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古代竜の願い

 山と山に囲まれた盆地のような場所に、その皇帝竜らしき大型の竜は休んでいた。

 

 身を屈めているけど、その背中から大きさは100メトルを優に超えるはずだ。

 尻尾を伸ばせばその倍あるかも知れない。

 遠目だから外皮は鱗なのか羽毛なのかは分からない。

 全体は褐色。でも、濃い部分や赤や黄色、緑なんかも複雑に混ざって美しい。

 首は思ったほど長くないように見える。代わりに尻尾は太くて長い。

 見ているだけで恐れる気持ちが湧き上がってくる。

 これを神だと言われれば、そう信じてしまいそうな美しさと恐ろしさを持っていた。


 GURUrurururrrr

 重低音の寝息が聞こえてくる。


「キース。どう、満足した?」

「いや、もう少し見ていたい」

 俺の返しに、アリアが顔をしかめた。

「あんたってほんっとうに怖いもの知らずね!そりゃリファーヌも苦労するわ!」

 シー!声が大きいよ!


 ひっそりと、でもじっと見つめる俺達。

 その俺達の頭に、声ならぬ意思が響いた。


 “小さき羽虫者どもよ。妾に何ぞ用か”

 皇帝竜はさっきから微動だにしていない。顔も見えない位置なのだ。

 でも、気づかれていたらしい。

「え!え!え?」

 アリアが慌てふためいている。


 “妾は苛ついておる。陰からコソコソと気に入らぬ!”

 GWRRRROOOooow!!


 首を持ち上げて空へ向かって吠えた。

 バカでかい威圧の咆哮だ。

 同時に意思が頭の中に響く。

 “妾に仇成す忌々しき羽虫共が!我が息吹にてその身を塵も残さず焼き尽くし呉れようぞ!”


 こっちに首を向け、ガバっと大きく口を開くと青白い魔力が膨張した。

 やばい!

 俺は慌てて飛び出した。

「待て!待ってくれ!俺達はあんたに敵意はない!」

 そう言うのが精いっぱいだった。

 その口から物凄い熱量のエネルギーの塊が吐き出された。

 視界が青白く染まって何も見えなくなった。

 ゴーッという轟音と共に暴風が吹き荒れて、俺は濁流に飲まれた木の葉のように錐もみしながら、地面へと墜落した。

 身体強化を掛けたから辛うじて無事だったけど、リーフボードは壊れた。


 振り向けば、俺達の潜んでいた場所の隣の山が吹き飛ばされている。

 “ふん、早う出て来ぬか!愚か者が!”


 予備のリーフボードを取り出して、俺は一人で竜の前に立った。

 これで逃げることはできない。

 竜の気まぐれ、気分一つで殺される。

 そしてその竜は怒りのオーラを纏い敵意をむき出しにしている。

 茶褐色のごつごつとした肌。太く鋭い牙。身を竦めたくなる眼圧。


 “妾の死に様を見に来たか。(わら)いに来たか!羽虫如き分際でよくもこの妾をこのような目に遭わせてくれたものじゃ。許せぬ!”

 その眼は怒りに燃え俺を容赦なく射竦める。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺達は羽虫じゃない!俺達は何もしていない!嗤いもしないし、敵意を向けられる覚えもない!」

 “ぬ?其方羽虫ではないな。人間族か”

「あぁ、そうだ。ここよりずっと南に草原が広がっている。そこに住んでいたものだ」

 “ふむ、して人間族が妾に何用じゃ”

「6年前、俺の故郷に魔物が溢れて襲ってきた。その原因があんたじゃないかって最近気づいた。だから、どんな魔物が住み着いたのかと様子を見に来ただけだ。倒しに来たわけじゃない」

 “ほぅ。そうじゃな、妾がこの地に来て星の巡りも七周りめじゃ。では、妾のせいで其方の故郷は迷惑したと言いたいのじゃな”

「確かに、あんたが原因で故郷は壊滅した。でも恨んでいるわけじゃない」

 “では、何じゃというのか”

 余程苛々しているようだ。

 対応を一つ間違えたら即消し飛ばされる。慎重に応えを選んだ。

「ただ確認に来ただけだ。どうゆう存在なのか、それを知りたかった。他意はない」


 それからその竜は俺をじっと見つめた。

 何か探られている気分がした。

 大きな金色の竜眼。縦長の瞳が俺を見透かしてくる。

 GRUrurururrr


 “嘘はなさそうじゃ。信じよう。それに、其方には同胞より恩恵を授けている様じゃしな”

「恩恵?」

 “其方の中に刷り込まれた我らの魔力じゃ。今はその魔力も切れておる様じゃ。以前、竜族の波動が其方の魔力に混ざっておったはず。知らぬか?”

 はい?何のことだ?

「いや、知らない」

 “まぁ、良い。妾はこれより最期の時を迎える。用が済んだのならば去るが良い”

 そう言われて、俺は飛び立った。


 “待て。其方たちの王に伝えよ。これより暫くして、妾は屍竜となって世界を壊しに行くだろう。備えよと”

 はい?何を言ってるんだ。この竜は。


「いや、止めてくれよ!そんなことしないでくれ」

 “致し方ないのじゃ。妾にも止められぬ。今やこの身体は朽ち、残す魔力もあと僅か。もうどうにもならぬ。妾の命数は尽きる寸前なのじゃ。あの忌々しい羽虫共のせいでな。妾は悔しくてならぬ”

「どういうことか話してくれないか?俺達は以前、屍竜になった赤竜を討伐したことがある。何かできることがあるかもしれない」


 “我が腹を見れば分かる”

 俺は腹の方へ回った。そこは一面真っ黒く瘴気に汚染されていた。

 まさに、あの赤竜と同じ様に。

 そして、黒靄の中にあの黒杭が突き刺さっているのが見えた。

 またかよ・・


 “妾の腹には瘴毒の槍が刺さっておる。それは我が鱗をさえ貫き、臓腑を冒し腐らせた。抜けないのだ。抜けさえすれば、妾は屍竜などに成り下がらずとも済むのにのぅ。無念じゃ。妾は、我ら古代竜の一族が禁忌とする屍竜と成り果てるのじゃ。この恨み、怒り、無念、憎しみはそのまま屍竜となった妾の糧となり世界を焼き尽くす筈じゃ。そうなっては誰にも止められぬ。故に備えよというのじゃ”


「俺が抜く!だから、世界を焼くのは止めてくれ!」

 “其方にこれが抜けるのか?”

「抜いたことがある!俺に、否、俺達にやらせてくれ!」

 “・・・最後の希望という奴か。良かろう、やってみるがよい”


 俺はリファとアリアの元へ飛んだ。

 二人共気絶している。さっきの威圧にやられたようだ。

 それを、揺すって何とか起こした。

「リファ、アリア!しっかりしろ。手伝ってほしいんだ。来てくれ」

「キース・・私気絶してた?」

「はわわ。恐ろしい!何でこんな目に遭うの!」

「いいから、手伝ってくれ。あの竜は瘴気に冒されてる。黒杭が刺さってるんだ。それを抜く。でないと屍竜になって手が付けられなくなるんだ!」

 驚き戸惑いに理解が追い付かない二人を竜の面前に引っ張って来た。


 アリアは腰砕けになっている。

 リファの足もプルプル震えている。

「リファ、アリア。今から俺が黒杭を抜くから、瘴気と腐臭を風で掃ってくれ」

 そして、俺は巨大な竜の腹へとよじ登った。

 言っちゃ悪いが、仰向けになった竜は滑稽だった。というか情けない格好だ。

 でもそんな事を考えているとばれたら大変だ。

 頭を切り替えて黒杭を探す。


 竜の腹は幅だけで80メトルはあるだろうか。ゴツゴツとした硬い皮膚で覆われている。

 その広い腹のあちこちに数本の黒杭が刺さっていた。

 もういい加減見慣れた1.5メトルサイズだ。

 俺は最初の一本目に手を掛けた。

 俺は聖光気を纏っている。

 腐臭が酷い。でもまだましだ。

 この黒杭を引っこ抜けばもっとひどいことになる。

「リファ、アリア!しっかりしろ!風を頼む!」


 リファが、続いてアリアが風を吹かせてくれた。

 俺は一本一本引き抜いて行く。

 足元が崩れて、肉が一気に腐りガスが噴出した。

 俺は腰まで腐肉に埋もれて藻掻いて這い出す。

 服は腐敗液でぐちゃぐちゃだ。それをクリーンできれいにする。

 こんな事ばかりするのなら、臭いを遮断するマスクと専用の作業着でも作るんだった・・


 でも、さすがにこの悪臭にも少し慣れた気がする。

 それに引っこ抜く作業は手馴れたものだ。次から次へと黒杭を抜いて行く。

 一本抜くたびに、グルルルと低く竜が呻いた。

 全部で10本。

 あの赤竜はたった一本で屍竜となった。それを考えると10本も撃ち込まれて6年も生きているこの生命力に驚かされる。

 それでも黒杭の瘴気毒は凄まじく、世界随一の魔物でさえここまで弱らせる。

 羽虫がどこの誰かは知らないけど、恐ろしい武器を持ち、とんでもない事を企む輩がいるようだ。


 そしてそいつは俺から故郷を奪い、俺の家族を殺し、領民を殺した元凶だ。

 未だ姿も見せず、陰でコソコソと王国に仇成す者。

 そいつが今、俺の仇になった。

 ふつふつと込上げる怒りを感じながら、俺は一本一本黒杭を抜く。

 はらわたが煮えくり返る。

 俺は、必ずそいつを見つけ出してこの手で殺す。必ず・・


 黒杭の全てを抜き終わった時、内臓は完全に腐り落ちて腹部が大きく陥没してしまった。

 腹の内部は殆ど背中側の肉と骨だけだ。


 Grururrr

 満足げな唸り声が響いた。


 “感謝する。これで妾は一族に恥じぬ死を迎えることができる。其方らに何ぞ礼をしよう”

 そう言った直後、俺達の身体が白い光に包まれた。

 そしてすぐに収まった。

 そのわずかな時間、竜の魔力を感じた。

 直後、大気中の魔素が感じ取れた。

 人族に魔素を感知する器官などない。でも今ははっきりと感知できた。

 しかも呼吸をするたびに、魔素が体に取り込まれて燃焼するかのように力が溢れてくる。

「な、なにこれ!どうなってるの?」

 アリアが慌てた声を出した。

「え?え?」

 リファも動揺している。

 俺も何が起きたかさっぱり分からない。


 “其方たちに大気中の魔素を己の魔力に変換する力を与えた。これでほぼ無尽蔵に魔力を使えるようになる。これが竜の加護じゃ。魔力そのものもこれまでより数段洗練されたはずじゃ。良いものを与えられたと思うて感謝するがよい”


「ありがとうございます。あの、あなた様をそんな目に遭わせた者は誰ですか?今この国でも同じ物がいくつも見つかっているんです。でも誰の仕業か分からないんです」

 リファが目上に対する口調で聞いた。

 俺はタメ口で話してるのに・・

 いや、それはどうでもいい。それより誰の仕業なのかだ。


 “ほぅ、そうであったか。妾をこの様な目に遭わせたのは憎き魔人族じゃ。遥か遠く戒めの地に封印されし哀れな種族じゃ。妾はその魔人族を見張る役目であった。しかし、油断した。あの羽虫共は瘴気毒を固めた槍を作り我らに撃ちかけてきたのじゃ。あの毒は恐ろしい。我が姉妹竜も、眷属たちも皆やられてしもうた。妾はこの地へ逃れるだけで精いっぱいじゃった。臓腑を焼かれ続ける苦しみは我が魔力をもってしても打ち勝つことが出来なかったのじゃ。それを最期に其方らが救ってくれた。心から感謝しようぞ”


「その、お腹の怪我は再生できないのですか?」

 “今となっては無理じゃ。おぉ、もう時が迫っておる。我が肉体も魔力も限界の様じゃ。その前に、未練がましくも其方に一つ頼みたい”

 そう言ってじっと金色の瞳が俺を見つめる。


 “妾は古代竜の一族、ファスローグ・エクリオリュジア。我が真名と共に魂玉を我が里へ届けてくれぬか。北の最果ての地にある古代竜の里じゃ。決して人族の身で辿り着くことの叶わぬ暴風と極寒の大地じゃ。故に、其方に我が力の一部を授ける。その力で我が魂玉を我が里へ・・姉妹竜レミュと・・共に・・”

 Grurururrrr


 そこまでの意思が伝わると、古代竜は瞼を閉じた。

 ブフゥーと最期の一息を吐きだして、全身が白光し始め、様々な色の光の粒子が中空へと舞い昇った。

 そしてゆっくり魔素へと還っていった。

 ぶわーっと魔素嵐のような風が吹き荒れ、一帯の木々や草花がざわめく。

 そして収まった時には、かつて魔境深層で感じた高濃度の魔素が漂っていた。


「す、すごい魔素。この古代竜?様・・死んじゃったのね」

 アリアが悲し気に呟いた。

「キース・・結局古代竜様の願いは伝わったけど、力を分ける前に力尽きちゃったんだね」

 リファの目に涙が溜まっている。

「うん。無念だったろうね」


 目の前の巨大な骨を見上げた。

 肉も皮膚もすべて魔素に還った。

 残ったものはこの竜骨と大きな魔石だけだ。


 俺達はあばら骨の隙間から中に入って、その魔石を見た。

 濃い青色の巨大魔石だ。1メトルは越える。

 これほど大きいものは、魔境深層の魔物達の墓場にもなかった。

「すごく大きい。それに奇麗」

 リファが感嘆の声をあげた。

 俺はそっと魔石に手を添えた。


 すると、魔石の隣に一人の少女が現れた。

 銀髪の少女。花柄模様の赤い民族衣装を着ている。髪飾りがとても似合っている。

 齢のころはアリアと同じ位か。

 にっこり俺に微笑むと、俺の額に人差し指を当てた。

 人差し指がぽわッと光って、俺の中に吸い込まれた。

 一瞬で俺の目にする世界が金色に染まった。

 得体のしれない熱い何かが背筋を駆け抜け、そこから魔力が迸る。

 身体が魔力に溶かされるような感覚だった。そしてすぐに体に馴染んだ。

 金色の世界が収まると、俺は何も無かったように、先ほどの姿勢のまま魔石に手を置いていた。

 隣に立つ銀髪の少女は、もう一度微笑むと一つの玉になって俺の前に浮かぶ。


 それを俺は掌で受け止めた。

 なにが起こった?理解が追い付かない。

「キース、その玉は何?」

 玉は15センチメトル位。

 赤、黄、緑、青、紫、白、桃と、色々な光の粒が凝縮して詰まったような美しい宝玉だった。

「多分・・さっき言ってた魂玉って奴じゃないか?」

 正直よく分からない。でもそうとしか思えない。

 リファにもアリアにも少女の姿は見えていなかったようだ。


 今、起きたことを話すと二人ともすごく驚いていた。

「で、何か変わったの?」

「さぁ、よく分からない。というか、さっきの竜の加護の影響が強すぎるし、立て続けだったし。でも、すごい力が入り込んできて馴染んだ気がした。そのうち何か分かるんじゃないか?」


「まったく他人事ね。でも、古代竜の力ってどんなのかしら。すごく楽しみね」

「うん、キースがまた強くなってどんどん頼もしくなってく。キースってやっぱりすごいのね!」

 俺は魔石と魂玉を鞄に収納した。

 その時、何か違和感を感じた。

 何だ?


「でもさ、古代竜の里だっけ?人族の身で辿り着けない極寒と暴風の大地って行くの?」

「だってそう言う約束でキースは力を貰ったんだよ。行かないと怒られちゃうよ。せめて目指さないと」

「でもさ、その頼んだ古代竜様は死んじゃったしなんか寒くて危険そうだしさ、別に無理しなくてもいいんじゃない?こっちは行くとも行かないとも返事してないわけだし」

「アリア!まだ古代竜様の前だよ。そんなこと言うのは失礼だよ!」


 アリアとリファが言い合いを始めた。

 俺はファスローグ・エクリオリュジアと名乗った古代竜の最期の言葉を思い出していた。

 “姉妹竜と共に”と言っていた。どこにいるかも分からない、おそらくアンデッドにされた姉妹竜を探して倒してその魂玉と共に北の最果てに行けと。その為には北の魔境を越えて、おそらくだけど海も越えなくてはならないかもしれない。


 俺はそれを成すだけの力を貰ったことになる。探す力なのか、寒さに耐えられる力か、単純に強さなのか。


「ねぇ!キース!どうするつもり!」

「アリア、まだ分からないことが多すぎる。今どうするかなんて決められないよ」

「でも、キースは行くことを前提にするんでしょ?」

「リファ、それもまだ分からない。とりあえず、ここでの用事は終わった。もう帰ろうか」


 俺達は、南へ向けて飛び立った。

 再び草原地帯へ戻ると、魔物たちが魔境の奥へと向かっている姿があった。

 古代竜の死を何らかの方法で感じたのか。一様に魔境へと向かっている。

「驚いたわね。古代竜が死んだってなぜ分かるのかしら」

「魔物にしか分からない威圧?竜の波動って奴じゃない?多分だけど」

「あ、リファーヌって頭いいのね!私全然そんな事思いも付かなかったわ」

「えへへ」

「でもこれで予定がまた狂ったわね。キースは古代竜が北に居座ってくれるか見に行った訳でしょ?その古代竜がいなくなったら、平原から魔物が消えて、北の魔境に脅威が戻ったという事よね」

「あ、そっか。忘れてた。この大量の魔物を討伐しなくて良くなったんだ!キース、良かったね!」

 魔物が平原から消えてくれればそれに越したことはない。

 図らずも最良の結果になったわけだ。

 ただ、あの古代竜の死は物悲しかった。


「なぁ、二人共魔素はどう?魔力変換できてる?」

 ここの魔素は、魔境の奥に比べると随分と薄い。

 それでも俺は問題なく変換できてる。でもそれは古代竜の力なのか、加護のおかげなのか分からない。

「うーん、問題ないよ」

「私も問題ないわ」

 という事は、多分加護の力だ。


 俺達は一旦屋敷へと戻って来た。


「皆、無事戻って良かったよ。遅いからとても心配していたんだ」

 俺達が戻るとすぐにサイガが飛んできた。

「あぁ、ただいま。色々あって話したいことがある」


 俺はサイガ、キトリを交えて古代竜の死と状況を伝えた。

「それは、なんというか凄い体験だったわね。でも・・」

 キトリは、何か気になる事があるのかサイガを見た。

 サイガは頷いて、「その、瘴気の杭については心当たりがあるな。先日話した他種族を攻めるための武器ってのがそれだ」と言った。


 ってことは俺の仇は魔人族の王という事になる。

 魔人族が攻めて来るのならばちょうどいい。

 それまでにもっと強くなって、必ず返り討ちにしてやる。

 いや、手始めに王国に潜むその魔人族を見つけ出して討伐しなければ。

 俺は決意を新たにした。


「じゃやっぱり、王国中で黒い杭を魔物に打ち込みまくっているのは魔人族だってことになるわよね!」

 アリアが目を吊り上げた。

「そうなるな。こっち側へ辿り着いた魔人族が僕達以外にもいるという事だ。そして人族の国へもう侵攻を始めているんだ」

 サイガが苦々しげな顔をした。

 不安げな顔でキトリはサイガの手に自分の手を重ねた。


「はぁ、ようやく謎が解けたって感じだわ。早く陛下に報告してその侵入した魔人族を捕まえてもらわないと」

「あぁ、それにこれはジルべリアだけの問題じゃない。ノエリア王国や他の国にも伝えてもらわないと」

「バルバドールだけは伝えても無駄な気がするけどね」

 リファは今でもバルバドールに手厳しかった。


ここまでお読み頂きありがとうございます。

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感想なども頂けたら今後の励みになります。


この後も新たな展開が続きます。

どうぞ、お楽しみください。

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