母から見た息子たちは。
私は陸斗と彩音の母、神楽坂美紀。
獣医師の免許を持っているけれど病院で働いてるわけではなくて、教師として働いていることが多いから、基本は家で家事などをして過ごしている。
今日から三学期になって陸斗も彩音も学校に行ってるから家にはアンたちと私しかいないから家が静かなのよねぇ。音がないわ。この家。
テレビでもつけようかしら…?
いえ、テレビは興味ないのよね…。音楽をつけましょう。何かあったかしら。それとも私がアカペラで口ずさめばいいわね。
一人、流行りの音楽から昔ながらの懐かしい曲まで歌っていた。ソロライブを聴いていたのは猫のアンたちだけ。後から歌っていたことを聴いた彩音は聴きたかった~。と嘆いていたらしい。
美紀は家事をしながら考える。
そういえばあの子たちもこないだまであんなに小さかったのにいつの間にか高校生と中学生になって…。時間が経つのは早いわねぇ。奈々ちゃんと仲が良かった小さい頃の陸斗はかわいかったわね…。あの子ったら、奈々ちゃんを見る度に私に『奈々ちゃんがいるよ!』って報告してたんだもの。誕生日には可愛いアクセサリーをプレゼントなんかして。元々奈々ちゃん以外の女のことは喋ろうともしなくて少し心配してたんだけれど。奈々ちゃんが昔から好きなのねぇ。今も最近再会して家にまで連れてきてくれたし、クリスマスイブにも一緒に出掛けていたし。奈々ちゃんにも話聞いてみたけれど、陸斗のことを想ってくれていたから2人が将来どうなるかとても楽しみだわ。陸斗や彩音にも、結婚するなら相手は好きに決めてほしいもの。
私も拓斗さんとは仕事場で出会って挨拶して認めてもらって、円満に結婚して陸斗や彩音も生まれて。今でもとても幸せに過ごせてるわ。理想のような感じで現実はもう少したくさんのことがあったけれど、自分の配偶者は自分で決めてほしいというのが私と拓斗さんの願いだわ。
特に陸斗は、神楽坂の会社を継ぐことになっているから余計に自分で決めてほしいのよね。自分が認めた相手と一緒に過ごしてほしいもの。彩音も社長令嬢という立場から逃げられないことが分かっているからこそ、自分で決めてほしいわね。
私も名家の人間だから言えることだけれど、このご時世、自分がしたいことをしてくれるのが一番よ。作法やしきたりもあったりする中で、その中でできる最大の自由をしてほしいわ。私がそうだったように…。




