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第10話 私の美しい髪が……ですわ!


「うわーーーー。お嬢様、何ですか?こいつ?」


目玉ちゃんを見た元騎士―ミカリオは、不思議そうに目玉ちゃんを掴もうとした。

のを、ひゅっと素早く目玉ちゃんは避けた。


「私の相棒、目玉ちゃんですわ。」

「いつから相棒になったのさ…」


(それより…)

元伯爵令嬢は、ミカリオの方をちらっと見た。

(ミカってば、まだハートが7個もピンクですわ。

あんなんで、ダンジョンに行って大丈夫なんでしょうね…)

元伯爵令嬢には、ミカリオの頭の上に透明なクリスタルのハートが3つ、ピンクのハートが7つ見えている。らしい。


スーッとラファエラに近づいて、目玉ちゃんは尋ねた。

「こいつ、役に立つの?」


「お前よりは、役に立つよ!」

ミカリオは耳が良かった。

「ミカはこれでも優秀なんですのよ。万全であれば、魔術も剣術も相当なものですし。」

ラファエラの言葉に。ミカリオは胸を叩いた。

「ふーん…」

「あら、ちょっと目玉ちゃん…」


目玉はスーッとダンジョンへ入って行ってしまった。

今回のダンジョンは、西の都に出現したダンジョン006。

都会の真ん中にブラックホールが出現していた。

ラファエラとミカリオは、目玉ちゃんを追った。


そこは―――


「なんですか、ここ。なんか…」


ぴちょん

ドロォ~


粘着性のある液体が上から粘っこく落ちてくる。

足元も、なんだかねばねばしているのに妙に柔らい。

全体が赤ピンク色をしていて、洞窟のようだった。


「気持ち悪いところですわね。いいこと!ミカは私の後からついてくんですのよ。なにかあっても、触らない、いじらない。お分かり?」

「はいっ!」

「よろしい、では行きますわよー!」


目玉ちゃんは二人のやり取りをじとーッとした視線で見ていた。


「あら、こんなとこに。キャンディーですわ。」


ボンっ


「あっ」


ラファエラ、早速一回昇天。


(い、いたいですわー

まさか爆発するなんて…

はっ、私の髪!美しい髪が…)


ラファエラが頭を触ると、なんだかちりちりの感触がした。


「い、いやですわーーーーーーーーーーーーー」


ラファエラはまた違う意味で昇天した。


「別に気にすることでもないでしょ。どうせ治るんだし。ハハハッ」

「ちょっと!笑ってるじゃありませんの!」

「お嬢様は、どんな御髪でも美しいですよ!」

彼女の髪が元に戻るのに、結構な時間がかかった。


「いいですこと、とりあえず、その辺に落ちているお菓子やらは拾ってはダメですわ。」

「あんなの拾うの君くらいだよ。」

目玉ちゃんはため息をついた。


さて、進んでいくことしばらく。

特にモンスターも出てこない。

が――


「はぁ、はぁー、はぁ」

「ミカ、大丈夫ですの?」

「だ、大丈夫です。」

「やっぱり、連れてこない方がよかったんじゃないの。」

「こら、目玉ちゃん。ちょっと意地悪ですわよ。」


目玉はプイっとそっぽを向いた。


「やっぱり、本調子じゃないんじゃないんですの。7個もピンクですし。」

「は?」

「7個?」


目玉ちゃんとミカリオは、元伯爵令嬢の言葉にそれぞれ違った反応をした。

「す、すみません…ちょっと…ちょっと休憩すれば…」

ミカリオは息も絶え絶えだ。

「とりあえず、これでも飲んでおきなさいな。」

ラファエラはそう言って、異次元ポシェットから何やら取り出した。

「じゃじゃーん!特性☆回復薬ですわー。」

彼女がとりだしたのは、髑髏マークの書いてある、怪しげな色の何かが入っている瓶だった。

「うぇ」

「あ、ありがとう…ござい、ます」


ミカエラは、ラファエラに渡された瓶を素直に飲み干した。


ごほおぉぉぉぉぉぉぉぉ


急激な風が吹いた。


「きゃ!」

「エラ!」

「お、お嬢――」


3人は風によって洞窟の奥へ吸い込まれていった。


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