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第9話 私、次に調査の準備をしますわ!


――ラファ…ラファ…


(うーん、誰ですの?私、ここにいますわ)


――ラファ……ラファ………愛し……


(お父様?叔父様?おじい様かしら…?

私も、愛しておりますわ――)


(はっ!

私ったら、眠ってしまいましたわ

目玉ちゃんは…)

ラファエラは、気を失って落ちそうになった目玉ちゃんをキャッチし、目玉ちゃんのために作った専用ベッドに運んだ。

専用ベッドはドーナッツ型で、目玉ちゃんの大きさに合わせて真ん中が窪んでいる。

目玉ちゃんをそこにセットすると、ラファエラは布団をかぶせて、様子を見ていたのだが。

途中で、眠ってしまったらしい。


「うーん。お医者様に見ていただくべきですわね?」


ピコん


間の抜けた機械音が鳴った。


「こんな時に…」


ラファエラは、寝室のサイドベッドに置かれた機械を確認した。


(えーっと、次の調査ダンジョンが決定。

今度は、ダンジョン006、ですわね。

ダンジョン004より遠いんですのね。準備が必要ですわ)


「ラファ…」


元伯爵令嬢が声のした方を見ると、目玉ちゃんがうっすらと目を開けていた。


「目玉ちゃん、大丈夫ですの?」


(あら?目玉ちゃん、光彩の一部が変色してますわ!

これまで、全部濃い金色でしたのに。

一部水色になってますわー。

これが原因じゃありませんの?間違いありませんわ)


目玉ちゃんは、まだぼんやりしているようだ。


「あなた、これ、目が変になってますわよ。お医者さんに見ていただいた方が…」


ラファエラの言葉の途中で、見玉ちゃんはビクンとまた大きく痙攣した。

そして、パッと一つしかない目を見開くと、

「エラ?」

と元伯爵令嬢の愛称を呼んだ。


「ええ。大丈夫ですの?」

「大丈夫。ちょっと…たぶん。まぁ、大丈夫は、大丈夫。」


(次のお仕事の準備でお買い物に行かないとですけれど…

今日はやめて、目玉ちゃんの様子を見た方がいいですわね。

目玉ちゃんは町には行けませんし。

でも――)


――ラファ


(目玉ちゃん、なんで私の家族からの愛称を呼んだのかしら?)


次の日。


ラファエラは町に来ていた。

目玉ちゃんは、変色した光彩が戻らない。

それでも、ついてくるとうるさいので、今は異次元ポシェットにぶっこまれている。


(えーっと、食材は買いましたし、消耗品も買いましたわ。

あと、お部屋の模様替え用に布と糸も、良いのが手に入りましたわー。

やっぱり、季節に合わせて模様替えしませんと。

あとは、良い陶器が手にはいるといいんですけれど。)


そんな感じで、目的の買い出しを終え、屋敷に戻ろうかという時――


「お嬢様!」


この声、このボリューム…


「ミカ!」

「お嬢様ー!」


昨日訪ねてきた昔馴染みの騎士、ミカリオ・エーベルが、向こうからぶんぶんと手を振って走ってきている。


(相変わらず、大型の犬みたいですわね。

ハートも…あら、まだ7個ピンクですわね)


「あなた、体調は大丈夫なんですの?」

「大丈夫です!」


(カラ元気なのを隠してますわね…

まったく…)


「そうですの。で、あなたこんなところで何してますの?」

「その…」


ミカリオは俯いてしまった。


「申し訳ございません。大恩あるヴァルディエ家の皆さまが大変な時に…俺は…俺は……」

そう言って、ミカリオはバッと勢いよく頭を下げた。


「俺が、俺が…遠征になんて行っていたばかりに~~~」

「何言ってますの。あなたがいたって、どうしようもありませんでしたわ。ほら、もう。顔を上げて。」

「う~~~~~~」

「そんなことを言いに来たんですの?完璧なるヴァルディエ家の元騎士たるもの、きちんと仕事をこなすのは、当たり前のことですわ!」

「うっ、う~~~~~~~~」

「ほら、しゃんとなさい。全く、この才色兼備の私が自ら慰めてあげてるんですのよ。」

「すみません~~~」


二人のやり取りを、道行く人々は不審な目で見ていた。

二人は二人の世界に入っているので気づいていないが。


「で、あなた、仕事はどうしましたの?」


元伯爵令嬢の問いに、元騎士はピタッと泣くのをやめて、元気よく

「辞めてきました!」

と言った。


「はぁ?」

「俺、お嬢様が生きていらっしゃるって聞いて、いてもたってもいられなくて。ご恩をお返ししないとって。」

「それで?」

「ダンジョンの調査をされてるんですよね?俺も、お供いたします!」


元騎士はビシッと元伯爵令嬢に敬礼してみせた。


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