3/47
あの娘
教室での自己紹介。
自分の番が終わってから数人。次の順番は誰かと見ていた時、目に留まったのが彼女だった。
「初めまして。佐々木奈々と言います。一年、よろしくお願いします。」
優しい声色でいう彼女は、小さい頃、ある約束をしたあの娘だった。
それ以降の自己紹介は聞き流しているだけで、時間はあっという間に過ぎていった。
今日は入学式だったこともあって、教科書を配られた後は下校となり、何人かのクラスメイトが帰っていく中、ふと彼女を見ると周りには数名のクラスメイトが集まっていた。
話しかけに行くようなことはせず、見ていただけだったが彼女はよく笑って楽しそうに話しる。
そんな彼女をボーっと見ていると、後ろから突然、元気な声で話しかけきたクラスメイトがいた。
後ろを見ると、自己紹介の時も元気な声で話していた相沢柊だった。
「初めまして。これからよろしくね。えっと…陸斗だったよね?」
「よろしく。陸斗であってるよ。」
「いきなりなんだけどさ、親友になってくれない?」
いや、本当に急だな…別に困ることでもないので良いが…
「別にいいが」
「やった。じゃぁ、また明日ね~。」
そう言うと彼は帰っていった。
俺も帰るか…
俺は、今も楽しそうに話している彼女を一度見ると教室を後にした。




