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00-1:予言
異なる世界を識る者よ、彼はヴァルハラより来たる
黒の髪、黒の瞳。闇をその身の色彩として
七色の蒼、光の色を持つ者達とともに
偉大なる闇の王を討ち滅ぼすであろう
人々は歓喜に沸き、彼を新たな王として遇するだろう
けれど、誤ることなかれ
やがて世界が闇に覆われる時
ひとりの若者がヴァルハラより現れる
〈選ばれし者〉たる証、七色に変わる蒼の瞳を持つ王女が彼の助けとなり、
同じ蒼の瞳を持つ騎士がその友となるだろう
宵闇の王は彼の前に滅び、
光は再び地上に還るだろう
けれど、誤ることなかれ
彼は勇者であり、英雄であり、弑逆者であり、復讐者である
賢者でなく、聖者でなく、栄光の神ではない
誤ることなかれ
盲いることなかれ
時が過ぎ、やがて人々の記憶から王の記憶が薄れる時
朱の髪、翠の瞳を持つ乙女が、再び夜を連れて来るであろう
けれど、過つことなかれ
――「遺失言語 暁の章」より抜粋