無意味
『本当に自分だけのモノってあるのかな?』
泣きそうな顔で笑ったキミの顔が忘れられない
僕は本当にキミだけを愛していたのに
キミ以外、他に何も要らなかったのに
初めての感情に戸惑って
キミのことを理解出来ていなくて
自分のことも理解出来ていなくて
守り方が分からなくて
他人の言葉を鵜呑みにして
堪えられなくて爆発して
キミのことを余計に傷付けた
なぜ間違えたんだろうかどこで間違えたんだろうか
自問自答するも答えは出ない
キミの親友を疑って嫌悪して
僕の前でだけいい顔をする女を信じて
キミの哀しそうな顔に安堵して
他の女の相手をしている時
キミはどれだけ傷付いていたんだろう
キミの表情が失くなっていくことに気付いていたのに
キミの変化に気付いていたのに
あの時目をそらさなければ
キミの言葉を聞いていれば
他の何よりも優先していれば
ちゃんと気持ちを伝えていれば
軽く考えていなければ
後悔して懺悔して
変わらないキミに絶望して
僕は今日もキミの手を握る
キミはずっと、今も、目覚めない
あの日見たキミの表情は
今までに見たどんなキミよりも
儚くて気高くて美しかった