1.明るくて頼りがいのある!?!? Vtuber『子坂 火燐』
めんどくさい今日の講義もこれで終わり!友達もいないのでダッシュで帰るぜ。
今までの人生で築かれた気配遮断スキルを巧みに使いながらのダッシュ、ふっ…ちょろいね。
はい帰宅ッ!えっと時間は…12分58秒!新記録だよやったね!!!・・・何やってんだろう私。自分自身の謎の習慣に悲しみを覚えていると…
「帰ってきたと思ったら急に項垂れてどうしたんだ?姉貴」
「お姉ちゃんは今世界の理不尽さに心から悲しみを覚えているところです。話しかけないでください。」
「昨日も世界の理不尽さになんたらとか言ってたよな?大学で流行ってるの、それ?」
「ぼっちの私が大学で流行ってることなんて知る訳ないでしょ、私は今から自分の部屋でゲームをするから喋りかけないでね。」
これ以上弟と話していると劣等感に苛まれるので走るように部屋に向かった。
「やっぱりドワフレッドファンタジーは面白いなぁぁぁあ。」
私の日々の日課であるディリーミッション消化だ。スマホゲーをやり始めて分かったことは私は結構作業ゲーは好きだということだ。淡々と同じステージをただ周回する…悪くない……むしろヨシ!
【ピコン!】
ん?なんかメールが届いたぞ…携帯に登録している人なんて弟とお母さん、お父さんくらいのもんだからメールなんてほぼ送られてこないはずなんだけど…
えっと何々…グロワーフルール 第三期生採用連絡…
グロワーフルール?はて、どこかで……ってこれちょっと前に応募したやつか!え!?あれで採用されたの?あのgdgdの化身みたいなク〇自己紹介動画で!?!?うっそでしょ…この企業の正気を疑うわ。
まぁでもせっかく受かったのならちゃんと読まないとね…
小川 姫火様へ
この度はグロワーフルール 第三期生への応募ありがとうございます。
あなた様の送ってくださった自己アピール動画を見て、担当者がおもしr…
失礼しました。我々の用意したキャラクターのイメージ通りだったので、
採用とさせていただきました。
つきましては本日中に撮影に必要な機材などがそちらに届きますのでご確認をよろしくお願いします。
私のLI〇E IDをここに記載しておきますので登録お願いします。
グロワーフルール三期生担当 緑川より
なんか馬鹿にされてる気がしないでもないけど…まぁ細かいことは気にしない!
LI〇Eとか友達0人に私に必要なかったから入れてなかったけど遂に私もLI〇Eか~初めての登録がなんか上司っぽい人なのはあれだけど…
★次の日~
緑川さんにLI〇Eに送ってもらった通りに機材の設定が完了したよ。
確か話を聞くと私のモデル?はもう入ってるって聞いてたけど…
子坂 火燐
明るくて頼りがいのあるネズ耳の女の子。好きなことはみんなと喋ること。
Vtuberになったのは色んな人達と仲良くゲームをして遊びたいから。
設定らしきものと共に白い髪に赤色のメッシュが入って白いネズミの
耳が生えて、目は優しそうな黄色、服装は赤と白を基調とした巫女服、身長は私より若干大きくて胸はまぁ私よりはあるよね!(それでもほぼ無)という女の子のアバターだった。
なるほどこれが私の成るキャラか…
「これのどこが私のイメージ通りのキャラなのかなぁ????????」
いやこれ陽キャじゃん!私のような陰の者とは正反対な性格してるじゃん。
絶対喧嘩うってるよあの人!これはあれか私に恥をかかせたいのか…そうか、そういうことなんだな…だが甘い!甘いよ、緑川さん!
★ 次の日
【自己紹介】はじめまして、子坂 火燐です!《グロワーフルール三期生》
18:00開始 1080人が待機しています。
あともうすぐで配信開始か…でも大丈夫…大丈夫…大丈夫…
【・どんな子かな…?】
【・ネズ耳のキャラって珍しいよね】
【・そろそろかな?】
【・あと1分もないね】
【・wktk】
【・待機( 一一)】
「皆さんはじめまして!この度グロワーフルール三期生として活動させていただくことになる、子坂 火燐です!」
【・明るい感じの子かな?】
【・かわいい】
【・はじめまして~】
【・巫女服ありがたい】
【・蘭華ちゃんと仲良さそう】
★20分後
「今日は自己紹介なのでこのくらいで終わりかな~みんなこれからよろしくね!」
【・お疲れ様~】
【・初配信が清潔派は大体罠。】
【・またね~】
【・楽しかったよ~】
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「はぁ~疲れたぁ~」
精神的にすっごく疲れたけどこれなら大丈夫そうだね。
私はコミュ障でダメダメな私じゃなく明るく頼りがいのある私として成りきることで乗り切れた!これぞ人と話そうとしてやってた一人でのコミュニケーション練習の賜物よ。
画面の先の知らない視聴者相手で自分じゃない私に成りきるならぎりぎり気が持つ…ふっふっふっ、残念だったな緑川さん!私はやりきったぞっ!!!
【L〇NE~】
お、噂をすればなんとやら…緑川さんからL〇NEが届いたよ。ふっふっふっ…さぁ存分に褒めたたえるがよい!
緑川さん:「火燐ちゃんお疲れ様~、火燐ちゃん私とのL〇NEでも『はい』とか『わかりました』とかしか言わないし自分アピール動画でもおどおどしてたから配信とか苦手だと思ってたけどしっかりできるんだね!」
やっぱり私の事理解してた上であんな性格のキャラやらせたんだね!やっぱいい性格してるねこの人…
でも私はやりきったんだ、ここでガツンと言ってやるかァ~~
私;「ありがとうございます」
まぁそんなことを打てる勇気あるならコミュ障拗らせませんよ、はい。
緑川さん:「火燐ちゃんでちょうど三期生の自己紹介は終わりだから明日火燐ちゃんと三期生の二人でコラボ配信でマシュマロ枠みたいなことするのでdTwitterアカウント渡すからマシュマロ募集しといてね。あと、明日の打ち合わせの為に今日の20:00から三期生+私で通話するから私が招待したグループ入っといてね。」
え、通話…?コラボ…?それはまずい。
画面越しとはいえ人と喋るんだよね?文字うってくる視聴者さん相手とは難易度全然違うんですけど…
私:「わかりました」
わかりました。じゃないんだよ、無理でしょ無理無理。
「人と話すのは無理だってぇぇぇえええええ!!!!」
Vtuber見始めてそんなに経ってなくて書こうにもあまりわからなかった(衝動に駆られて投稿を始めた、少し後悔している)ので色々なVtuberの初投稿見てそれを参考にコメントは打ちました。
手紙の部分とか全然書き方なってないと思うけど許してください。
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次の話は2割くらい(主人公の同期のVtuberの名前と設定くらい)は考えてあるのでまだ舞えます(多分)