第56話過去【Ⅵ】
過去編最終回、頑張って書いていきます。
セージが転移させられたのはつい1週間程前に来ていた場所、北の氷の大地に存在する禍々しい魔界の扉の前だった。
セージは戻ってきたことを知らせるため、グザファンに向かった。
旅の間、セージは生気を失くしたような顔をしていた。
ようやく戻って来たグザファンでセージと共に戻って来た僕は、何年か進んでいた世界に驚いていた。
セージ以外には誰にも戻ってこなかったことを法王に尋ねられ、その答えに無言で首を振ったセージは王達に死んだことを気づかさせたようだった。
セージは自分を責めていた、誰も助けることができなかった自分を、1人だけ救われてしまった自分を・・・
2か月後、大規模な地震が起こった、グザファン神の怒りだと言われていたが、なぜ怒っているのかが分からず法国は上から下へ大騒ぎになった。
セージは自らに赦しを求め、各地を旅した。
ことあるごとに謝り、自信に溢れ覚悟が漲っていた頃とは全く違い、何かを恐れていた・・・それは行動にも表れ、セージは2度と仲間を引き連れることはなかった。
獣王に会った時の事、獣王には獣人族の同族を失わせたことに対して怒り狂い、セージを何度も殴った。
その後で、『てめぇが勝手に自信喪失するのは良いが、てめぇがこの世界に来た時点で、てめぇの命はてめぇだけのもんじゃねぇことを、忘れんなバカ野郎。』と言われた。
それがセージには効いたようで、自分のできることを一から見つめなおし、世界樹に研究所を造った。
世界樹ならば邪神デモルゴンからの監視も避けられるだろうといった考えだったようだが・・・その考えが功を奏したようで、樹の匂いによって心理的効果も味方し、研究もはかどった。
セージが研究していたのは僕の予想通り時間魔術で、時を戻し自分が更に強くなった状態で誰も死なせずに邪神デモルゴンを倒す腹積もりだった。
最終的に実験は成功したのだが、それまでにさらに12年が経過していた。
しかしセージには良くない結果がもたらされた、それは時間魔術の限界である。
時間魔術は大量に魔力を消費するため、外付けタンクの魔晶石を使用しても、まだ魔力が足りなかったのだ。
セージが邪神に全てを奪われてから12年、時間魔術はセージの魔力全てをもってしても、5年しか遡れなかったのだ。
セージは絶望した。
ようやく希望が見えてきたところに特大の絶望を投げ込まれたのだ、無理もない、そしてセージは次世代の勇者のために武器を作った、邪神を倒せる武器を・・・・・・・・・
そしてその武器を世界各地に置いていったところで、僕は元の保管庫に戻って来た。
3月も、もう28日、学生さんは春休みかな?
仕事をしている方は頑張ってください。
僕は内緒でお願いします。




