第73話堕天使サタンVS勇者パーティー壱
サタンと戦います。
堕天使サタンは真っ黒い笑みを浮かべながら、魔術を発動してきた。
『ダークインパクトブレード』
闇の衝撃刃を空中で全方向に発動したサタンは、怒りの表情のまま、回復役であるナタリーに高速で近づいて行った。
戦闘職でないナタリーには一瞬で近づいてきたようだったので、顔には恐怖と畏怖が張り付いていた。
シャーリーは自分で自分の身を守れるだろうし、リーンは妖精の羽衣を装備しているので、少しのダメージで済むだろうがナタリーに物理攻撃はまずい、ナタリーは聖女で戦闘職ではないためそこまで俊敏に動けないし、回復役のナタリーが今ダメージを負うのは今後にも影響が出る。
僕はサタンよりも数倍早い速度で、ナタリーにサタンの後ろから近づいて行く、この速度まで来ると速さも尋常ではないため耳にはキーーンという音が聞こえてくるが、既に集中状態になった僕には音すらも聞こえなくなる。
ルシファーよりは強さも狡猾さもないサタンは、僕には気づかずにナタリーにその鋭い爪を柔肌に突き刺そうとして・・・・・・ザシュッッ・・・・・・僕に突き刺そうとした腕を斬られた。
赤い血を撒き散らしながら、サタンの右腕は灼熱の荒野に落ちていく。
ジュ、ジュー
焼けるような音と、人の焼けるような嫌な匂いが立ち込める。
サタンは驚愕といった顔を見せた次の瞬間には、先ほどの憤怒をさらに色濃くした顔を見せながら攻撃してくる。
強力な攻撃はしかしながら、単調で見切りやすい、集中した僕にとっては動いてないも同然なその攻撃を回避したり、受け止めながらカウンターもしたりする。(カウンターはあまり通じなかったが)
数秒ながらも濃密な拳による攻撃をしてきたサタンは、すぐには殺せないと思ったのか、攻撃をやめ少し遠くに離れていった。(もちろんシャーリーやリーンの援護攻撃も飛んでくる)
戦闘開始から未だ5秒ほどしか経過していないのだが、既にサタンは右腕を切り落とされている。
どうするのかと注目していた僕たちに、サタンは堕天使としての象徴である、黒く変色した天使の輪っかを頭にはめ込んだ。
ニョキニョキニョキという擬音が聞こえてきそうな、感じで頭からは角が生え、体からはさらに3本の腕が生えてきた。
その腕には口がついていて、その口からさらに魔術を何発も発動してきた。
何発もの魔術は僕が逃げられないように、そしてサタンはさらに様々な方向からの魔術を発動してきた。
僕は避けられない魔術だけを盾で受けることで、攻撃を受けなかったが・・・その隙にサタンは自虐的な笑みを浮かべ嗤いながら魔術を発動してきた。
「『デスクレイオブス』・・・これで終わりだぁー・・・何もかもなぁー」
デスクレイオブス
死の鳴き声と名付けられたこの魔術は、魔術によって広範囲に音が広がり、その音を聞いた者は死ぬ。
という凶悪すぎる魔術だ、しかし自分も死んでしまうため、最悪の自爆魔法として少数の悪魔達に広まっていた。
僕たち―――いやシャーリーはサタンが嗤ったことで嫌な予感を感じていたのか、シャーリーは全ての魔術すらも吸収してしまう、僕が過去に行ったときに賢者クレイが使っていた魔術をシャーリーが再現した『ブラックホール』を発動していた。
『ブラックホール』は『デスクレイオブス』を飲み込んで消えていった。やはりまだ発動時間が短いようで、サタンすら吸い込まずに消えてしまったが、本命の魔術は吸い込めたので問題はないだろう。
自身の死すら覚悟していたのに死なないうえに、敵である僕たちも死ななかったので、サタンは我が目を疑うような表情をしたあとに、顔を徐々に赤らめながら、怒りに身を震わせた。
次回もサタンと戦います。




