第44話エルフの都市
ついにご対面、ファンタジーの醍醐味エルフです。
魔道具は結界を一部だけ、しかも10秒ほどしか通さないので、急いで結界の中へ入る。
結界の中に入った僕たちは文字通り息を呑んだ。
そこには頂上が見えないほどの、世界を覆いつくすかにも見える樹があった。
その樹はからは全く葉は落ちず、樹皮はツルツルで一つの形成層も見えない。
その樹を世界樹だと認識するのに10秒もかかり、その樹について多くの情報を一瞬で色々と考察した。
年輪は何万層にも連なっているだろう・・・そして世界樹の全長は想像を絶しているはずだ。
僕たちは無意識のうちに世界樹の近くに近づいていった。
「貴様ら止まれ、止まらなければ射るぞっ」
綺麗な、しかし怒っているような声が僕たちを襲う、無意識だった意識が急速に戻っていく、そして声のした方向に顔を向ける。
そこには容姿端麗なエルフが一人、結界の中に何十本もある木の上で、弓を構えてこちらを見ていた。
しかしすぐにシャーリーが声をかける。
「ちょっと待って、貴方たちと争いたくはないの」
「どうやって結界をすり抜けたかは知らんが、容赦はしない・・・死ね」
どうやら話は通じないようだ。
僕は邪魔をされて、少し苛ついていたので無力化してしまおうとしたが、シャーリーに止められてしまった。
「私たちは外の遺跡から魔道具を手に入れて、結界の中に入って来たの。結界を造った人からの伝文とかは残っていないの?」
シャーリーにそう言われて、木の上にいるエルフは少し考えたあと、僕たちについて来いといった。
エルフは僕たちを警戒しながら木にを伝って進んでいく・・・身軽なようで危険そうな場所も簡単に進んでいく。
たどり着いたのは僕たちが結界の中に入った場所から、世界樹を横に見ながら右回りに進んでいき、少し大きな池の前でエルフが止まった。
エルフは鏡のような水面に鼻先すれすれまで顔を近づけ、何か唱えた・・・水が形を変えていき、透き通ってはいるがしっかりとした水になった。
するとエルフは全く躊躇せず、水の中に飛び込んだ。
エルフは水に飛び込んですぐこちら側に向きなおり、手招きをして僕たちを水の中に呼んだ。
僕とシャーリーは顔を見合わせて思案するが、進む以外の選択肢が何も浮かばないので、僕たちは一斉に水に飛び込む。
水は冷たく、一瞬だけ息ができないかにも思われたが、不思議と息はできる。
エルフが後ろを振り返りながら少しずつ進んでいく、20メートルほど進んだところで先導していたエルフの姿が消える。
出口がわからなくなってしまったが、不意に虚空から現れた手によって、僕たちは助け出された。
水からではない新鮮な空気を肺に取り入れる。
「ようこそ、世界樹の民が住む地底都市へ、この都市に初めて現れた人間よ・・・」
エルフの都市は地底都市です。




