第60話2人の勇者
2人の勇者(復讐者+ただのバカ)
ただのバカの方は嫌いです。
人間界での魔将軍は打ち止めです、ルシファーは完全に死亡しました。
「もしくは・・・・・・」
「もしくはって何なんだよ、勇者以外に魔将軍に勝てる奴がいるとでも思ってんのか、俺らみたく大量の軍勢を率いているわけでもあるまいし・・・」
「いえ―――確か1年ほど前に、魔将軍が現れそれを倒した者がおるとか・・・」
「おっ俺の気配感知に人がいるぞ・・・3人、それもエルフもいやがる。」
その声が耳の中へ入ってきた瞬間、僕の脳内には3つの選択肢があった。
1つ目は何も関係ないただの一般人のふりをするという選択肢、2つ目は勇者であることを明かし、魔将軍を倒したのは自分だと明かす選択肢、3つめは近場にいる全員を殺害し、バレないようにする選択肢だ。
考え始めてすぐに、3の選択肢は除外し1の選択肢を採ることにした。
直ぐに自称勇者(?)が馬に乗ってやってきた。(馬にしっかりと乗れていないようだったが・・・)
「おい、魔将軍を知らないか」
あまりにも単純な問いかけだ。阿呆なのだろうか・・・
「知りませんよ、私は旅人でしてね、世界中を旅しているのですよ」
飄々と嘘をついていく、シャーリーには息をするように嘘を吐くなどと言われそうだが・・・幸いにしてシャーリ達も合わせてくれてようで、驚いてはいなかった。
「嘘をつかないでください、貴方達がこのレン様より強いことは分かっています」
顔を冷やりとした汗が伝っていったのを気づかれなかっただろうか。
鑑定持ちだったのか・・・しかし僕が通常で行っている詐称を下回るとは、雑魚モンとかなんだろう。
その後僕たちはグザファンに招かれた。
鑑定持ちの女性は職業は聖女らしく、2カ月前に召喚された、実力が伴っていない勇者のクドウ・レンには不満を持っていたらしい。
そんな時に現れた魔将軍、ある程度レベルが上がっているとはいえ、魔将軍相手には不安が残るレンを引き留めることができず、仕方なく騎士団を率いてきたらしい。
確かにレンが潜在能力を全て発揮しても、最高でも今の僕の100分の1の強さが妥当だろう。
レンは自信過剰らしく、勇者としての初期スペックが高かったのがそれに拍車をかけていた。恐らくの想像でしかないが、勇者としてのスペックに怠けていて騎士たちをステータスで圧倒し、調子に乗ったのだろう。
僕が本気を出せば一瞬で勝てる悪魔王も、この勇者が戦えば直ぐに死んでしまうだろう。
聖女のナタリーさんに同情の視線を送ると、睨んできた。
今代の聖女は予想以上に勝気な正確な女性らしい・・・・・・
馬車が揺れる
「・・・着きましたよ、神聖法国グザファンに・・・・・・」
次回『神聖法国グザファンです』




