第79話魔王城まで
100,000文字行きます。
応援していただけるとありがたいです。
堕天使サタンや、不死王ノーリフなどの猛攻を退けた僕たちは、ついに魔王城が見えるところまで来た。
残念ながら、ここから先は戦闘をしなければいけないだろう。
それは今の光景を見れば明らかすぎるほどに、明らかだった。僕たちは3つ首の狼にそのすべての頭から、悪感情を垂れ流しにされているのだから、ケルベロスと名付けられた狼は10メートルほどある大きさで、獲物である僕たちを見つけたことに尻尾をぶんぶんと左右に振り回すことで、喜びを露にした。
僕は獲物と見られ、格下に思われていることに憤った。
自身の剣を取り出し、その剣で狼の体を切り裂いていく、毛皮は硬かったが、刃こぼれもしないで切り裂けたのは僥倖というべきだろう。
しかし切り裂かれた方はたまったものではないらしく、たちまちに怒りだした。
雷のスパークを体中に走らせながら、ケルベロスはその3つの首の口を大きく開いた。どうやら僕たちを丸飲みに飲み込んでしまうつもりらしいが、そんな単調な攻撃は回避するのも簡単だ。
しかし回避した瞬間に体を捻り、僕が瞬間的に取り出した盾に牙を食い込ませてきたときは、流石に冷や汗でだらだらになっていた。
獣ほどの知能かと思ってみれば、ちゃんとした知能も存在するようだ。
しかし戦力が圧倒的に足りない、なぜ魔王城の前にある崖付近で戦わなかったのか、袋小路に追い込めなかったのか、と言いたいことは山ほどあったが、ケルベロスは僕たちの攻撃に耐えきれず。毛皮には矢が刺さり、斬撃の跡が残り、焼け痕は炭になっていた。
いくら強靭な生命力を持つ、といっても攻撃を受け続ければ、回復力は徐々に落ちていくのは自明の理だ。
そしてケルベロスは力尽きたようにへたり込み、そのまま息を引き取った。
しかし僕のスキルはこれで終わりとは一言も言っていない、逆にさらに警戒しろと警報を鳴らしていた。それは正解だったようで、シャーリー達がケルベロスを倒したことで一安心し、休憩しようとした瞬間に巨大な戦斧が飛んできたのだ。
僕は遠心力の乗ったその戦斧を盾で受け止め、シャーリー達に被害が行かないようにした。
「やれやれ、仕留めたっと思ったのだがね、今代の勇者はやけに警戒心が高いようだ。」
僕はその声の主に聞き覚えがあった。
僕の両親を奪い、ヨハンでは大量の人の命を奪い。
こいつは奪う者だった、人から奪い、殺す。
僕は奪われる者だった、両親を奪われ、あわやシャーリーまで・・・。
僕はこいつのに仇射ちをする、ためにここまで来たといっても過言ではないだろう。そのことを証明するように、僕は激怒していた。
怒りという言葉がが陳腐に感じるほどの憤怒の感情、それは憤怒のサタンが身に写ったようだった。僕はすぐに沸点に達し、怒りは過去最高潮を迎えた。
その怒りを表すように、僕の体からは赤い闘気が噴出されていく。そして顔は怒りに溢れているだろう。
復讐はなにも生まない、という言葉は何度も聞いた。それこそ聞き飽きるほどに何度も何度も繰り返し。
僕も薄々理解はしている、復讐が何も生まないことなんて・・・しかし僕の心がそんな言葉で納得するわけがない。
「ドゥルスゥー俺はてめぇを殺すっ、絶対にだっ!切り刻んでミンチにしてから殺してやるよ!」
そう言って僕は一番攻撃力がない剣を取り出し、ドゥルスに向かっていく。
既にスピードは最速、自分の人生の中でも限界を超えてきているのが自分でもわかる。
こうなってしまったら長年の親友であるシャーリーでさえ、僕は止められないだろう。
感情に身を任せて攻撃していく姿は魔物と大差ないように感じるが、そんなことを考える隙間もないほどに僕の頭の中も心の中も怒りで埋まっていた。
復讐心にまみれたリューク、このままいけば死亡ルート1直線なので、残念ながら復讐が好きな人にはあんまりいい感じにはなりません。




