スキルを開発してたら死んだので。～製作者の俺は事前知識で得た公式チート【■■】でこの世界を破壊する～

ゲーム開発者の俺、カントは次世代ゲーム【ラグナドラシル・オンライン】の完成とともに死んだ。
【AI】のみが調整を行うそのゲームは、ビッグデータ解析からアイテム・武器・モンスターを自動生成する人の手を離れた〝異世界〟となる。
支配者たる神様――AIの名は「マキナ」。

「カントさん――アナタが、ワタシの製作者ですね？」
「いや、俺に子供はいねぇぞ？　というかまず彼女がいない……ってやかましいわ！！」

AIに強制転生させられた俺が目を覚ますとそこは、世界樹の都市が広がるゲーム内世界。
右も左も「知り尽くしている」この世界でレベル０からのスタートを切った俺は、手始めに公式チートスキル【■■】を手に入れ世界の攻略を開始する。

「ねぇカント、犯罪者みたいな眼つきなのに、なんで見ただけでスキルが分かるの!?」
「そりゃあ俺がこの世界の製作者――っておいおい個人的に嫌いな感情出てるよねそれ!?」

――……そして。もし仮に、製作者でも知らないことが起こったとすれば、それは。

「頂上にて待つ――アナタがその挑戦者であることを願います」

AIの起こした「シンギュラリティ」、黒く歪んだ謎の「バグ」すらも発生したゲーム内。
【ラグナドラシル・オンライン】で、四年遅れのスタートとなったカントが破壊するものとは――。