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短編集②本当に愛している男

作者: 平賀隼人

僕の彼女はおそらく浮気している。妙に態度がそっけないし、帰ってくるのも遅い。僕にとってそれは許せない。そもそも何故、他に男なんて・・・・僕は彼女の為に何でもしてきた。彼女が欲しがっていたダイヤの指輪やブランド物のカバン。この前の誕生日なんて高級車一台プレゼントしてあげた。一体僕のなにがいけなかったのか・・・?

 男は苦悩していた。しかしどんなに考えても男は、何故彼女が自分を愛してくれないのかが分からなかった。その時、机の上のチラシに目が止まった。そこには、「自分の恋人が最近冷たい・・・もしかしたら浮気してるかも?そんな悩めるあなたにおすすめ、あなたの恋人が本当に愛してる人を教えて差し上げます。」と書かれていた。どうやら占いの類らしいが、この占いは胡散臭い占い師がこれまた胡散臭い水晶玉などを覗き込んでごちゃごちゃ言うものではなく、最新のスーパーコンピューターにデータを打ち込んで結果を出すというかなり現代的な占いらしい。

これだ!この占いをすれば彼女の本当に愛してる男が分かる!

 鑑定料は高かったが、彼女に対して疑心暗鬼に陥ってるこの男の財布を開かせるには充分な内容だった。早速、男は鑑定の申し込みをした。


「あの・・どうでしょうか?」

男は緊張の面持ちでスーツ姿の男性を見つめた。スーツの男性は、巨大なパソコンをカチカチといじった。

「覚悟はよろしいですか。」

スーツの男性は、汗にまみれた手で一万円札を数枚握りしめた男の目を見つめて告げた。

「あなたの彼女が本当に愛してる男性は・・・・」

男はゴクリと唾を飲み込んだ。

「福澤諭吉です」

その時、男の手に握りしめていた一万円札の福沢諭吉がニヤリと笑ったような気がした。

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