第74話堕天使サタンVS勇者パーティー弐
サタンととの戦いが続きます。
渾身の自爆魔術の『デスクレイオブス』を、シャーリーの吸収魔術『ブラックホール』によって封じられたサタンは怒りに身を震わせていた。
「貴方たちには、本当に文句の一つも言いたいところですが・・・これから発動する魔術には耐えきれませんよ。」
サタンは自身の4つの腕を広げ、その腕に付いている口からは詠唱が零れてきた、詠唱は魔族言語の用で理解はできなかったが、それが悪や絶望を意味していることは分かった。
自爆魔術よりも危険な魔術であることは明白で、サタンはそれに対して絶対の自信を持っているように見えた。
僕たちはその魔術を発動しないように、蹴りや殴りや斬撃に加えシャーリー達が矢や魔術で攻撃していくが、サタンは攻撃を受けながらも耐え抜いていく。
口を切り裂こうが袈裟切りにされようが、燃やされようが凍らされようが、サタンは攻撃を耐え抜いた。
ボロボロになったサタンは見るも無惨な姿になっていた、体はバラバラになって、さらにすべての腕がグチャグチャにされた、火傷を負い凍傷を喰らい、闇に飲まれ切り裂かれた。
サタンの全ては崩壊寸前と言ったところだったが、サタンはギリギリで魔術を完成させた。
「・・・ガフッ・・・・・・フハハハハ・・・君たちには怒りすぎて、笑ってしまったよ・・・・・・怒りを通り越すと笑ってしまうというのは本当だったようだな・・・私を笑わしてくれて感謝するぜ・・・・・・じゃぁなぁ・・・死んでしまえ・・・・・・『ディスペアフィーリング』」
ディスペアフィーリングは、対象となった相手に超強力な絶望を感じさせる魔術で、その絶望には強い精神を持っている悪魔でさえも大きな狂気に精神を支配され、直ぐに死んでしまう。
精神系魔術は放出しないので、ブラックホールでも吸い込めず、絶望などの精神攻撃には人間は耐えきれないため、人間に発動した場合は必ず死ぬことになる。
今回の場合はリュークに対して発動されたため、リュークは狂気に侵されながら死んでしまうはずだった。
リュークは魔術が当たった瞬間、ヘドロのような暗くどろどろとした感情が流れ込んできたのを理解した。
しかし理解したうえで、回避することも治すこともできないと悟ったため、自分の人生に諦めをつけた。その瞬間にリュークを巨大な絶望が支配した。
「グハァッッッッッッ」
そしてリュークは血を吐きながら荒野へと落ちていった。
「フハハハハハハハ、遂に死んだぞ。ルシファーでさえ殺せなかった化け物を殺してやった・・・・・・私にもこんな喜悦の感情が残っているとは・・・・・・驚きだな。」
「嘘よ、リュークは死んでない」
「リューク様が死んだなどと・・・この悪魔め」
『勇者の一撃』
グシャッッッ
「なっ・・・どうして死んでいないぃぃーー」
そう断末魔をあげたサタンは僕の放った『勇者の一撃』によって塵も残さず消滅してしまった。
なぜ僕が生きているのかというと、それは僕が死んだふりをしていたからだ。
どうして死んだふりをしたのかというと、サタンはあの魔術『ディスペアフィーリング』に絶対の自信を持っていたため、何故か効果を発揮しなかった僕は、一度死んだふりをしてサタンを油断させてから攻撃することにしたのだ。
そして死んだふりをした瞬間から詠唱を始め、スキルの中でも特殊な詠唱が必要な『勇者の一撃』を遠距離から放ち、油断しきっていた堕天使サタンを倒した。
サタンは完全に悪魔化しきっていたため、『勇者の一撃』によって塵も残さず消滅したあと、魔結晶が荒野に落ちていったので、一応拾っておく。
数十分の戦闘だったが、僕たちの誰もが命を落としかねなかった。
危険性を理解していなかったのは僕たちのようで、サタンが塵になってから数分後には、空中でへたり込んでしまっていた。
魔界は危険地帯。




