第61話神聖法国グザファン
5月に入りましたね。
グザファンの中は流石に世界最大の宗教国家としての威厳があった。
セージの時代の物とは同じ物もあったが、違うものも沢山あった。
防壁でさえ輝いて見えるほどの徹底ぶり、噴水や公園などが多数設営されていて、金や大理石などを湯水のように使っていた、世界最高の観光名所という話もあながち間違いではなさそうだった。
僕たちはレンガが大量に敷き詰められてある道を馬車に乗りながら進んでいく。
僕の記憶が間違っていなく、さらにセージの時代と今の時代との差異が無ければ、今向かっているのは大聖堂なはずだ。
宗教国家なので王宮よりも聖堂や教会が優先されていて、大聖堂を中心とした都になっていた。
(王宮は北南東西に存在する聖堂を後目に見ながら、大聖堂の南西という微妙な場所に位置している)
大聖堂は尖った塔を何本も立て、左右対称のような全方向から入れるような建物になっていた。
大聖堂の前で馬車を止めたナタリーは、一緒に付いてきた騎士達を大聖堂の前で止めさせ、レンと共に僕達を自分に連いてくるように言ったあと、その厳しそうな顔をほぐした後赤い絨毯を進んでいった。
大聖堂の中は空が見えるような絵画が描かれていて、赤い絨毯の奥には祭壇が置いてあり、その奥には憎きグザファンの彫像が置いてあった。
(大分美化されていたが・・・)
グザファンの彫像を見たときその瞬間に僕から憎しみの感情が溢れ出たのを気づかれなかっただろうか。
祭壇の前で聖書か何かを読んでいた人物が僕達の気配に気づいたのかこちらを向いた。
「おや、レン様にナタリーではないですか、それにそちらの方達は、魔将軍はどうなったのですか?」
白い髭を蓄えた老人のような聖職者は黒い祭服を着て困惑した表情を浮かべながらそう言った。
「おいエラルドどうなってんだよ、魔将軍なんていねぇじゃねぇか」
「レン様、神託で下ったのですよ、魔将軍が人間界に転送されたと。魔将軍がいなかったのであれば、探すべきではなかったのですかナタリー」
レン(バカ)がアホ丸出しな発言をする。
それに真当な言葉のようでいながら、ナタリーに心労がかかるような言葉を投げかける、エラルドという聖職者どちらも全く悪いとは思っておらず、さらに神託の話をする時のエラルドの顔は恍惚としていた。
「それに関してなのですが、エラルド様に報告したいことがあります。」
ナタリーがやっと口を開いた。
「なんですか・・・その方達についても話をしてくれますかね」
こちらを見ながらそう言ったエラルドは冷酷な目をしていた。先程のレンの時とは大違いだ。
「エラルド様、そちらの青年ですが、我が国で現れた魔将軍を討伐したと思われます。」
っおいなんでそこで巻き込んでくるんだと、僕はナタリーを険悪な目で見るが、ナタリーは知らんぷりをした。
「本当に?レン様でさえ魔将軍にはギリギリ勝てるか、と言ったところなのに?」
胡散臭い物を見るような目で見られた僕は、遂に怒りが限界に達した。
僕はここぞとばかりに、悪魔王ルシファーから手に入れた魔結晶を見せつけながら言った。
「俺が、魔将軍の悪魔王ルシファー倒した。このバカなんて相手にならないぐらい強い勇者だ。」
主人公は少し短気です。




