに注ぎ込んでおいた。


 そうじゃなくてもMPが手数に直結する以上、MP量を増やしておいて損はない。

 本音としては、DEXにポイントを割きたいところだが、それはもう少しレベルが上がってからだな。

 今はまず弾を多く撃てるようにすることが最優先だ。


 それと依頼を受けるにあたって、女店主がシェルブレイカーとは別にショットガンを一つ譲ってくれた。

 どうやら昔、店にいた傭兵が置いていったものらしい。

 つまるところ誰かの使い古しを渡されたようなものだが、追加効果が”怯み、仰け反り性能アップ”と初期武器より断然性能が良さげだったから何も文句はない。


 ——それにしても、思っていたより気前の良い人だったな、あの女店主。


 話した感じ、問答無用で金品巻き上げるようなタイプでもなかったし、なんだかんだでシェルブレイカーも千ガルまけてくれたしな。

 逆になんで二人もぼったくりの被害にあったのか甚だ疑問なくらいだ。


 もしかして、ぼったくられるには何かしらの条件があったりするのだろうか。

 もしジュリが何事もなく店を後にできたのなら、その説はあり得るかもしれない。


「……けどまあ、まずは目の前の事に集中するか」


 気を引き締めたところで、街の外へと移動を開始する。






   *     *     *






「あー……なるほどな」


 オリオールの南門からフィールドに出てすぐのこと。

 なんで他の陣営と比べて、セプス=アーテルの人気がない原因の一つが分かった気がする。


「これだけ荒れ果てたら、そりゃ他のとこに流れるよな」


 眼前に広がっていたのは、草一本すら生えなていない原野だった。


 あちこちで岩肌が剥き出しとなり、寂寥とした風に吹かれて砂埃が舞っているだけのフィールド。

 視界に映るものといえば、<未開領域>に向かうNPCが運転してるであろう車両、レベル上げに勤しむ少数のプレイヤー、それとあちらこちらで徘徊するモンスター。

 流石にこれは、あまりにも殺風景が過ぎる。

 これじゃあ冒険のし甲斐があまり感じられない。

 少なくとも、景色を楽しみたいエンジョイ勢やライト層からは好まれなさそうな環境であることは確かた。


 いやまあ、ここが痩せた土地だってことは、ログイン前に色々と基礎知識調べたおかげで既に知ってはいたけど。

 だとしてもまさかここまで終わってるとは思ってなかったぞ。


 じゃあ他の三陣営がどうなっているかというと、こことは打って違って雄大な自然が広がっているらしい。

 西は西欧、東は和風、南は南国をモチーフにしているとのことだ。

 冒険に楽しみを見出したいのであれば、北以外のいずれかにするべきだろう。


「——俺としては、寧ろウェルカムだけど」


 逆張り厨としては、不人気であればあるほどいい。

 だってそっちの方が燃えるし、それで結果を出せた時が面白いだろ。


 アンノウン狩りだってその一環だ。

 恐らく本来であればこんな序盤からやるべきことではないからこそ、挑戦する甲斐があるというもの。

 そして、今の状態でアンノウン共を倒せれば、ソマガで培ってきた実力が本物だってことも証明できる。


「とりあえず、モンスターを倒しながら進むとするか」


 雑魚相手なら守りはいらねえな。

 ショットガン二丁を呼び出し、俺は荒野を突き進むことにした。

武器はメインとサブそれぞれ二つまでセット可能で、同じ枠にセットした武器は同時に呼び出すことは出来ませんが、いつでも切り替え可能です。

ですが、手札が多くても的確に使い分けれなければ意味がないので、上位勢はあえてセットする武器を一つだけに留めている人も一定数いるようです。

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