表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女の敵  作者: 紀ノ貴 ユウア
5/60

第2章、魔法の授業①

 今回も「古の魔法書と白ノ魔女」はお休みです。


 次回は「古の魔法書と白ノ魔女」も「魔女の敵」もお休みします。すみません。

「今日は午後から調合(ちょうごう)授業(じゅぎょう)をするわよ。道具(どうぐ)用意(ようい)しておいてね。」


 (から)になった食器(しょっき)片付(かたづ)けていたギアは、ちょうど朝食を食べ終えたアリシアーレンに顔を向ける。


「分かりました。午前中は授業(じゅぎょう)をしないんですね?」

「ええ。私は少し出かけてくるわ。この間、依頼(いらい)されて採取(さいしゅ)したものが間違(まちが)えていたらしいの。」

 ギアはぎょっとした。

「何かこちらで不手際(ふてぎわ)が?」

「いいえ、あちらのミスよ。追加分(ついかぶん)(えん)()の色を間違(まちが)えて注文(ちゅうもん)したみたい。(えん)()なら近くで()れるから、すぐ(もど)ってくるわ。」


 (えん)()は花火に使われる魔法(まほう)植物だ。花火の持続性(じぞくせい)が高く、また通常(つうじょう)の物よりも複雑(ふくざつ)模様(もよう)()み出せることから、花火職人(しょくにん)がこぞって()しがる。


「なるほど。もうすぐ祭りがありますもんね。」


 アリシアーレンとギアが住む山を下ると、(まち)がある。頻繁(ひんぱん)には行かないが、毎年行われる祭りの(さい)には必ず()りて行く。その祭りで上がる花火を、二人はいつも楽しみにしているのだ。


「本当は青色が()しかったみたい。おドジな見習(みなら)いさんの発注(はっちゅう)ミスらしいわ。」

 アリシアーレンは少し愉快(ゆかい)そうに笑った。

「おかしいと思ったのよね。赤い(えん)()例年通(れいねんどお)りの(かず)(とど)けたのに追加(ついか)なんて(めず)しい、って。」

 そう言ってアリシアーレンは()って行った。



「行ってくるわ、ギア。」

「はい、アリシア。いってらっしゃい。」

 今()したばかりのタオルを手ではねのけ、ギアは顔を(のぞ)かせた。この前と同じ作業服(さぎょうふく)に身を(つつ)んだアリシアーレンは、手を()って()んで行った。



 洗濯物(せんたくもの)()ませ、掃除(そうじ)()ませた(ころ)にアリシアーレンは帰ってきた。


「ただいま~。」

「おかえりなさい…って、どうしたんです?そんな()っぱだらけで。」

「ちょ~っと木に()()んじゃった!」

 後ろ手に(ほうき)を持ちながら、アリシアーレンはあっけらかんと言った。

「なぜ…?」

 その時、ギアは(いや)予感(よかん)がして、素早(すばや)くアリシアーレンの背後(はいご)に回った。

「あ~!(ほうき)がっ!!」

 アリシアーレンの(ほうき)は真ん中でぽっきりと()れていた。しかし、注目(ちゅうもく)すべきはそれではなかった。


「えっ、リス?!」


 半開(はんびら)きの(かばん)から、小動物(しょうどうぶつ)が顔を出している。

「何()れて来ちゃってるんですか。」

「ケガをしてるのよ、この子。(たか)にいじめられてて…思わず(ほうき)ごと()()んじゃった。木に()()りてから、地上で(ほうき)(あやつ)って(たか)()(はら)えたのは良かったのだけど……この()(さま)よ」

 アリシアーレンはリスを(むね)()きかかえた。

 リスは手足をぎこちなく動かし、体を(ふる)わせている。


仕方(しかた)ないですね…。しばらく世話(せわ)をしますか。」

「そう言ってくれると思ったわ。」

 笑顔のアリシアーレンにギアが一言(ひとこと)


(ほうき)(けん)はまた後で。」


 アリシアーレンは笑顔のまま(かた)まった。


「…シャワーを()びてくるから、この子よろしくね~!」

 リスをギアに(あず)けると、そそくさと()げて行った。

「……。」

 ギアはリスを()れてキッチンへ向かった。




「どう、ギア?」

 すっきりした様子(ようす)でアリシアーレンがキッチンにやって来た。


 きれいに()かれ、手当(てあ)てされたリスは、アリシアーレンを見つけるとギアの手を(はな)れた。

軽傷(けいしょう)ではないですが、重傷(じゅうしょう)というわけでもなさそうです。…というか、野生(やせい)(わり)には、ヒト()れしていますね?」

「まあね。動物言語(げんご)キャンディーを持っていたから。」


 食べた者はどんな動物にも言葉が(つう)じるキャンディー。アリシアーレンはそれを食べたのだと種明(たねあ)かしをした。しかし、ここで一つの疑問(ぎもん)()かぶ。


「……そのキャンディーはなぜ持っていたんです?」

 (いぶか)しげに聞くギア。動物言語(げんご)キャンディーは、携帯(けいたい)するような物ではない。


「いつかに(かばん)に入れてた物がそのままだったのよ!」

「待っっってください。いつから入れっぱなしか分からない物を口に入れたんですか?!お(なか)(こわ)しますよ?!!」

「しないわよ、(どく)でもないのに。(どく)でもしないけど。」

 あっけらかんと笑うアリシアーレンに、ギアはため息をついた。

「そうだわ!ギア、外の(かまど)準備(じゅんび)しておいてね。」

「かまど…ですか?分かりました。」

 リスの頭をなでながらアリシアーレンは()げる。


「今日の授業(じゅぎょう)課題(ミッション)が成功すればこの子と仲良くなれるかもね?」

 ~魔法使いのメモ~


(えん)()火薬かやく性質せいしつを持つ花。様々な色がある。それを使って花火を作ると、通常つうじょうの花火より空中での持続性じぞくせいが高く、かつ複雑ふくざつ模様もよう簡単かんたんに作れる。


動物言語げんごキャンディー…食べた者は、どんな動物にも言葉がつうじるキャンディー。動物が食べても効果こうかはない。



 たまに文を追加したり表現を変えたりしてます。よろしければ、読み返してみてください。


 アリシアーレンは、大人の雰囲気を持ちながら子供のように結構やらかしますね。ギア、大変そう…。




  追記 2021年11月8日


 「魔女の敵」の閲覧人数がのべ100人を超えました。

 とても嬉しいです。ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ