1章13「『自然なままで』いて美しいのは、ほぼムリ亅
昨日間違えて投稿できてなかったです……
毎日投稿します。
完結致しますので、おつきあいください\(^o^)/
「エリの言うことが本当なら、私、ずいぶん考え違いをしていたことになるわ……」
「そうして、特に若い男性にとっては、若い女性は、非常に怖い存在なのだといいます」
アリアは耳をそばだてた。
「どういうこと?そんな話は聞いたことがないわ」
「もちろん、殿方にとって、女性の美しさは心を引き付ける、好ましいものに思えるでしょう。ですが、それだけに、女性に拒絶されて、嫌われたらどうしようという不安が、恐怖のように若い男性の心の中にあるのだとのことです」
「本当?……でも、カルス様は、ちっともそんな風ではないわよ」
「もちろん、女性と過ごすことに慣れて、それほど感じない方もおられるでしょうし、なかにはほとんど生まれつき屈託がなくて、他の人と付き合うことに不安を感じず、のびのびとしている方もいます。私の近くにもそういう方がいらっしゃいます」
と、リードの天然キラースマイルを思いながらエリは言った。
「カルスさまはお母上が非常に愛情深く育てたとのことで、他人に嫌われる不安を感じることが少ないのかもしれませんね。恐れながら、妹のリルム様も、そのようなお気立てなのでしょう。自然に笑顔が出てしまうのは、もって生まれた気質の違いも大きいので、いい悪いではありません。ただ、そのように笑顔の多い方は、他人を怖がらせることが少ないので、好かれやすいということはあるのでしょう」
「ふうん」、アリアは息を吐きながら、考えに沈んだ。
「……笑顔を見せると、他の方を怖がらせずにすむのね」
「おそらくその通りです」
アリアは、思いついたように顔をあげて尋ねた。
「それと、もう一つの合図の、女性らしさ、とはどういうこと?ヒラヒラ、キラキラさせて、目立つってこと?」
「人目を引くような派手さは必要ありません。ただ、装いや、姿勢に女性らしさを添えて、美しく見せようと気を使っているんだな、とわかってもらえればいいんです」
アリアは首をかしげた。
「自然に美しいのが一番いいんじゃないの?」
「先ほどの笑顔の話と一緒で、何もしなくても女性らしい美しさを持っている方は、確かにいます。ですが私の話そうとしているのは少し違うことです。
女性らしい身なりで人前に出れば、男性は、
『彼女は自分をきれいだと男性に見てほしいんだな、つまり女性として扱って、恋をしてもいいんだな』
と思うでしょう。逆に、女性らしい美しさをあえて隠すような服を着て、なんと言いますか、ほめるところのないような身なりでいれば『この人は男性に恋をされたくないんだな』と判断されます。つまり、女性らしさは相手に媚びを売ることではなく、自分の意思表明です」
「意思表明?!」
とアリアは繰り返した。
「そうです『私は女性として恋をするつもりです』と世間に触書を示す意味なのです」
「わあー!」
アリアは心底驚いたように声を上げた。
「エリの言うことはびっくりするようなことばかりだわ」
うなずいて、エリは答えた。
「わかります、世間の考え方とは、おそらく違っているでしょう。先ほどから男性の心についてお話しましたが、実は、男性本人は、自分が怖がっていることや、相手の女性の合図を確かめていることにおそらく気づいていません」
「ええ?」
アリアはあきれたような顔をした。
「それじゃあ、エリのいうことは、デタラメじゃないの?」
「もしかしたら、デタラメかもしれません。ですが、もう少しお聞きくださいませ。
男性は自分の恐れを心のなかでこう翻訳しています。
『女性らしい身なりをしている恋愛OKの人を見つけたぞ』という考えは『なんて素敵な人だろう』と書き換えられます。そして『笑顔を見せてくれた。この人なら怖くない』という考えは『彼女は美しい心を持っている』という風に修正されます」
「なにそれ」
疑わしそうにアリアは見上げた。エリは続けた。
「そして、まとめるとこうなります。『恋愛OKで、怖くない人がいた』は『彼女は美しい心を持った素晴らしい人だ』、という具合に」
「え?なぜ、見た目の判断だけで、心まで美しいことになってしまうの?」
「恐ろしい話ですが、そういうことになっているそうです」
アリアは憮然として黙った。
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