第80話魔将軍ドゥルスVS復讐者 シャーリー視点
シャーリー目線で復讐に燃えるリュークを治します。
姫の毒を治すのはもちろん王子様。今回は逆バージョンです。
私は飛び出していったリュークを見ながら後悔していた、結局復讐を止めることはできなかったのだと・・・・・・
昔て言ってもそれほど昔ではない、もう6年前のことだ。
私はリュークと1つの約束していた、それは私も復讐を行うといったことだったが、それは本心で言ったわけではない。リュークの復讐、いえ――彼的に言えば仇討ちに臨むリュークの心を少しでも軽くしてあげたいと思って飛び出した言葉だった。
しかし私の言葉は飛び出したまま、心には刺さらずに右から左へと流されてしまったようだが・・・
そしてヨハンでドゥルスの影武者を倒したとき、これで少しはリュークの心のつっかえが取れるのかと期待したが、結局重くはなるだけで、軽くなることは一度もなかった。
リュークは、精神が子供のまま強くなりすぎた。
私が知らないこの世界の情報を知って、何かを警戒しているが、リュークはただ不安なのだ、いつも何かに怯えているように見える。
そして今、リュークはシャロンさんとロインさんの復讐をしようとしてる。
リュークの両親から蛮勇なところだけを引き継いだリュークは、恐怖にも躊躇わず飛び込んでいく。しかしそれは戦わないという選択肢を恐れているだけなのだと私は思う。
今、ドゥルスを圧倒しているリュークは、復讐が生み出した悪いリュークだ。
悪いリュークではいけないと思う、それは悪では悪には勝てないという素人の浅い考察だが、あながち間違ってはいないはずだ。
それに、今のリュークは見ていてとても危なかっしい、自虐的に攻撃を受けることも厭わず、死なない限り戦うなんて、リュークらしくない。
私のリュークはそんな機械人形みたいではない、慎重で大胆に、されど華麗にカッコいい。
私のリュークを返せと言いたいところだが、言葉じゃ伝わらない気がする。
そんな時、シャロンさんとメサイアさんに言われた言葉が脳裏に浮かんできた。
「ぶつからなきゃ伝わらないこともあるわ、大切な事こそぶつかってやらなきゃ伝わらないわよ・・・」
「男なんてね、ガツンとぶつかってやればいいのよ・・・」
2人とも似ているなーと苦笑しながら私はリュークへと向かっていく。
ドゥルスは参ったと言っているのに果敢と追い立てるリュークはやはりリュークらしくない。
私はリュークの前に降り立ちシャインスカーレットレイピアを構えた。
「いつものリュークならそんなことはしない、あなたがリュークなのだとしても頭を冷やしてやる。」
「シャーリー・・・邪魔するなら容赦はしない、殺しはしないが痛めつけてやる。」
リュークは強い、そのことは身に染みて分かっていたと思っていたのだが、私の想像の3倍以上は強かった。
目にもとまらぬ速さで動き、的確に弱点を突いてくる、さらに合間合間で魔術によっていやらしくステータスを一定時間低下させてくる。
しかし圧倒的に手加減されているのが手に取るようにわかってしまう。
それでもついていけているのは恋のなせる業というべきか、リュークは鈍感だから気づいていないようだが、リーンもナタリーもリュークを狙っている。(ナタリーについては微妙だが)
幼馴染として看過できない行動も起こっている。
リーンはエルフなのでもちろんの事、ナタリーも綺麗だ。町娘でしかない私が、彼女たちと張り合えているのは、リュークとの幼馴染としての時間だけだ。
私はリュークが好きだ、リュークの事を考えるだけで顔が赤くなり、鼓動も早くなる。
そんな私だからというわけではないが、絶対にリュークを復讐の鎖から解き放ってやるという強い気概に燃えていた。
数十合ほど打ち合ったころだろうか、ドゥルスが瀕死の身でありながら魔術を放ってくる。
しかしそれが隙となり、リュークは対応しようとしてしまった、敵からの攻撃中に攻撃はしてこないと思っているのかもしれないが、私はそんなに優しくはない。
お腹にレイピアの一撃を放つ、それは私の中でも会心というべき攻撃で、その速さは音を超えていた。
吹っ飛んでもつれ合った私たちは崖のギリギリまで飛ばされた。
「頭、冷えた?」
そう聞いた私にリュークは強気な笑みを変えしながら
「あぁ」
と答えた、しかしこのもつれ合った状況に私は顔を赤くした私は
「リューク、貴方のことが好き」
間違えて言ってしまった・・・
「わかってるさ」
そう答えたリュークは照れくさそうにした後、回復した魔将軍ドゥルスにすっ飛んでいった。
そして私は頬を両手で押さえながら、くねくねしてしまった。
シャーリーの恋愛に進展が!?




