第66話魔王軍直属幹部定例会議
「・・・・・・さて、まず報告してもらおう、研究の状況について・・・・・・まずは――ノーリフ」
魔王はノーリフにその鋭い視線を向ける。
恭しく礼をした不死王ノーリフは、その骨の体に着ている、豪奢な服から何枚かの紙を取り出し、それを読んでいく。
「えーー、私が担当している、アンデッドによる大量の食糧生産ですが、一応は成功しています。」
しゃがれ声で不死王ノーリフが読み始めたのは、自身が担当している仕事で、アンデッドによる研究だ。
疲れないアンデッドに食糧生産を行わせる研究で、成功すれば魔界の食糧事情はもっと良くなるだろう。
「一応と言いましたのは、アンデッドでは出来ない作業があったからです。・・・・・・アンデッドは鍬を振り下ろしたり、剣で斬りかかることはできますが・・・野菜や穀物などの収穫はできません。
さらに、私が使える魔術で疑似的な太陽を造ることはできますが、魔力消費量が大きすぎて成長速度が著しく低いです。」
魔王はその報告を聞いて、かぶりを振ったあとで、少し考え込んだ。
「・・・やはり食糧の安定供給は難しいか――仕方がない・・・・・・サタン――今勇者がどこにいるか、分かるか?」
堕天使サタンは、元天使の証である天使の輪をどす黒い黒色で染めていて、自身もその黒色に合う様な黒い翼に黒い礼服と黒い髪、そして黒い革靴を履いていた。サタンは自分の顔の2つの眼の上、俗に額と呼ばれる場所に、さらにもう一つの眼を誕生させ、その眼を開く。
傍から見ればかなりグロテスクな光景だが、ここにいるのはサタンと同格の魔将軍達と、魔王だけなので、誰も驚いたりはしない。
数秒後、その眼を高速で動かしていたサタンは、眼を動かすのを辞め、報告した。
「魔王様、勇者は現在グザファン法国にいる模様・・・グザファン法国は、魔界との繋がりである魔界の扉も近郊にあるため、数日後には勇者達は魔界に侵入してくると思われます。」
魔王はサタンからの報告を聞き、吟味するように視線を上の方に向けた。
数秒後にはその視線を魔将軍達に向けた。
「・・・・・・我が加護を与えられた魔将軍達よ、勇者を私の下に来させてはならん。
黒騎士、サタン、ケルベロス、ノーリフ、ドゥルス、アルティメットスライムよ、我が加護を使い、勇者を殺せ。」
ガタッ
「「「「「はっ」」」」」
一瞬で立ち上がった魔将軍達が、魔王に向かって敬礼をする。
「これで会議を終わる。各自
会議が終わり魔将軍達が退出する。
魔王は手を顎に置きながら考え込んでいたので、そのまま部屋に残った。
「絶対に負けるしかない。邪神デモルゴン様に拷問され殺されるより、勇者に殺害された方がましだ」
そう哀愁漂う声で一人呟いた魔王は頭を振って、自分の玉座に戻っていった。
魔王かわいそうと思った人は観想ください。




