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勇者認定

 俺は全力で魔境を南へ駆けた。後ろから一人ついてくるのが分かったけど、待ってなどいられない。たった35キロル。本気を出せば今の俺なら2時間もかからない。


 2時間後、俺は自分が野営していた場所に来ていた。

 監視班の人が言っていた通り、明らかに何者かによって壁が崩されている。

 そして、少し離れた場所に、魔物の血をぶちまけたような痕跡の場所があった。

 そこに俺は寝かされていたのだろう。

 であれば、間違いなくワイバーンのエサになっていた筈だ。


 今更ながら新たに怒りが込上げてきた。

 リックは俺を殺すつもりだったのか。だとしたら許せない。

 同時に、救ってくれた監視班の人達に感謝もした。

 お礼を言いそびれた、あとでしっかり言っておこう。


 今は六日目の昼下がりだ。

 今日中に手に入れて明日朝から出発すれば十分に間に合う。

 でも、今はワイバーンが数多く上空を飛んでいる時間帯だ。


 どうするか。亀裂のある場所まで行って同じように卵を獲るにしても時間が足りない。

 どうせ無茶をすることになる。でも・・・


 結局、亀裂のある崖まで戻ることにした。

 それ以外の場所ではどう考えても成功する見込みがなかったからだ。

 周囲を霧で包んで、素早く亀裂の隙間へ移動し、全力で崖を登る。

 頂上へ出たらまた霧を纏って目標を確認。その巣は、前回確認したからそこに卵がある事は分かっている。

 だけど、この日は風が強くて今は霧の発生する時間帯でもない。


 すぐに上空を飛んでいたワイバーンに見つかってしまった。

 美味そうなエサがすぐ傍にいるのだ。襲ってこないわけがない。


 こうなると、もう先へ進むしかない。

 俺は崖の下、目標に決めた巣に向かって飛び降りた。

 突きでた岩を飛び跳ねて次から次へ移動する。その俺を狙って滑空して鋭い爪を突き出してくるけど、その前に素早く移動する。


 目標にしたその巣には一匹のワイバーンが卵を温めていた。

 それでも構わない。その巣めがけて俺は霧を吹きかけて弱い雷撃を放った。

 ガゴーン!

 雷鳴が響いて、巣の上にいたワイバーンが驚きのあまり飛び立った。

 その隙に、背負い袋に卵を詰め込む。

 そして離脱。


 さすがに、自分の卵をとられたワイバーンは見逃してくれなかった。

 俺が崖を駆け下りる速度に合わせて、くちばしや爪を仕掛けて来る。


「バレット!」

 土榴弾がワイバーンの胸に当たったけど、硬いうろこに弾かれた。

 ゲエェェー


 怒りに魔力が膨れ上がってくちばしが赤く光った。

 ヤバイ。火球が飛んでくる!


 俺は身を屈めて両足に魔力を込めて地面を蹴った。

 風魔法を自分の背中に当てて思い切って空へ飛び出る。

 そして風を操りながら、そのまま離れた場所に無事着地した。

 背後で、ドガーンと岩の崩れる音がした。

 振り返れば、さっきまで俺のいた場所に火球が当たって石コロがガラゴロと崩れ落ちて行く。

 ゲエェェー!


 下にある巣に瓦礫が落ち、そこの主が怒りで声を上げた。火球を放ったワイバーンと巣を壊されたワイバーンが争い始めた。


 ワイバーン同士の喧嘩は迫力があった。

 火球が飛び交い、空を割いて爪と爪で互いに絡み合う様にして落下してゆく。

 そうなると、巻き添えを食う個体も出て来る。

 ワイバーンの営巣地はすぐにひっちゃかめっちゃかの混乱に陥った


 俺はその隙に岩壁を飛び移りながら地上を目指した。

 300メトルの崖くだりだ。簡単ではないし、卵を背負っている。

 その俺を見逃さない奴だって当然いる。

 明らかに俺を狙って滑空してくる奴には風刃を浴びせた。ところがワイバーンは風を操ることができる。

 うっかり忘れていた。ワイバーンの手前で方向を変えて逸れて行ってしまった。


 すぐに土榴弾に切り替えて連射で切り抜けた。

 でも、次々と火球が飛んでくる。シールドや跳躍、時には水球のでかいのをぶつけてとにかく必死で崖を下った。


 地上に降り立った時、5匹のワイバーンが俺をしつこく狙って来ていた。

 すぐに頑丈な石の壁を築いて砦を築く。

 そこを足場にして、土榴弾を放ちまくった。

 火球がぶつかり熱風が吹き荒れる。それを水・風の魔法で相殺しながら、応戦した。

 翼の被膜に穴を空けると途端に動きが鈍る。それは、風を操ることが出来なくなったという事。

 狙いやすくなったところで、集中的に土榴弾を浴びせた。一匹が飛ぶことが出来なくなって落下した。

 よし!

 喜ぶのも束の間だった。その時、一匹が石砦に突っ込んできた。

 5メトルの巨体だ。さすがに石壁も崩されてしまった。

 すぐに石杭でその個体の腹を貫いて絶命させると、新しい石壁の砦を構築する。


 暗くなるまで頑張れば、撤退してゆくと思うんだけど・・

 陽が沈むまでそれほどかからない筈だ。


 俺はこっちに火球を放ってきた一匹に向けて特大の氷弾をぶつけて応戦した。

 まだ3匹もいる。俺はその応戦に掛かり切りになっていた。


 その頃、俺を追いかけてきた監視役の人が俺の戦いぶりを見ていた。


「なんだありゃ。あいつは一体何をやっている?」

 崖下のガレ場で砦に籠って複数のワイバーンに応戦する俺と、遥か上空で喧嘩をする多くのワイバーン。ゲーゲーガーガーうるさいったらありゃしない。


 そんな光景を見れば誰でも驚く。その人も当然驚いていた。

 そして巻き添えを食わない様にそっと物陰に身を潜めて俺の戦いを見守り始めた。

 勿論俺はそんな事は知らない。


 あたりが暗くなって漸く争いは終わり、ワイバーンはそれぞれの巣に戻っていった、

 俺もやっと砦を出て森の中へ身を隠すことができた。


「おい、お疲れだったな」

 走っていたらいきなり声を掛けられてびっくりした。

「いるならいるって言ってよ!」

 派手な打ち合いと騒々しい鳴き声で今の俺は気配察知が鈍っている。


「あぁ。すまん。で、卵は獲れたのか?」

「はい。ばっちし」

 そう言って背負い袋のふくらみを見せた。

「そうか。ところで、どこまで走るつもりだ?暴れまわって疲れてるところ悪いんだが、もうひと働きして欲しい」

「何をするんですか?」

「あの現場に2匹死んでたな。その素材を回収したい。非常に貴重なんだ。里の為になる」

「・・・・・」


「あのまま朽ち果てさせるにはもったいない。な、もうひと頑張りだ。それを持って帰りゃお前、卵の比じゃないほどに武勇を誇れるぞ」

「そうなんですか?」

 俺は足を止めた。

「あぁ。ワイバーンなんてめったに倒せない。卵なら目を掠めて盗むことも可能だろうがな。そうだな、デビルオーガが300年に一度だとすると、ワイバーンは50年、100年に一度だと少し言い過ぎって所か。獲れる素材も多い。な、頼むよ」

「分かりました。戻りましょう」



 それから、俺達は戻って夜飯を食べてすぐに剥ぎ取りを開始した。

 その監視人はエルル村のラッカと名乗った。

 細身長身のイケメンエルフだ。


 取れるものは、皮膜、皮、魔石、火焔袋、爪、胸肉だ。

 火焔袋が最も貴重な素材なのだそうだ。


 5メトルの成体2匹の剥ぎ取りだ。それなりにというか、かなり大変な作業だった。

 夜明けになれば、ワイバーンが漁りに来るのが分かり切っている。

 だから、近くに石小屋を建てて、そこに剥ぎ取った素材を次々と運び込んだ。

 死体をそのまま石小屋で覆わなかったのは、死体を目にしているワイバーンがいるからだ。

 絶対に日中に漁りに来て無理やりでも小屋を崩してしまうと思った。

 だから、面倒でも剥ぎ取りをして別の場所へ隠しておくのだ。


 空が白み始めて作業を終了した。

 胸肉を少し取り損なったけど、十分な量だ。腐るものは凍らせて俺達はエウロの里へ向かうことにした。


 里まで60キロル。一度監視人の介入を受けた時点で失格かもしれないけど、可能性はまだある。

 だって、同じ参加者からの妨害なんて想定してないよ。

 俺の脇が甘かったと言えなくはないけど、リックが悪いことに変わりはない。

 勇者の試練はあまり乗り気でもなかったけど、ビオラの期待に応えることで恩を返したいと思った時からやる気になった。

 それにここまで頑張ったら、きちんと里の勇者に認定されたいじゃないか。

 そんなことを考えながらひたすら足を動かす。


 今回は監視人がいるからそっちの全力に合わせて進んだ。

「待て、俺はもう限界だ。俺に構わず先に行け。エルルの里のラッカが認める。お前は一人でワイバーンの卵を手に入れ、一人でワイバーンの討伐を果たした。この言葉をエウロの里のギリュに伝えるがいい。ラッカが戻り次第キースの監視者として見たままを報告するとな」


「まだ、日暮れまでに時間は十分にあります。ここからはのんびり行きましょう。少し休憩してペースを落としても夕方前には間に合うでしょ」

 火を熾して千切って来た香り草を煮込んだ茶を啜った。


「俺を助けてくれたのは誰?あの時は怒りと焦りですっかりお礼を言うの忘れてたけど。もしかしてラッカ?」

「あぁ。明け方ワイバーンの様子が騒がしくてな。急いで様子を見に行ったらお前が眠っていてその上空にワイバーンが集まっていた。命拾いしたな」

「やっぱり、ありがとう。何か俺にできることがあれば言ってよ。お礼をしたいんだ」

「いや、いい。お前は黒狼退治で十分に働いた。それに命を助けられたというなら、俺もお前に助けられている。あのデビルオーガの戦いでな。大怪我をして動けない所をお前のヒールで救われた。ずっと礼を言いたかったんだ。それで今回は監視役に名乗り出た。キース。俺だけじゃない。みんなお前に感謝してる。ありがとな」


 お礼を言ったつもりがお礼を言われてしまった。


「ところで、リックがお前を殺そうとしたことは間違いないだろう。お前はその時どうする?」

「どうって言われても。里には里の掟があるでしょ。長老会議に任せます。でも、無罪放免となったら許せないかな」


「掟に任せるのであればいいんだ。エルフの掟は厳しい。リックは終わりだ。救いはお前が生きているってことだ。本当に馬鹿な男だよ」

 気の毒そうな、やりきれないような目でラッカは火を見つめていた。


 それから再び里を目指して、予定通り日没の前に辿り着いた。

 里の門前に入ると、子供たちが大喜びで出迎えてくれた。

 俺の姿を見た何人かが長の屋敷に走ってゆく。


 俺達はゆっくり歩きながらねぎらいの言葉に応えていた。

 長の屋敷の門前。リックがいた。


「そ、そんな馬鹿な。どうして・・」

「どうして生きてるのかって聞きたいのか?それは俺がキースを助けたからだ。リックよ、お前は犯しちゃならない罪を犯した。覚悟するんだな」


 俺の代わりにラッカが凄みのこもった目で睨みつけた。

「・・・・」

 俺から言う事は・・ない。



 長の屋敷に入ってすぐに長老会議となった。


「さて、まずはご苦労じゃった。卵を持っておるなら早速見せてもらおうか」

 俺は鞄から卵を出した。

「おぉー」

「さすがじゃ。キース。良くやった」

「ギリュ殿。今回の試練で見過ごせない不正があった為報告したいのですが」

 ラッカが発言した。

「話は他の二人の監視人から聞いておる。お主たちの帰りを待ってリックを問いただすつもりでおった。リックとリックに付けた監視人、各里の連絡員を呼べ」


 ゾロゾロと人が入室して一気に人の密度が増した。

 ビオラを始め、里の戦士たちまで入って来た。


「さて、リックよ。ここにお主が不正をしたと訴える者がおる。まず弁解の機会を与える。言いたいこと言うべきことを話すがよい。なお、ここはエウロの長老会議の場であると同時に勇者の試練の認定会議の場でもある。各里の代表も集まっておる。この場で嘘をつくという事はそれだけで罪となるのでな。気を付けられよ」

 今日の里長は何か威厳があるように感じる。表情がないから気のせいかもしれないけど。


 対して、リックは汗が噴き出て挙動がおかしい。

「俺は不正などしていない。堂々と自分一人の力で手に入れた。そのような嘘の報告に耳を貸さないでいただきたい」


「そうか。ならば監視人の話を聞くとしよう。おぉ。試練を受ける者には伝えていなかったが、お主達二人にはずっと3人の監視者が行動を見張っておった。誰も見ておらぬと思ているかもしれんがしっかり他里の複数の目が見ておったのじゃ。嘘は通用しないと思えよ」


 その言葉の後、リックの唇がわななき始めた。

 顔色が悪いぞ。嘘をついてまーすって言っているようなものだぞ。もう少し取り繕えよ。

 被害者の俺がそんな突っ込みを入れたくなってしまったじゃないか。


「ラッカ。何が起きたかを皆の前で話すと良い」

「5日目の夜明け前、キースの様子を見に行きました。前日にキースが卵を獲ったことは把握していたから、朝から帰還すると予想しておりました。しかし、キースの野営地上空にワイバーンが集まっており様子がおかしかった。行ってみればキースは角兎の内臓にまみれて倒れていた。だから、俺はキースを連れ帰り目覚めを待った。目覚めたのは6日目の昼。その時キースは何が起きていたのかを知りませんでした。そして、キースの野営地は荒らされていて卵はどこにもありませんでした。俺はリックが卵欲しさに薬を盛ってキースの殺害を試みたと確信しています」


「では、リックの監視人。知っていることを話せ」

「リックは2日目の夕方現地へ到着。3日目と4日目はワイバーンの営巣地付近をずっと歩き回っていました。4日目の夜、キースの野営地を訪れ1時間程話し込んでいました。その翌朝、卵を持って里に向かい6日目の夕刻に里へ帰還しました。卵の出所は不明で我々は把握していません」


 周りが騒めき始めた。

「では、リックよ。お主はいつ卵を手に入れたのじゃ?」

「そ、それは、4日目の夜です。闇に紛れて崖を登り、卵を手に入れたんだ。嘘じゃない!」

「ほう。ではキースよ。4日目の夜、リックと何を話したか教えてくれ」

「リックは、共同で卵を獲ろうと提案してきました。己一人の力で行う試練と聞いていたけど、それは建前だから問題ないと言われました。俺は既に卵を手に入れていたので、それを見せてその提案を断りました。その後手伝えと言われましたがそれも断りました」

「ほう。儂が言った言葉を建前とリックは言ったのじゃな」

「い、いや、そうじゃない。そんな話はしていない。キースは嘘をついているんだ!俺はバレロの里の筆頭戦士だ。そんな人族の子供の言う事を信用しないで欲しい。俺が正しいんだ!」


「それぞれの主張が随分と食い違っておるのう。キースは誰かに何らかの方法で眠らされて卵を奪われた挙句ワイバーンのエサにされそうになったと。もしそれが本当ならば、その何者かは相当重い罪となる。そして疑わしきはリックであると。一方、リックは自力で正々堂々と卵を手に入れたと。であれば、キースの卵を奪いキースを殺そうとした者はリックではなく別におるという事じゃ。だが、儂はこの二人のどちらかが嘘をついていると考えておる」


 周りの騒めきが止まらない。

 リックはいよいよ汗をぽたぽた流している。


「あの、俺から一ついいですか」

 こんな茶番はさっさと終わらせて欲しい。リファの顔だけ見たら早く眠りたいんだ。

 ワイバーン相手に立ちまわって、徹夜で働かされて一日中走り回ったんだから。


「俺は、自分の獲った卵に名前を書き込んでいます。卵の底の部分です。もし、リックの卵に俺の名前が掘ってあったら、それはリックが俺から盗んだという証拠になります」


 騒めきは一層大きくなった。

 リックは俺を見て口をアワアワさせている。そりゃ名前が書かれているなんて思わないよね。俺もただの思い付きだったし。でもそれが決定的な証拠になった。


 リックの卵は、長の後ろに飾られている。ひっくり返すだけで確認はすぐに出来た。


「どれどれ。ほう、ここにキースと名前が掘ってあるぞ。他の里の者も確認を頼む」

 そうして次々と人が群がって確認が行われた。


「さて、リックよ。お主の罪は確定した。何か言うべきことがあれば聞こう」

「な、何かの間違いです。俺は確かにこの手で卵を・・」

「まだ言うか。最後の謝罪のチャンスだったのだがな。では、リックは失格。加えてキース殺害を試みた犯罪人として厳正に処罰を行う。牢へ連れて行け」

「ま、待ってくれ!俺は悪くない。嘘をついているのはそこの子供の方だ!もう一度よく調べて・・」

 リックは控えていたビオラを始め里の戦士に引っ張られて連れて行かれた。



「さて、キースよ。リックの為したお主への行為は決して許されることではない。おそらく死罪となるであろう。今回の主催者として、同じエルフの一人としてお主には心から謝罪する。それで勘弁してはもらえぬだろうか」


「別に死罪でなくとも構いません。エルフ族の判断に任せます。それよりも、今回監視人のラッカに命を救われました。お礼を言いたいのはこっちです。ただそれで、監視人が介入したという事であれば俺も失格という事になりますか?」


「ギリュ殿。私からきちんと報告をさせていただきたい」

 ラッカが身を乗り出して発言を求めた。

「キースは一つ目の卵を確かに自分一人の力で手に入れました。我ら監視人一同この目で確認しております。そして、二つ目の卵ですが、私はキースの足について行けず、追い付いた時には既に卵を獲り終えた後でした。その時、キースは複数のワイバーンとの戦闘を行っておりました。ワイバーンを2匹倒し、現場近くに剥ぎ取った素材を保管しています」


『何じゃと!?』

「ワイバーンとの戦闘ですら一人で闘い、私は一切介入しておりません。その戦闘のすさまじさと言ったら、5匹のワイバーンに怯むことなく一歩も引きさがることなく、それは勇者の名にふさわしい見事な戦いでした。まぁ、そのあと里の為に剥ぎ取りを手伝いましたが。あ、証拠の品に、火焔袋を一つ持ってきました。私は、監視役としてキースの勇者認定を私のエルフの血に掛けて全面的に支持します」


 どうだと言わんばかりにラッカが言いきった。

 袋から火焔袋が出てくると、その場が収集つかないほどに騒がしくなった。


「おぉ。見事な火焔袋じゃ!皆の者、裁定を行う。我らエウロの里はキースを勇者と認定する。他の里は如何に!?」

 あの里長が声を張り上げた。これはすごく貴重なシーンかもしれない。


「エルルの里は認めます」「ドリムの里も異論はない」「ガシムの里も認める」

 最後に「バレロも認める」


 満場一致で俺はエルフ族の勇者として認定されることになった。



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