表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢にまでみた君

作者: 松松ぼっくり

なんて可愛い子なんだろう。

友達になりたい。

どうやって話しかけたらいいんだろう。

理想の彼女と僕が仲良くなるまでのやりとり。

「きれー。」

野原いっぱいのタンポポの上で少女が爪先歩きをしながらキラキラした笑顔ではしゃいでいる。

青空の下 卸したての青いワンピースがよく映える。

「みつけたー。」

ボクの視線はもう少女にロックオンである。

こんな田舎では見ない仕立ての良い子供服。幼稚園の女の子達とは違う。

まるで絵本の中からでて来たような美少女

ふんわりふんわり裾をふくらませながらゆっくり歩いてくる

「あっ!伝説のむいむいを愛ずる姫?」

僕は近づくと「ギチギチ!」と例の虫に似せて話しかけてみた。

あの娘はこちらに視線をおくると「ギ?」ときいてきた。

「こんにちは」

「ギ」

「...」

何も言葉にならない。聞きたいことたくさんあるのに今僕の頭の中に宇宙人に乗っ取られて遠隔操作されてるがごとくトンチンカンな呟きしか発せない。

彼女は興味深そうに僕に目を合わせると

「ギー君?」といった

今日から僕の名前はギー君だ。彼女だけのギー君。

こくこく頷く僕に彼女は曖昧に微笑むともとのタンポポ畑に戻っていった。

次の日僕は段ボールで作った力作のだんごろむしアーマーを纏って朝からタンポポ畑にて彼女を待った。

早朝から待ち伏せてたために何度か近所の犬とその飼い主を怯えさせた。待った甲斐があってしばらくすると彼女が現れた。

「?」まさかの黒いワンピース姿!

これは!急いで家まで帰るママのクローゼットを開けて赤いスカーフを取り出し隣の婆さん愛用の竹箒をひきずりながら急いで公園に戻る。

しゃがんでタンポポを摘む彼女の後ろにまわりこむとスカーフを無理矢理頭に巻き付け(リボン結びは出来ない)竹箒を押し付ける。ちょっと予想とは違うがこんなもんだろう。

彼女はというとテニスボールくらいは入りそうに口を空けたあとパクパクした後に悲鳴をあげた。

「キャー」音が高すぎて周辺の電子機器などに影響があるのでは?と思うほどだった。コウモリとかイルカとも会話出来そうだ。

僕はというと段ボールのお化けよろしく奇っ怪な様を呈してるので通りがかりの人も何やら関わりたくないようだ。

「ギー君?」少しして彼女が口にした。

「ギー」僕は相変わらずだ!カタコトどころかオノマトペだけしか発せそうにない。

竹箒に彼女を乗せたいけどどう伝えたらいいものか?そればかりがぐるぐる頭の中をめぐる。

スカーフは頭というより頚にだらんと巻き付いて彼女を魔女の見習いには全然みせてくれない。

彼女は涙目むいむい段ボールの僕の手のひらに優しくタンポポをのせた。

それから彼女と僕は一番の友達になった。

色々あって二人は結婚して娘が生まれた。親バカよろしくコスプレなどさせてはスマホに撮りだめるデレッデレの父親である。

目下の悩みはどちらかというと夢の国のお姫様コスプレをしたがる娘と父が好きなキャラのコスプレをさせたい二人の攻防である。

近々水族館にダイオウグソクムシを見に行ったり ◯◯の美術館のチケットを予約してる僕に妻は笑いながらこういう。

「頑張れギー君」


初めての投稿にてお見苦しい点もあるかと思いますがご容赦いただければと思います。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ