私はここにいる
遠く及ばない。
大きな隔たりがある。思い悩んだ所で近付く事すらできなくて、手は伸ばしてみたものの掴めるものは空ばかりなのに、どうしたって手を伸ばしてしまうの。来るものを拒むことはしないのに、はっきりと分かる境界線。私が一番の理解者でありたいと思うのに、恐らくは何も理解出来ていない。ねぇ、そうなんでしょう?そう問うてみたところで、気付いて貰う事すらないのでしょうけど、砂漠の中の砂粒ほどの望みは持っているの。馬鹿げているのは承知で、その砂粒を抱えて生きているのよ。
どうにかしてコトバを並べ替えてみたところで、結局はいつも通り。もしかしたらそれ以下かもしれない。そうしてまた……幾度となくあなたと一体になりその世界に没頭する。
現実から目を背けているはずが、逆に現実を突きつけられて私は砂粒を手放しそうになるのに、そうなる事は分かりきっているはずなのに、止められない。ただ純粋に楽しめればいいのに。どうしてあの頃の純粋さを、私はどこに、失ってしまったのか。いいえ、失った訳じゃないのかも……積み重なっただけなのかもしれない。夢とか欲とか過信とか。汚いモノの上に綺麗に見えるモノを積み重ねて積み重ねて。余分なモノで視界は不良なのに粗を探そうとして。自分自身の中身は空洞の、所詮はイミテーションでしかなくて。残念ながら、ホンモノにはなれないのに。それでも、それでも、虚しさばかりで、残るモノは何もないかもしれない、それでも。それでも私はここにいたい。泣きたくなるほど惨めでも、ここに、いたい。
私は……ここにいる。
私はここに、いる。
あなたの作品を楽しみにしながら、私もまた、書き続けたいと思うの。