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私の話  作者: 羚羊
9/10

虚しさ

小学生の時は生き辛かった。けど普通に友達もいたしそれなりに楽しかった。

勉強もできた。けれど何か物足りなくて、常に息苦しさを感じていた。


中学生の時は友達も増えて能天気に遊んでいた。関わる人の数が増えて

馬鹿なやつも賢いやつも混ざっていた。馬鹿だなって思ってたやつは馬鹿な大人になって

賢いやつは賢い大人になっていった。


高校生の時はずっともやもやした焦燥感に駆られていた。

一人でいるのが楽だったけど、常に寂しさを感じていた。


大学生になり自由に行動できる楽しさをしった。好きなところに行って、充実していた。

だけどずっと何かが足りなかった。


社会人になった。理想の仕事に就けたと思う。色んな面で恵まれている状態だ。

だけどこれまでで一番焦りのようなものを感じる。


学生の間は、ぼんやりしてても人生の次のステップが用意されていた。

だけどこれからは定年まで社会人で、人生に変化をつけるには自分で行動しなければいけない。


行動力の源は欲求だと思う。いい大学に入りたい。いい会社に入りたい。高い給料が欲しい。もっと知識が欲しい。出世したい。好きなものを見たい。好きな人と結婚したい。安定した生活が欲しい。いい生活がしたい。田舎で暮らしたい。おしゃれしたい。あれがしたい。これがほしい。


そんな欲求があるから毎日仕事に行って、仕事のために勉強して、合間に趣味や恋愛を出来るんだろう。

私にはその欲求がない。

いや全くないわけではないが、めんどくさい気持ちの方が大きい。


もっと努力しろと言われる。全面的に正しい。


けれど、疲れてるんだ。常に、ずっと。子供のころからなんか疲れてるんだ。

今日も生きて明日も生きる。その死ぬまで続く日常の先には何があるんだろう。


努力して立派な人間にならないと見えない景色があるのだとは思う。

問題は、その景色を見れたらこの焦燥感が消えるのかということだ。


もし好きな人ができて結婚でもしたら、ずっと欠けている心の隙間は埋まるのだろうか。

もし埋まらなければどうしたらいいのだろう。



一生懸命生きて、努力して、皆生きてきたのだとしたら

一生かけて成長しても精々不完全な人間にしかなれないことは周りを見渡せばわかってしまう。


周りの人間で、心底憧れる人なんてほんの一握りだ。

子供のころに嫌いだと思った大人たち。今見ても、同じ理由で嫌いだ。



沢山の幸せなことがあっても、一握りの苦痛で人生泥沼のように感じてしまう。

人間は幸福より不幸の方が記憶に残ってしまう生き物らしい。


それが分かっているのに、ずるずると生きることが苦痛だ。


ああ。夢が欲しい。

短期的なものではなく、長期的な大きな夢が。


偽って適当な夢を語ることはできる。それを言っていたら周りはさぞ褒めてくれるのだろう。


そんな張りぼての夢じゃなく、心底熱中できるような夢が欲しい。


神様、人生を俯瞰して見ているような虚無感を取り除いてくれ。私も人生を全身全霊で楽しみたいのに。


こんな良くわからない悩み人には相談できない。

相談したところで、本質を理解せず、ご高説を宣うだけだ。今まで何度か相談したが、いつもズレた返答しか得られなかった。


人とは違う。なんて中二病みたいなこと言わないが、皆なんでそんなに一生懸命生きれるのか不思議でしかたがない。


この虚しさはいつか消えるのだろうか。

早く消えてくれ。

私は楽しく生きたいんだ。




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