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パソコン教室

 父上との会談からひと月ほどして八台のパソコンが納品されてきた。残りの二台は、まだ化粧箱が出来ていないので、納品はまだ先だ。


「ようやくここまできたか」


 僕は感慨深くつぶやく。

 僕のは所詮初号機。

 しかも〇号機を潰し作った、量産試作機だ。

 外側は白木のままだし、多くはカイゼルさんが作ったものだから、あちこちが素人くさい。

 カットは魔法で行ってるためか正確だが、ほぼそのままなので無骨さが残る。

 こうして完成品と比べて見れば一目瞭然だ。

 完成品は漆のようなものが塗ってあって艶があり角が丸まっている為、重箱のような優美さがある。

 天板には我が家の家紋、いわゆる王家の家紋+父上を示す絵柄が描かれている。


 注文したのが父上だからね。

 うん、普通に立派だ。

 これは先生やカイゼルさん、そして陪臣の文官達に下賜される予定である。

 僕のがみすぼらしく見えるが仕方がない。

 公爵家とはいえ、三男ともなれば予算も限られてくる。

 兄上達は一応独り立ちしたとはいえ、多少の援助はしている。

 従者なんかは、実家が世話をするのが普通だしね。

 侍女のアンジェリカなんかも衣食住は、公爵家が負担しているものの、彼女が自由に使えるお金はほとんど与えられない。

 たまにあるお祝い事で、幾ばくかのお金が包まれるくらいだ。


 なので、交遊費やアクセサリーなど、生活必需品以外のいわゆるお小遣いは、実家が負担していたりする。

 実家を出た女性や若い者は位が低いから収入が少ない割に支出が多かったりする。子育てとかお金がかかるから、実家の援助が欠かせない。

 自然、下の子供ほど、予算が少なくなっていくというわけだ。


「まあ、これはこれで味がありますが」


 白木そのままだが、きちんと磨かれているし、木目が目に優しく素朴な感じがいい。

 何より、世界でこのタイプのパソコンは一台だけだ。

 まあパソコンは九台しか完成していないんだけどね。

 だけどきっとこれが最初のパソコンとして将来展示されることになるかもしれないから大事に使おうと思う。


「さて、父上に報告して下賜して頂くようお願いしますか」


 王家の家紋が入った品だからね。

 僕が勝手に与えるわけにはいかない。

 王家の家紋の入った物を許可無く持ち歩くのもダメだ。

 きちんと下賜したことを知らしめないといけない。

 なので納品されたパソコンが実際に使われるのは数日後の事になる。



 数日の後、ちょっとした儀式を行い、パソコンの下賜式が行われ、先生やカイゼルさん、そして文官の陪臣六人にそれぞれ引き渡された。

 先生はともかくカイゼルさんや文官達はすごく緊張していたのが印象的だった。

 家臣達に、何か下賜する事は少なくない。

 日常的に使っている物が古くなったり、流行から外れたものなどは、お祝いごとや昇進などといったイベントが有るたびに下賜されることも多い。

 しかしそれらは家紋が消されるのが普通だ。

 家具のようなものは外側が塗り直されたり、彫り直されたり。服の刺繍などもほどかれ、仕立て直される。


 どうしても家紋が消せないものは下賜されないか、このようにささやかながらも儀式を行い皆の前で賜ることになる。

 ささやかとはいえ、屋敷に仕える多くの者(といっても士爵や陪臣などの准貴族相当の者やその家族だけだけど)が集い見守るのだから、緊張するなと言っても無理だよね。

 儀式の後は祝の席もあるから、実際の受け渡しは明日だ。



 そして今日。待ちに待ったパソコン教室の日だ。

 皆は下賜されたパソコンを持ち寄り会議室に集まった。

 それぞれのパソコンはすでに下賜の儀式の時に個人登録してある。

 魔石に血を一滴垂らすと、その魔石はその人の命令以外反応しなくなる。

 魔導書や危険度の高い魔導具は大抵この個人登録が行われる。

 盗難や誤動作を防ぐためだ。


 明かりの魔導具や空調の魔導具など誰でも使えるものもあるが、たいていそういう物はどこかに固定されたり大きな物に埋め込まれていたりする。

 魔石を交換されれば無意味なのだが、最も高くて手に入りにくい部品が魔石だったりするので、盗難防止にはこれで十分だ。

 まあ、パソコンの場合いちばん重要なのは中のソフトウェアなので、家紋つきにして厳重に管理させようとの意図もある。

 王家の家紋つきの品を盗られたとか壊したとかなれば、かなりまずいことになるからね。


「今日は皆さんに、ちょっと殺し合い、じゃなくて、つぶしあい、もちがうか、そう、競い合いをしていただきます」


 僕は会議室に置かれた壇上から話しかける。

 普通会議室に壇はないが、僕の身長が低いのでわざわざ設置してもらったのだ。

 大人用の机だと七〇センチメートルはあるからね。

 僕の今の身長は一メートルとちょっと。

 同い年の子と比べてちょっと小さめらしい。

 ほんとちょっとだからね。

 平均的な七歳の子供でも大人用の机は大きすぎるので、机の前に壇と椅子をおいてもらっている。


「ぼんがまた変なこといい出したぞ」

「ぼんは時々変なこと口走るからな」

「ぼんが変なことを言うのは時々じゃなくていつもだろ」

「あー」


 なんかやりにくい。

 なにせ小さい頃――今も小さいけど――はこの人達によくかまってもらっていたのだ。

 記憶が繋がっていない頃だったから、向こうの記憶とこっちの記憶がよく混乱して変なことを口走っていたらしい。

 それもあって僕と陪臣たちは割と気安い関係だったりする。


「ごほんっ、……今日集まってもらったのは他でもありません。その魔導具『パソコン』の使い方について説明するためです」


 僕は気を取り直して説明を続けた。


「ぼん、魔導具といえば簡単に使えるのが優秀さの証みたいに言われてますけど、説明がいるってことはあんまり優秀ではないってことですかい?」


 まあ、一般の認識としてはそれが正しい。

 なにせ道具だからね。

 簡単に使えたほうがいいに決まっている。

 しかも普通の魔導具は単機能だ。

 明かりを点ける。

 物を冷やす。

 水を出す。

 等々、できるのはだいたい一つだけなので、起動キーワードを唱えたり、スイッチを入れたりしただけで使える。

 外灯なんかは何もしなくても暗くなったら点灯するし、明るくなったら消灯する。


「優秀かどうかは皆さんの判断におまかせします。説明が必要なのはこれが魔導書でもあるからです」

「魔導書って貴族以外は持てないんじゃ?」

「機能としては魔導書に近いですが、分類としては魔導具となります。着いている魔石が下級のものなので、使える魔法は威力も小さく特定の物に限定されていますから、平民でも使えます。しかし魔導書のようにシーケンスを書き換えて全く別の魔法も使えるので、使いこなすにはそれなりの努力が必要となります」

「つまりこれは威力を弱めた子供用の魔導書と同じってことですか?」

「機構だけ見るとそれに近いですね」

「じゃあ、私達もぼんと一緒にシーケンスの勉強をするので? 先生がいらっしゃっているのはそのためとか?」


 文官たちと並んで座っている先生を見ながら彼はそう問いかける。


「いえ、シーケンスの勉強ではありません。『パソコン』を使うための勉強です」

「ここでは私とカイゼル君も生徒です。皆さんとは同級生ということになりますのでよろしくおねがいしますね」

「おう、カイゼルだ。よろしく頼む」

「あ、はい。えっ、てことは誰が教えてくれるんですか? 『ぱそこん』とやらのことを」


 まさかという目で僕を見ている。


「もちろん僕です」

「えー。大丈夫か、ぼん」

「またぼんが変なこといい始めた」

「公爵家の風物詩だな」


 風物詩って、言ったの誰だ!


「僭越ながら、この『パソコン』を作ったのは僕であり、僕が世界で一番『パソコン』のことを知っているのは間違いありません」

「ぼんがこの木を切ったり装飾したりしたんですか? そりゃあ無理でしょ?」

「いや、違うから。そっちじゃない、作ったのは。魔導書や魔導具に書き込むシーケンスの方だから」

「そっかー。それならいけるかー。って、それだって無理でしょ? まだシーケンスを習い始めて一年もたってないし。もう魔導具を作れるようになったんですか?」

「アルカイト様は優秀ですよ。この魔導具に使われているシーケンスは私でも見たことがないほど複雑なものです」


 陪臣たちのひどいいい草を先生がフォローしてくれる。


「ほー。先生にここまで言わせるとは大したもんだ」

「なにかよくわからないことを叫んでいたぼんがこんなに立派に」

「子供の成長は早いなぁ」


 なんか涙ぐんでいるのもいるが放置して先に進もう。


「というわけなので、まずは皆さんの『パソコン』を使えるようにしましょう」

「使えるように? これはまだ使えないのか?」

「ええ、シーケンスを入れていませんので、今はただの箱ですね。今から皆さんに『USBメモリ』を配りますので、これでシーケンスを『インストール』していただきます」

「『いんすとーる』? また訳のわからないことを」

「『インストール』とは外部から内部の魔導書にシーケンスを複写して使えるようにすることです」

「なら普通に複写でいいのでは?」

「ちょっと手順が違うので、別の言葉を作りました。さて、この『USBメモリ』にはいくつかのシーケンスが収められています。中には割れやすいガラスが入っていますので落としたり机に強く置いたりしないでくださいね。『パソコン』も同じです。強い衝撃は厳禁ですのでそのつもりで丁寧に扱ってください」


 僕は一人ひとりに『USBメモリ』を手渡し、注意を述べていきます。


「では、これから『インストール』していきます。皆さん、魔導具の蓋を開けてください。……蓋は九〇度かやや開き気味のほうが見やすいかもしれません。見やすい位置が決まったら脇のストッパーで蓋を固定します」


 初めてのパソコンとはいえ、蓋の開け方から教えないといけないとは。

 ちょっとしか開けない者から、ガバっと一八〇度開いちゃうやつまでいたのだ。

 蓋の裏側にディスプレイ部があると知らなければそうなるのも仕方がないか。

 ちょうどよく開くことが出来たのは先生とカイゼルさんだけだった。


「で次にこの『USBメモリ』を右側面の穴に差し込みます。そっとですよ、力を入れなくても入りますから。平面の広いほうが上下に来るように、細い方を入れるんですよ」


 気合いっぱいに差し込もうとするやつに、縦にしたり逆側を無理やり突っ込もうとするやつ。

 まだパソコンを起動もしていないのに疲れちゃったよ。

 初めてなのだから仕方がないのだろうが、先生というのは根気のいる仕事だとつくづく思う。

 新人教育とかやったこともあるけど、さすがにまったくパソコンのことを知らない原始人のような人は来ないからね。

 基礎的なパソコンの知識はあるしIT系の会社に就職しようとする人ならそれなりの知識があったりするから、予想外の行動というのはあまりない。

 しかしここにいるのはパソコンのパの字も知らない、原始人に教えると思ってやらないと、やばいことをやらかす。

 パソコンを落としましょうとか、うっかり言ったら、物理的に机から落としかねない。


 そんなことになったら、マジでやばい。


 王家の家紋を叩き壊したようなものだからね。

 マジで物理的に首が飛ぶ。

 できるだけ誤解のないように伝える必要があるのだが、言葉っていうのは習慣だからなぁ。

 どこまでが普通の言葉でどこまでがパソコン用語か自分でも区別がつかない。

 この世界の言葉は違うけど勝手に脳内翻訳されるものもあれば、向こうの言葉がそのまま出ることもあるから、時々変なことを言うという陪臣たちの評価はまあ仕方がないところか。

 あくまで時々だからね。


「さて、『パソコン』を立ち上げ……じゃないや、起動させましょう」


 言ったそばからコレだ。

 立ち上げるは新たに始めるとか始動させるとかの意味だから厳密に言えば間違ってはいないが、シーケンスの場合起動キーワードなどと言われているだけあって、魔導具や魔導書は起動するが一般的だ。


「魔石の横のスイッチを押してください」


 陪臣のみんなは恐る恐るパソコンのスイッチを押していく。

 先生たちは僕のを知っているのでそこにためらいはない。


「おー、なんか映し出されたぞ」

「文字は読めるが意味がわからん」


 まあそうだね。

 起動時は本体に何も入っていないからUSBメモリからの起動となる。

 USBメモリも魔導板だからね。

 シーケンスは実行できる。

 今回用意したものは表をシーケンス領域、裏をHDD領域として確保しているから、メモリ領域としては一二八メガバイトに減っているが、ソフトをインストールするだけなら問題ない。


「まずは領域一を『フォーマット』、いえ、管理領域の書き込みをしましょう。『カーソルキー』を操作して、領域一の文字を白黒反転させます。……キーは力を入れずに押したらすばやく指を離します」


 陪臣たちはやはり恐る恐るカーソルキーを押し始めたので、僕はキーボードの絵が書かれている紙を掲げ、使用するキーを指し示し、押し方も指導する。

 すでにキーリピートが組み込まれているので、押し続けてとんでもない勢いで別の文字が白黒反転している者や、力いっぱい押し下げようとする者、逆にそっと触りすぎて反応していない者など、キーを押すだけでも十人十色だ。ここには八人しかいないけど。


「領域1が白黒反転したら、このエンターキーをちょこんと一回だけ押します」


 陪臣は恐る恐るって、もういいや。

 とにかく僕はこうやってみんなに二つの領域をフォーマットさせることに成功した。

 疲れたよパトラッシュ。

 まだアプリもインストールしていないのにこれとは、先が思いやられる。


「これは一体何をやっているんだ」

「なんかぼんみたいに意味不明だな」

「さすがぼんの作った魔導具だ」


 だから僕のことはどうでもいいっちゅうねん。


「これは『パソコン』を最初に使うための手続きです。今後新しい『パソコン』が納品されたらあなた達にこれをやってもらいますので、後でやり方や意味などを書いた『マニュアル』、えっと冊子を渡しますのでよく読んでおいてください」


 実はおまかせ設定という簡易版設定もあるのだが、ここはあえて手動設定を選択。

 だって特別なカスタマイズを依頼されたら僕が対応するしかなくなる。

 僕にしか出来ないことをできるだけ減らしていかないといつまで経っても僕の負担は減らないからね。

 面倒な手続きを教えるのも結局は僕のためになるからだ。


「次は『OS』と『アプリ』の『インストール』です」


 僕は自分のパソコンで『install』と入力してその画面をみんなに見せる。


「これが『インストール』画面、つまりこの『USBメモリ』からこっちの本体に『OS』や『アプリ』を書き込み、…えっとシーケンスを転写し、『USBメモリ』がなくても動く状態にするための機能です」


 画面には『OS』と『エディタ』、『表計算』といったインストールできるソフト名と、『すべて』、『終了』といった文字が並んでいる。


「今回は全部入れますから先ほどと同じようにカーソルキーですべての文字を白黒反転させ、エンターキーを押します」


 さすがに慣れてきたのか、皆一発で成功させ、インストールが開始される。

 しばし待つと皆のインストールが終わったようなので、USBメモリを抜き再起動させる。


「おお、さっきと違う画面が出たぞ」

「『ふぉーまっと』の画面はどこに行った?」

「『フォーマット画面』は管理外領域が見つからないと出てきません。さっき管理外領域に管理情報を書き込んだので、新しい『USBメモリ』を入れるか、起動キーを入力するかしないといけません」


 できるだけ人が判断しなくていいように、随所にデフォルトの動作を組み込んでいる。

 経験を積んでくるとうざったいのだけど、設定で自動手動を切り替えられるようになっているから、気に入らない人は変更すればいいいだけだ。

 これが選択できなかったら最悪だけどね。


「今は必要ないときには必要ない画面は出てきません。出したいときはメニューキーを押します。これですね」


 僕は紙に書いたキーボードの位置を指し示す。

 向こうの一般的な109キーとかで言えばescキーの位置をメニューキーに定めてある。

 もともと動作をキャンセルする、抜けるなどというという意味のキーだが、モード変更などにもよく使われるキーだ。

 キャンセルキーは打ち間違いを防ぐために、ctlr+breakなどの複合キーにしてある。

 メニューキーを押せば、その時行える事が、すべて表示される。

 コマンドプロンプトの時だとファイラーが起動され、関連付けされたアプリを起動したり、アプリを単体起動させられる。


 フォーマット画面もアプリとして登録してある。

 しかし立ち上げ直後はログイン画面から始まるため、ヘルプキーを押しても出てくるのはパスワード入力とパスワード変更メニューだけだ。


「メニューを開いたら、まずは『パスワード』変更を選択します」


 みんなが開けたのを確認したあと、更に説明を続ける。


「『パスワード』というのは、それを知っている人以外に『パソコン』を使えなくするに必要な符丁のようなものです。たとえば『マリエッタは可愛い!』という『パスワード』設定すれば、それ以外の文字列を入れてもこの『パソコン』は使えなくなります」

「『しすこん』だ『しすこん』がいる」


 うむ。昔の僕がよく言ってたから陪臣たちもいくつかの言葉を覚えてしまったらしい。


「ごほんっ、えー、とりあえず『パスワード』を設定しないと使えませんので設定します。これから教える『パスワード』は初期設定時に必要になるもので、みんな共通ですので、他には漏らしてはいけません。万が一漏らしたときには漏らした相手も含めて首チョンパですので気をつけてくださいね」

「うぉおおおお。まじかよ」

「ぼんならやる。間違いなくやる」

「帰っていいですか?」

「はいはいお静かに。これは冗談でもなんでも無いですから十分注意してくださいね? 家族にも秘密ですよ? うっかりで一家まるごと斬首とか、流石に気分のいいものではありませんから」


 この世界は人の命が軽いですからね。


「先生。念の為にこの部屋に防音結界を張ってください」


 別室でメイドや侍女が控えているはずだし、スパイやらがいないとは限らないからね。


「そこまでやるか?」

「マジもマジ、モノホンのマジだぜ」

「腹痛くなってきた。帰っていいですか?」


 陪臣たちの戯言は無視して、先生が魔導書を手にする。


「承知いたしました『防音結界起動』」


 先生が防音結界を張ったのを確認した後、僕は初期パスワードを教えた。


「今の『パスワード』を入れていきましょう。ゆっくり焦らず、間違えないように」


 まだキーに慣れていないから怪しい手付きだが、なんとか入ったようだ。


「次に自分の考えた『パスワード』を入れます。まだ慣れていないでしょうから四文字程度の簡単なもので大丈夫ですが忘れないようにしてくださいね? 忘れたら二度と使えなくなりますから」


 見たところ同じ文字を四文字とか1234とかそんな感じのが多そうだ。

 まあ、万が一起動しなくなってもフォーマットからやり直せばいいんだけどね。

 注意をうながすためそれはあえて内緒だ。


「入れ終わったら『タブ』キーを押して『パスワード確認』の欄に『カーソルキー』を移動し先ほど入れた『パスワード』をもう一度入れて、『enter』キーを押します。エラーが出なければ成功で、エラーが出たらもう一度今の手順を繰り返します」


 みんなのパスワード設定が終わったところで説明を再開する。


「先程やった『フォーマット画面』は、またの機会に説明しますので、今回は、『タイピング』アプリを起動させます。メニューを出しカーソルで、『タイピング』の文字を反転させ『enter』を押します」


 僕は全員が『タイピング』アプリを起動したのを確認して、次へ進むこととした。


 昔はけっこうBASIC講習会ってのが各地で行われていました。

 自分も一度行ったことがあります。

 記憶が曖昧ですが、お金払った記憶がなので、体験会かショップの販促活動だったのではないかと思います。

 その時はほぼBASICはマスターしていたので、自分にとってそれほど高いレベルの授業ではなかったのですが、当時ドマイナーなパソコンの事ゆえ、何もわからない超初心者が多く、課題の達成率はだいぶ低かったような気がします。

 まあ、結局BASICは殆ど使わなかったんですがw。

 当時使っていたMZ80シリーズはBASICすらロードして使う形式のため、BASICを使用する必要がなく、様々なコンパイル言語が出ていて、すぐにコンパイラやアセンブラへと移行してしまいました。

 今やBASICといえばVBAくらいしか触る機会がなくなりましたが、昔のBASICとはもう完全に別物になってしまいましたね。


※誤字修正しました。

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