第49話先代勇者
先代勇者が出てきます。
4つ目の部屋は保管庫だ、ここにミストルテインとアスクレピオスがあればいいのだが・・・・・・と思いながら保管庫の扉を開ける。
保管庫の中は意外にも整頓されていて、片手剣、両手剣、短剣、バスターソードに刀と呼ばれる武器、弓や杖に魔術書や槍、鞭などから斧までも1つづつ大量に置いてあり、武器の見本帳のような様相をなしていた。
弓や杖の中にはミストルテインとアスクレピオスもあったので、少し嬉しかった。
奥には魔術薬や傷薬などもあり、その量は壁を埋め尽くす程だった。
その中には先ほどの私室で見つけた、四角い箱を嵌め込むような装置が置いてあり、そこに嵌め込んでみることにした。
カコッ
《システムグリーン//フラッシュドライブ2037セット//エアディスプレイ準備完了》
ブーン
その声が聞こえた瞬間、等身大の人間が現れた。人間は30歳ぐらいの歳で、少し老けていた。
その人間に触ってみるがその体は透けていて、触った感覚はなかった。
『ザーザー・・・あーあーマイクチェックマイクチェック、いつかこれやってみたかったんだよなー』
現れた人間らしきものは饒舌に喋りだした。少し警戒しながら話を聞く。
『俺は今――いや昔の勇者だ、君にとっては先代か先々代以上前の勇者ということになるだろう。
今が旧暦917年だから・・・・・・まぁそこは自分で計算してくれや。
これは俺の私室にあった物だろ、よく見つけてくれたな・・・・・・』
今は新暦400年、400年前に暦が変わったので、500年前にいた勇者なのか・・・
『俺はこの世界ではない異世界からやってきた。
地球って言うんだがこの世界で生まれた奴には分からないことだろうな・・・
俺はグザファンって国で召喚された、勇者召喚は地球の日本っていうとこでは人気がある。』
少し楽しそうに話をする。
『―――だが現実は違う、最初は楽しかったが、魔将軍は強かった。
魔将軍を一体倒すたびに知り合いが死んでいった。
仲が良かった騎士団長、騎士団長とは仲が悪かったが俺には優しかった魔術師団長、ツンデレのエルフ、岩窟なドワーフ、強かった獣人・・・・・・みな仲が良かった。』
魔将軍の時は顔が厳しくなり、そして人の事を話すときは優しい顔になった。
『――――――しかし、死んだ・・・・・・魔将軍の一撃で多い時には数十人
少ない時でも1人は死ぬ。1人1人仲間達は死んでいった。
勝ったことを誇るのではなく、死ななかったことを喜ぶ、そんな日々が続いた。』
昔の勇者は悲しそうに・・・懐かしむように話す。
『昔話をしても仕方がないし、君には大事な情報を伝えなければならない。
本当の敵は魔王ではない、それを君に見せようと思う・・・
俺達、俺と聖女アリーシャそして賢者クレイが魔王を倒すまでの物語、魔王を倒してからの物語を――』
哀愁漂う顔から強い光が発せられた。
次次回から『過去編』です。




