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ブラックパンサー

 翌朝、リファが普通になっていた。いや、リファは元から普通なんだった。

 逆に俺は何故か照れ臭い。リファの顔がまともに見れない。

 どうしてしまったんだ?俺は?

 ギクシャクが止まらない・・


 でも、いつまでも引きずっていられない。

 顔をパンパン叩いて気合を入れて切り替えた。

 さっさと採集を始めてしまおう。

 俺はドキドキする心を隠して普通を装った。

 そんな俺をアリアがじろりと睨でくる。そしてヤレヤレという感じでわざとらしく溜息をつかれた。


 俺達は湖岸線をぶっ飛ばす。

 探しているのは岩場だ。

 水辺の岩場に赤毛蟹が、水中の岩場にベルシア白エビがいるという情報だった。

 その岩場が魔境の奥にしかないらしい。だから討伐は簡単でもランクA扱いの依頼となっていた。


 1時間弱進むと岩場が見えてきた。

 上から見る限りだと、かなりの数の赤毛蟹が見える。

 体長1.5メトル。青っぽい甲羅に赤毛が爪や足に生えている。

「いっぱいいるわね。けど、なんか微妙にギルドの情報と違うのは気のせいかしら」

「うん。なんか違うね。大きさが1メトルって言ってたし、甲羅は赤っぽいって言ってたし」

「でも、毛は赤いし。もしかして雄か?」

「取りあえず何匹か捕まえてみましょ」


 アリアが近くの蟹に冷気を放った。

 甲羅にうっすらと霜が掛かる位まで冷やすと、そいつは身動きしなくなった。

 念のため、リファが草でハサミを縛って俺がひっくり返す。

「あ、オスだ」

 腹を見れば雄か雌かはすぐ分かる。


「さ、次入ってみよー!」

 アリアが手当たり次第にジャンジャン冷やす。リファもちゃっちゃちゃっちゃと縛ってく。

 アリアは楽だよ。リファも楽だよね。

 でも俺は?

 身体強化を使う程でもない。でも地味に重い。

「アリア、依頼は卵5キロルだよ?そんないっぱい凍らせてどうすんの!」

「あら、半分以上オスかもしれないじゃない。あ、もしかしたらメスは10匹に1匹かも」

「頼む、止めてくれ。ひっくり返すの大変だから」


 結局半分以上が雌で、酷い目にあった。

 土魔法で甕を作って30個。

 1甕当たり20キロルとして600キロル。乱獲だよ!全く。

「せっかくここまでしたんだから」と言って結局100匹以上から卵を獲った。

 この卵を掻き出す作業がまた大変な作業だったわけだけど。

 蟹自体は依頼に入っていなかったけど美味しそうだったから10匹だけ収納しておいた。


 時間が過ぎて体が温まった蟹たちが湖に次々と逃げて行く。

 その甲羅に、二度とアリアに捕まるなよと心の中で言葉をかけて見送った。


 さぁ。次は白エビだ。

 エビは湖の底にいるらしい。

 普通は魚網を仕掛けて、たまたま引っかかった物が出回るのだとか。

 でも、ベルシア白エビは非常に美味で需要が高く、専門に稼ぐ冒険者も数組いるらしい。

 そうした連中は捕獲技術やら仕掛けやらを秘匿しているそうだ。


 今回の白エビ捕獲作戦は全てリファにお任せすることになった。

 リファはしっかりと対策を考えてきたらしい。


 リファは草魔法で例の網を作った。そこにクリフロード領で獲れた魚を切り身にして括り付ける。

 網はリファが魔力を通せばもぞもぞと動き出して湖面を進み、適度な沖合で沈んでいった。

 1時間も放置して引き上げると網に白い立派なエビがいっぱい絡まっていた。

 数は32匹。大きさは1.2~1.5メトル。

 俺は魚を切り身にしただけだった。

 アリアが凍らせて収納して完了。


 帰りの時間を考えて、その日も野営することになった。

 背後の森には魔物らしい気配もない。ゴブリン一匹と見ない静かな森だ。

 ただ驚きが一つ。

 なんとこの森にはモモガリスが生息していた。

 確か希少なうえに、パラサリア始めヤバイ毒を溶かす薬の元になる魔物だ。

 リファにモモガリスの話をしたら、各種解毒剤の作り方はメモってあるのだとか。

 でも、可愛いモモガリスを殺すには忍びないという事で今回の捕獲は止めておいた。


 その日の野営でも、リファが俺に引っ付いてきた。

 そして俺の心臓はまたしてもドキドキバクバクしている。

 リファが俺のことを好きだという事は知っているよ。

 そして俺もリファが大好きだ。

 俺の気持ちも当然リファは知っている筈だ。

 そんなことは前提でこれまでずっと一緒に過ごしてきた。

 手を繋いだこともあるし、一つの毛布に包まって眠ったこともある。

 だけど、ドキドキなんてしたことなかった。

 なのに、何故リファが隣に座っているだけで俺はこんなに緊張するんだ?

 訳が分からない・・


 リファは俺に寄り掛かったまま何も話さず焚火を見つめている。

 アリアは少し離れた場所で湖面を見ている。

 とても静かで穏やかな夜。

 俺は一人自分の異変が理解できず思い悩んでいた。



 翌朝、帰還をしようと飛び立つ寸前で大きな疑問が生じた。

 王都のある方向は南東で、湖の上を飛んで帰る。

 なのに、日の出の位置から見て、南東方向は・・森の中を進む感じだ。

 そして、湖は北に広がっている。

 何故だ?

 俺は高く高く飛び立ってみた。すると・・ここは島だった。

 何てことだ。まさかまさかの大きな大きな島だった。

 どでかい湖に浮かぶどでかい島。

 

 そんなことに驚きつつ、一路王都西ギルドへ帰還。

 素材買取では、赤毛蟹の卵は粒の大きさも品質も良いとかで褒められた。

 報酬金額は変わらなかったけど。

 それにベルシア白エビも通常より鮮度がいいという事でこれまた褒められた。

 こちらも報酬額に上乗せはなかった。


 次元収納に入れておけば鮮度が劣化することはない。

 次回また依頼が張り出されたら、小出しにしてゆけばいい。

 という事で、余分に取れた分は売らずに保管しておくことにした。

 そして換金の為に並んだカウンターでお姉さんから告げられた。

「ギルマスがお呼びです」と。


 お姉さんに案内されて通されたギルマスの部屋。

「風の旅団の諸君。会えて嬉しいよ。私はギルドマスターのジャックルベインだ」

 貴族っぽい中年の人がこの西ギルドのギルマスだった。

 席に座ると、早速アリアが紅茶とお菓子に手を伸ばす。

 もう見慣れた光景になった。


「早速だが、君たちの魔境西部の調査結果を見せてもらった。この報告の内容だが、事実であれば、王都西方約330キロル地点にオーガの大集落があり、そこでは鍛冶師が武器を量産していると。しかも、周囲の小さな集落に供給しているという推測が成り立つ。実際に見てきた君達の見解を聞かせてもらいたい」

「おそらく、武器を供給しているのは間違いないと思います。そこにも書きましたが、オーガの数は推定800前後。ジェネラル始め上級レベルは50を超えます。そして姿は確認してませんがオーガキングか同等の強者がいます。その存在をはっきりと感じました」

「だとしたら、非常に危険な状態だ。すぐにでもこの大集落を潰さねばならん。その為にギルドに協力をして欲しい」

 力のこもった目で俺を見る。


「俺達もうすぐ学院が始まるんで、その合間で良ければ」

 一瞬ギルマスはポカンとして、顔を紅潮させた。

「何を言ってるんだ?学院に通う合間に片付く事案ではないだろう。王国の危機という事が分かっているのか!」

「でも、学院は陛下の計らいで通うんです。最初から行けませんでは陛下の面子を潰すことになります」

「ならば協力はできないというのか」

「いえ、学院の合間で良ければ協力します」

「そんなものは協力するとは言わない!」

 ギルマスがバンとテーブルを叩いた。


「今すぐの脅威なんてないですよ。侵攻を始めたわけでもないんです。そもそも俺達が報告しなければ気づきもしなかったわけでしょ?」

「だが知った以上は対応せねばならん」

「だから、どうしても俺達が協力する必要があるのであれば、学院の長期休暇に合わせてもらうしかないです」

「なぜこちらがお前達の予定に合わせねばならん!これは王国の危機だと言ってるのだ!」

 またバシンとテーブルを叩いた。

「王国の危機というのであれば、先に王国騎士団に相談したらいかがですか?」

「これは、ギルドが発見したギルドの功績だ。騎士団に報告するつもりはない。お前達にギルドより指名依頼を出す。受けねば・・」

 俺はブラックカードXを見せた。

「お断りします」

「な!何だと!」

 ギルマスの声が裏返った。


「王国の危機だと言いながら、騎士団に報告もしないような中途半端な依頼は受けません」

「それが許されると思うのか!」

「許されますよ。そう説明を受けてます。理不尽な指名依頼は蹴って良いと」

「そのカードの持ち主は、王国の危機には依頼を受ける義務がある!」

「知ってますよ。だから協力するとさっきから言ってるじゃないですか。でも、ギルド指名依頼は受けません。俺達は騎士団の要請に従います」


「な!だから騎士団に話を通すつもりはない!」

「俺達から報告しときます」

「ふざけるな!」

 ギルマスは立ち上がって吠えた。


「私達、ふざけてないです!私達よりご自分がふざけていませんか?王国の危機と知って騎士団に報告しないなんて、何か王国法に違反していませんか?」

 リファが参戦して来た。

「ギルドは王国から独立した組織だ。違反になどならん」

「そう。でも私達の後見人は王国軍のディグリーム将軍よ。後見人には報告する義務があるから話さざるを得ないわ。それでも貴方にとっては問題ないのよね?」

 アリアが茶を啜りながらしれっという。絶対問題あるって分かって言ってる。


「いや、ちょっと待て。それは困る」

「でも、王国の危機には騎士団に協力するようにと王令で言われたから待てません」

「王令だと?」

「はぁ。数日前に発布されてますよ。ちゃんと確認してください」


「くっ・・」

 ギルマスが項垂れた。

「俺達は、将軍にこの件を報告して、騎士団に協力します。でないと王令違反になりますから。ギルドと騎士団の依頼が被った時は当然騎士団を優先します。その上で協力はしますよ。ただし、その場合も俺達は学院を優先します。今すぐの脅威でないのだから、優先度が低いのは当然でしょ」


 言いたいことをしっかりと告げて俺達はギルマスの部屋を出た。

 ギルマスがすごく項垂れていたけど気にしない。

 どうせ自分の出世を目論んで大手柄をあげようと考えたに決まっている。

 本当に小さい奴だと思う。そんな奴に俺はこれっぽっちも同情しない。


 それにしても今回は、初めてブラックカードXが効力を発揮した。

 前回、召喚状の受け取り拒否すらできなかったからちょっと疑っていたのだ。

 色々とすっきりしたところで、俺達は次の依頼を検討することにした。


 今回受けようと思った依頼は、ワイバーン討伐。

 リファの意向でもっと空中戦を慣れておいた方がいいということになった。

 という事で、ランクBの依頼掲示板に並んでいるのだけど、相変わらず混んでる。

 長い時間待って、あともう少しという所で、誰かに声を掛けられた。


「お前らが風の旅団とかいうパーティーか?俺達はブラックパンサーだ。知ってるだろ?」

 獣人族、それも豹の耳と尻尾を持った男だった。雰囲気が少しジャンゴに似てる。

 でも、黒くない。普通の豹柄だ。

「知らないわよ」

 アリアがそっけなく応えた。

「おいおい。ブラックパンサーを知らないのか?どんだけ田舎もんだよ」

「うっさいわね!その田舎者の私達の方がブラックパンダとかより知名度が高いってことじゃない?」


 パシン

 アリアの頬がはたかれた。

 アリアはなにが起こったのか分からずにビックリしている。

 叩いたのは豹獣人だ。

 気配も予備動作もなしに、気づいた時にはもう叩かれていた。


「ちょっと!アリアに何してんのよ!」

 リファが激高した。

 俺は、その強さを垣間見て冷静になってしまった。


「あ?舐めた口きくからだろ。それより話がある。お前らギルマスの要請を拒んだってな。それは困るんだ。協力しろよ。でないと俺達と敵対することになるぞ」

「断る!」「嫌よ!」「フン!」

 今頃になって怒りがふつふつと湧き上がって来た。

 こいつ、アリアを叩きやがって。


「お前らを拉致ってでも言う事聞かせろって言われてんだわ。悪く思うなよ。いや、悪いのはお前らか」

 そう言うと、豹の男はまたしても目に留まらない速さでアリアの腹を殴った。

 そしてアリアを抱える。

 俺はそこでようやく身体が動いた。

 豹の男にひと当てしようとした時に、もうその場所にいない。

 ジャンプして天井を蹴って、入り口にいた。


「付いて来いよ!」

 人ごみの向こうから、俺達に言い放った。


 俺とリファが入り口を出ると、そいつは遥か先の建物の屋根の上にいた。

 通りは混雑していてとても早く走れない。

 俺達も屋根に飛び移って後を追う。

「なにあいつ!速すぎ!」

「多分ランクSだ」

「キース勝てる?」

「勝てないと思う。リファは、アジトを突き止めたら将軍の所、いや、ギルド本部に行って本部長に助け求めてきて」

「嫌よ!キースまた無茶するでしょ!」

「あいつの目的は俺達を殺すことじゃない。協力させたいんだ。殺されることはないよ」

「むー!何でこんな事になるのよ!」


 そう言いながらも追跡を続けると、随分寂れた街並みになった。

「ここって貧民街よね」

「うん。そろそろ終点かな」

 豹男はわざわざ俺達を案内するようにボロイ倉庫の前まで来ると中に入って行った。


 リファが建物を見届けてすぐに踵を返した。

 俺だけ中に入る。

 そこは少し薄暗い倉庫だった。

 土が固められただけの床。隅に木箱が数個積み上がって、他にソファーセットがある。

 そして中央に気を失って転がるアリアと、5人の獣人たち。

 豹、熊、狼、猫、猫。狼は犬かもしれない。

 猫二人は女だった。

 猫女二人以外、皆体格はいいし強者の雰囲気がある。

 とてもじゃないが、全員相手は厳しい。

 しかもアリアがいる。人質に取られたら手が出せない。


「よく来た。ここはお前達の監禁場所になる。協力する気になったらすぐに開放してやるよ。じゃ、始めるか」

「なにをだ」

「殴り合いだよ。どうせ口で言っても言う事聞かねえだろ?痛めつけて心を折っちまうのが手っ取り早い。誰でもいいぜ。選ばせてやる。ただし、勝てば解放してやるとかじゃないからな。延々と殴り合いだ」


 そこに、もう一人豹獣人が現れた。髪も耳も尻尾も黒い。

 リファの襟を掴んで引きずっている。意識はないみたいだ・・


 それで俺の怒りが沸点に達した。

「リファに何しやがった!」

 俺はその黒豹獣人に殴り掛かった。

 そいつは俺の一発を避けて、俺の腹に一撃を入れた。

 怒りで我を失った俺は、身体強化を掛けることなくまともに食らって、悶絶した。


 見事に重い腹パンだったけど、俺の怒りはその位で収まらない。

 冷静になれと自分に言い聞かせて、まず腹にヒールを、それから全身に魔力を流す。

 身体強化を施して、もう一度黒豹に突っ込んでいった。


「お!なんだこいつ。俺の一撃からもう立ち直ったぞ。お、筋もいいじゃねえか。だが、危なっかしいな。こんな頭に血が上りやすい奴使えんのか?」

 俺の攻撃を軽々と躱してまだそんな軽口をたたく余裕がある。


 俺は魔力全開の身体強化に加えて、ビオラの体術をフルに使っている。

 それでも相手になっていない。

「お、今の惜しいなー。だがお前じゃ俺に勝てない。何故か分かるか?お前が子供だからだ。体格と筋肉量が俺達と違うんだよ。だが、人間族の子共にしてはレベル高いぜ」


 好きなことを言ってやがる。

 そのままくっちゃべって油断しやがれ!

 俺は足から魔力を出してロックパイルを放った。

「お!器用だな」

 軽く飛んで躱したその腹に、魔力弾をぶつける。

 空中だから避けられない。

 それに以前、ミスリルの鉄槌のアロンソに食らわせたような手加減もしない。

 死んでしまえ!とかなり威力のある一発を放った。


 ドゴーン!

 黒豹は、腕を交差してガードしたみたいだけど、壁を突き破って吹っ飛んでいった。


 俺はすぐにリファに駆け寄って、状態を確認した。

 怪我はなさそうだ。

「リファ、リファ!」

「う、うーん」

「リファ、大丈夫か?痛いとこない?」

「あれ?ここどこ?なんで私こんな所にいるの?」

「あいつらに襲われたんだ。気づかなかった?」

「・・わかんない。走ってる最中だったのに、襲われた記憶ないよ」


「お喋りはそこまでにしてもらおうか。ほれ、続きだ」

 もう黒豹が戻って来ていた。

「リファ、アリアを見てあげて」


 俺はまた、黒豹の前に立った。

「今度はこっちからな」

 そう言うと、視界から消えた。

 速い!俺も高速で移動して、その移動途中で蹴り飛ばされた。

「キース!」

 リファの声は聞こえたけど、壁にぶつかって派手に突き破った。

「これでおあいこな!」

 他の獣人共はニヤニヤして見ている。

 クソ!

 強すぎる。


 俺はまた前に出た。

 そして殴り掛かる。

 拳に魔力を纏えば、俺の魔力は大きいから当たれば痛い筈なんだ。

 でも、スカされる。

 視覚の外に圧を感じてガードをあげると、そのガードの上から吹き飛ばされた。

「ほう、今のに反応するか。中々じゃねぇか」

 派手に吹き飛んだ。腕がしびれる。


「キース!そんな黒猫に手古摺ってんじゃないわよ!ちゃっちゃとやっつけちゃいなさい!」

 アリアが目を覚ましたらしい。

 凄く怒ってる。俺に・・

「アリア無事か?ケガしてないか?」

「私の事よりそっちに集中しなさいよ!そんな奴に負けたら絶対に許さないからね!」

 目覚めた途端に無茶苦茶を言う・・

 でも、元気そうでほっとした。

「キース!アリアの言う通りよ!そんな奴ボッコボッコにしてやらないと私も気が済まない!」

 リファまで無茶を言う。

 でも、リファに言われたらやるしかない。

 それにこいつはリファに手を出した馬鹿野郎だ。絶対に許せない。

 アリアとリファの声援?が飛んで俺も少し元気が出た。新たに怒りも沸いた。

 ここから逆転してやる。


 俺は再び全身に魔力を、特に両足と右拳に溜めこんだ。

 ハッ!全速で一直線に突っ込んで、拳を突き出す。

 後ろに下がって躱そうとする黒豹に、雷撃を飛ばした。


 ドシャーン

 建物中に反響してでかい音が鳴った。

 黒豹は動きを止めている。そこに強化マシマシで渾身の右拳を左テンプルに振り抜いた。

「うおりゃぁ!」

 棒立ちの無防備な所にこれ以上ない一撃を放てた。

 さすがの黒豹も吹っ飛んで木箱に激突すると、そのまま起きあがることはなかった。

 死んだかもしれないけど、どうでもいい。

 俺は、敵対する奴に容赦はしない。


「おい!なんだよ今の一発は!」

 もう一人の豹獣人が驚きの声をあげた。

「おい!ジュード!大丈夫か?」

 熊と猫が駆け寄る。


「きゃー!さすがキース!」

「キース!グッジョブ!」

 リファが飛び跳ねてる横で、アリアが親指を突き立てた。


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