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プロローグ
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酷い現実から逃れるように
夢の中だけは幸せな世界が広がっていた。
『 ___』
思い出せないーー貴方の名前ーー
ーー暖かく、優しく、それで切なく悲しい夢ーー
ーー名無しの恋人...貴方は、だれーーー?
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目が覚めると色とりどりの花や
洒落たティーセットも無い
古びたアパートの一室にいた。
怒鳴り声、お皿の割る音、…怖い音
私のたった一人のお友達のなっちゃんがくれた
くーちゃん(クマのぬいぐるみ)を抱えてお布団の中でまるまる。
音がさっきより静かになった。
お母さんは危ないからお外で遊んでてと言った。
ごめんねと言った。
本当に悪いのは誰か知っている。
お母さんは悪くない。私も悪くない。
私はこの世界の汚さを知っている。
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