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プロローグ〈プロジェクションマッピング〉
俺はある日、大学の学園祭に行った。
姉の経営するカフェになど目も向けず、俺はあるものに夢中になった。
サークルが製作したプロジェクションマッピングだ。
体育館の壁に大きく映し出された星空。音をたてて動く機構に、
木々の間を美しく滑空する白鳥。すべてのものが僕の心を撃ち抜いた。
俺もいつかあんなに美しい景色を自らの手で創りたい。
そんな思いを抱いたのは中学二年生の秋だった。
そして三年の時がたちーーー。
「やろう!プロジェクションマッピング!」
熱がたちこもる部屋のなか。白髪の少女は机を叩いて立ち上がった。