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朝になり男は昨日バーであったことが現実だということをテーブルに置かれている錠剤シートの束で確証した。
バーであったnozomiという女にSDカードと別れ際に彼女が今所持しているエスペランサーをすべて渡されたのである。
ちゃんと支払うというとご馳走していただいたし、今後の負担もあるのでいらないと断られた。
販売サイトもすぐに閉鎖するということも言っていた。
女の期待にこたえなくてはならないと顔を両手で叩き気合をいれシャワーを浴びにベットを出た。
「お前の借金チャラにしてやってもいいから協力してほしいことがあるんだけれど乗るか?」
男はスマホの相手に低めの声で話す。
「ほ、ほ、本当ですか、でも命張るようなことだったらちゃんと返すので勘弁してください。今月分はちゃんと渡せますし。、、」
「命はとらないよ、お前の仕事分野に協力してもらいたいってことだ。まあ危険はあるかもしれないけれどな。
まあ、詳しい話はこれからすぐ出れるか?これから言うところに一人で、いやすぐに信用できるやつ一人だけ連れてきていい。これから言う場所にすぐにこい。」
「どんな話ってことも今聞けないんですか?。。ちゃんと返してもらえますよね。。。」
「当たり前だろう。今回はお前の力がどうしても必要なんだよ。しかもお前が・・・
まあそれは会ってからのお楽しみだ。」
住所を告げてから通話を切ると違うところに電話をし今日は事務所に顔を出さないことを告げると部屋を出て目的地に向かった。
閑静な住宅街のマンション前に男に呼び出された男たちが立っていた。
言われた住所と見比べて間違いはないのだがなぜこの場所なのか頭に???が飛び交う。
言われた番号を押して呼び出しボタンを押すとしばらくして
「よく来た入れ」
と電話口と同じ声がしてエントランスが開いた。
男たちは緊張を隠せない面持ちでそのまま言われた部屋まで行くと扉が半開きになっていたので
「失礼します。帝王出版のhashizumeですが、、、」
「入ったらカギ閉めて上がってくれ」
奥のほうから返答があったので、その通りにカギをかけて入っていった。
広めのリビングのソファに腰を落としてPCをにらむようにみている呼び出し主がいた。
男に促されるようにソファに二人が座ると
男はPCの前から離れ簡単な飲み物を用意し二人に出すと先ほどの場所に腰を下ろす。
「実はな、書いてもらいたい記事がある。」
一言男が言うと
だまってPC画面を二人に向け再生ボタンを押した。
どこかの料亭での動画だがそこに映っているのは署長と代議士である。
内容は例のドラッグと上納金のことだけでなくお土産に
それに続いてこれからも何か始末をしたいときは組にやらせればいいから二人には足が付かない。しかも向こうからは上納金だけでこっちは払うこともないなんて
なんていいシステムだと馬鹿にしている内容である。
hashizumeはこのおっさんら、やっちまったなと心の中でぼそっとつぶやいた。
反旗を翻したきっかけはこれかと思ったのだが、
ふとなんでこの動画があるのか不思議だった。
その店の隠しカメラなのか、それにしては固定されているような感じもなく
不思議な映像だった。ただこれは証拠だ。
しかも今まで協力はしてくれなかった組の方からのお願いときたら乗る以外ない。
「どうだ?書いてくれるか、絶対に載せて二人をつぶしてくれないか?
もちろんこちらは協力するぞ。組にはこれから話をつけて手を切れるような体制をすぐにとるから安心しろ。
うちもシノギは楽じゃない。だからこんな馬鹿にされて上納なんて腹立たしいんだ。
世間は組が悪いというのはわかっているがそれを取り締まる側に問題があるとなると
こちら側のダメージはさほどないだろう。
ただし条件があるんだが。。」
「なんでしょう。。。」
「絶対に握りつぶされるな。それとドラッグについては触れるな。その記事はまだ出さないでくれ。」
「どうしてですか?それが向こうの懐に入ったら大変なことになるじゃないですか?」
「それは絶対にない。」
「・・・・どういうことですか?まさかもうでどこをにぎった。。。」
男はニヤッと口元を緩めて
「次のシノギなんだよ。だからこれだけは絶対にダメだ。条件を破ったら借金はそのまま払ってもらうからな。」
「どうなるか知らないとか言わないんですね。脅さないんですか?」
hashizumeは不思議に思った命がないという言われるのが普通だ。でも言わない。。
秘密にしたいけれど借金がチャラにしたくないんだったらどうぞという程度
なぜなんだ。。
そういえば動画で検査に引っかからないといってた。
「記事にはします。ドラッグのことも書きません。ただ教えてください。
どういったものなのか。。」
記者魂に火をつけられた気がした。
書くなと言われてもどうしても聞かずにはいられない。
「わかった、教えてやる。というより試してみるか?
といってもこわいわな。」
そういうとエスペランサーのことを詳しく教えると二人は驚きと疑いでいっぱいとなった。
ただ調べてもらった成分表もありそれを見る限り栄養剤のようにしか見えず
危険ドラッグとは絶対に考えられないものだった。
試してみたい。。二人はそう思ってしまった。
男は二人に水と1錠ずつ渡すと数時間は動けないから用事があるならキャンセルしろと言われたので
片方が会社に直帰する旨を伝えた。
それから。。。。
hashizumeは昔一度だけ海外で手を出したことがあった。でもそれとは全然違う
それ以上の快楽に溺れる感覚だった。
「こへやばいっす。。。」ろれつが回らない。
男が二人の方にわざと手を置くと
一瞬にしてヘタレ混んだ。。中学の頃に戻ったような。。。
でもすぐにまた快楽に襲われる。。
2時間ほどしてへとへと状態でソファの下で倒れこんでいる二人に
「そろそろ切れたかな、どうだった二人とも」
二人に声をかけ肩をゆすって起こした。
最後は気絶していたようだ。
気が付いた二人は下半身が大変な状態になっていることに気づき
こうなることをわかっていた部屋の主が二人に下着をシャワーを進め
パンツを洗濯してやると言ってくれた。
「これ。。なんなんですか?禁断症状もないんですよね、嫌ですよこれで出たら。。」
「問題となる成分がないしな、自分も試してみたが全く問題ないしそれも売りではある。安全ドラッグって感じだな」
男はそうさらっと答えて
「最近の若い連中は女と付き合うのが面倒だというのが多いがそういうやつにもぴったりだろう?
それに女と一緒に使うのも半端ないって話だからな
でもこれは書くな。分けてやってもいいが記事にはするな。
奴らをつぶせたら借金なしにしてやるし、書かない約束にいくらか分けてやってもいいぞ破格な値段でな
早急にとりかかってくれ」
「わかりました。次の販売に間に合わせます。はじめっから飛ばしますよ。じゃないと絶対につぶされるので。
そちらも根回しお願いします。」
「わかったすぐにでも対応するから販売って言ったら3日後か
大丈夫間に合うようにするから気にせずやってくれ。
それと動画はコピーを二人に渡しておく。
誰かに盗まれてもいいようにな。」
その後二人は部屋を出ていき、
sanezakiだけとなったところでスマホを取り出すと登録された番号に連絡する。
「会長、sanezakiです。
電話にて申し訳ありませんが至急お伝えしたいことがありまして連絡いたしました。
これからうかがってもよろしいでしょうか?
お時間なければ簡単に今お伝えしますが」
『おう、どうした?これからなら家にいるからこい。
珍しいじゃないか。いまここにはtateshimaもいるが残しておこうか?』
「是非お願いします。ではこれからすぐにお伺いします。」
そういうとすぐに自宅へと向かう。
到着早々突然の連絡のことなど詫びて早々にPCで例の動画を二人に見せると
二人の顔が厳しい顔になっていたので、今後の計画として情報を売り込んだこと
あと誰を出頭させるかの提案をし、今後のシノギとして動画の中にも出てきたドラッグの提案などすると
二人は顔がもとのというより嬉々としてsanezakiをほめると
「それでいい。こちらに連絡があっても取り次がないのとしっかりした態度ではねのければいいのだな。
よくやってくれた。急いできて何も腹に入れてないだろう
用意させるから食べて行ってくれ」
会長の言葉に甘えそのあと3人で今後の対応を再度確認しながら楽しいお酒となった。