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第12話 私、モンスターを華麗に退治!ですわ!


ミカリオと目玉ちゃんが、コック帽と戦っているころ。

別の場所では、元伯爵令嬢もモンスターに遭遇していた。

珍しく、ラファエラは自画自賛をしていなかった。

なぜなら、相対しているモンスターが、ラファエラの苦手なものに似ていたからだ。

彼女は、基本的に嫌いなものがなかった。

この世のすべてのものは、自分の次に素晴らしいからだ。

彼女にとっては甲乙つけがたいのである。自分以外は。

だが、彼女は――

ミミズが苦手だった。

なぜだか昔から苦手だった。Gは大丈夫なのに。


彼女の前には、巨大なミミズのようなモンスターがうねうねと動いていた。

正直、ラファエラは失神しそうだった。


(ど、どうしましょう…あ、あれ…どうにかしませんと…)


彼女は何とか残っている意識で考えた。

この現状を打開する方法を。


一方――

ミミズ――ではなく、巨大ワームも困惑していた。

こいつはさっきからずっと技を繰り出しているのである。

こいつの技は、魔力の吸引。

魔力を食らいつくし、相手を死に至らしめる。

そして、肉体をゆっくりと溶かして食べる。それがこいつの戦法だ。

だが、さっきから吸っても吸っても何にも出てこない。

出がらしもでない。

肉体を溶かした方がいいんだろうか、とワームは極小の脳で考えた。


そして、先に動いたのは巨大ワームだった。

ワームは先端からネバネバとした液を吐き出した。


「ひぃぃぃぃぃ」


元伯爵令嬢への効果は抜群だった。

見た目の気持ち悪さで、彼女は背筋が凍るようだった。

だが、それがかえって彼女の防衛本能に火をつけた。


異次元ポシェットをごそごそして、何やら取り出す。

が、いつものように、取り出したものを宣言する余裕がなかった。

代わりに説明すると、彼女が取り出したのは「すっごい☆スコップ」である。

要はちょっと地面が掘りやすい大きめのスコップである。

彼女は、この選択を後悔することになる――


ラファエラはブンブンとスコップを振り回した。

ワームはラファエラを頑張って溶かそうと、ラファエラに近づきすぎていた。

適当に振り回されているスコップが、ワームにあたる。

すると――


ブショッ


「ひぃぃえやーーーーーーー」


ラファエラは悲鳴を上げた。

ワームはスコップにあたって、嫌な音を立てて体が裂けた。

そして、紫のような何とも言えない色の液体が噴き出す。

視覚的ダメージがラファエラを襲う。

物理的ダメージがワームを襲った。


パニックになったラファエラは、さらにスコップを振りまわした。

もともと、遠距離で獲物を狩るタイプのワームは近接戦に弱い。

体がもろい上に巨大なのでのろい。そして、元伯爵令嬢のスコップは、固い地面もらくらく掘れる便利グッズ。

ワームにとって、相性がある意味悪かった。

ラファエラの振り回すスコップはワームにヒットするたびに

ブシュッ

と嫌な音を立てた。

そしてそのたびにラファエラはパニックになる。


気づけば、巨大なワームはいなくなっていた。

そして、ラファエラは――

紫の液体と細切れにされたワームの肉片にまみれていた。


「はぁ、はぁ、はぁ…」


荒い呼吸を繰り返し、自分の状況を把握したラファエラは――


失神した。


今回、ラファエラは一度も昇天しなかったのだが。


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