表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編

作者: クロねこ
掲載日:2026/01/08

「杏奈、あの人たちはなぜ笑っている」


 そう訊いたのは、クラスでも変わり者と呼ばれている綺羅星響(きらぼしひびき)。わたしの幼馴染だ。


「あー、今流行りの『月宮まんじゅう』って言うユーチューバー知らない? YouTubeで今バズってて」


 響は不思議そうに首を傾げて、わたしを見た。


「知っている。だが、なぜ、笑っているのか私にはわからないんだ」


「……」


「あれが『普通』なのか?」


「どうだろう、響はさ、テレビや動画……漫画とか本でもいいけど。見ててクスッって笑ったり、面白いなぁとか思わない」


「私は『それが』わからないんだ。杏奈は、どういう時に笑うんだ」


 そうきますか……。


 綺羅星響(きらぼしひびき)は『変わり者』である。


 わたしたちが思う『普通』のこと。ごく当たり前に思うこと。何気ない日常生活の中で、それが『当たり前』だと思ってやっていること。みんながやっているから『当たり前』だと思うこと。


 なぜ? と聞かれたら、

「みんながやっているから」と答えるくらいしか、わたしには思いつかない。


 そこに、誰も疑問を抱かないし、それが『当たり前』だと思って過ごしているから、日常生活の一部となっている。


 わたしたちが思っている『普通』のことは、響の中では『普通』のことではない。

 そういう感情の部分が理解できないようだ。


 だから、わたしは、


「感情で心が動いたとき、自然と笑顔になるんだよ」


 と、答えておいた。


 響は目をぱちくりさせて、首をかしげる。


 ただ一言、


「理解した」


 と、だけ言って前を向いた。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ