表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/71

1-5


yukitoと別れた3人の男たちは組事務所に入ると、

「これが例のドラッグです。ネットで購入した奴らから回収してまりました。」

そういうとソファに座っているスーツ姿の幹部だろうか男に手渡した。

「早かったじゃないか、あとはどこが元締めかを見つけ出さないとな、

そっちは見つかったのか?」

「それがどうもネットでしか販売してないみたいなんすよ

で、サイトは海外のサーバを経由しているとかで正確な場所はわからないらしいんす」

「もう少し探れ、たぶん警察のほうも探していると思うからな

ぜっていに先に見つけて家の第二のシノギにする。

わかったか」

「一ついいですか?このドラッグの成分調べて作らすってことは考えないんですか?」

「とっくにやった、でも同じものは全く作れないんだと。

お前たちが考えるようなことはもうとっくにやってる。

手を抜こうとすんじゃねえぞ」

「「「 はい 」」」

そこにいた全員が返事をした。

幹部の男は無駄に暴力をふるうタイプではないようだ。

頭が切れてシノギを一手に引き受けるインテリであるため

幹部の中でも権限を持っているようだ。


今は何もとにかく見つけ出すまではどうすることもできない。

たださっき電話で上納金の見直し内容がこちらの提示ですべて了承が出た。

これだけでも今日はいいとするか、

久しぶりに飲みにでも行ってみるかな。


幹部の男は最近あまり足を運ばなくなっていたバーに向かうことにした。

同行をするとほかのものが言ってきたがそれを断り

一人でホープと書かれた看板のバーのドアを開けた。


「お好きな席にどうぞ」

見慣れない若いバーテンがそう声をかけてきた。

「今日はマスター休み?」

「先ほど急な用事ができたとかで帰ってしまったんです。申し訳ございません。」

「そうか、でも酒は作れるんだろう?初めて見る顔だけれどこれからはちょくちょく来るから顔を覚えておいてくれるかな」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。nagamineといいます。

1か月前にこの街にきてマスターに雇ってもらいました。

もしお口に合いましたらまたマスターがいる時でもごひいきに願いします。」

「ちゃっかりしてるな、でも気に入ったよ。

じゃあ何かオリジナルでもなんでもいいからちょっと辛口の物作ってくれるかな」


すると店の扉が開き女性が一人入ってきた。

一つとして欠点が見つからないような作りをしていてしかもフェロモンが垂れ流されているようで

店のすべての男が釘付けとなった。

店には女性客が一人もいないこともあるのかもしれないが

居たとしてもいないものとして扱われていただろう。


女性はカウンターの奥のほうに進もうとしたが幹部の男に手を捕まれ

「強引にすまない、もし一人なら一緒に飲んではもらえないか?

男一人で寂しかったんだ。

もし嫌なら断ってくれてもいいが、何も言わないでこのまま違う席にいかせる気には慣れなくてな」

そういうと捕まえていた手を放した。

「えっと、、私で良ければお酒のお付き合いだけはできますよ。

でもそのあとはダメですけれど、しつこくしないと約束してくだされば」

いつも声をかけられていて慣れているのだろう、怖がることもなく微笑んで男の問いに答えた。

それから二人は他愛のない話をしていたのだが、ふと男は自分が組の幹部であることをしゃべってしまった。

女はちょっと驚いたそぶりを見せながらもそのまま楽しい会話を進める中で

「あなたなら信用できるかもと思って、、これ見てくださる?」

そういうと胸元から1シートの錠剤を取り出した。

男はそれを見るなり女の手をつかみ

「これをどこでっ、 あ。。すまない。。ちょっと事情があって」

店の中の視線を一気に集めてしまったため

大声を出したことを詫び、何事もないことを告げその場をおさめた。

「君にも悪かったね、実は探していたんだよ。でも取引したくてもまったく見つからなくてね。

もし知ってることがあれば教えてくれないか?」

「手を離してください痛いですよ。。もう興奮しないで、ちゃんと教えてあげますし

必要ならお譲りしますよ。だって私が販売元ですもの。」

男の耳元でささやくと小さくウィンクした。

男は今まで神など信じたこともなければ願ったこともなかったが

この時ばかりは神様に感謝したい気持ちでいっぱいだった。

「ただ、、、助けてほしいんですけれど手を貸してくださいますか?

お話を聞いていてもしかしたらあなたなら私の計画を助けてくれるんじゃないかなって思ってしまって。

本当だったら私も教えるつもりじゃなかったんですけれど、

一人じゃできないし、あなたに頼りたいと思って、頼ったらこれからもお会いできるでしょ?」

そういうと男の方に頭をもたれかかり上目遣いで男の目を覗き込んだ。

「私にできることならいくらでも助けるさ、そのクスリがなくてもさ。

どんなことだか言ってみてほしい。

君の計画も成功した後でかまわないからそのクスリを分けてもらいたい。

どうだろう。」


「クスリのことばっかり、、私ってそんなに魅力ないのかしら、、、

でもいいわ、どうしたいのかだけお教えしますね

ただ秘密厳守で・・」

「君の魅力はもちろんだよ、でもそんないつも言われているような言葉じゃ信じないだろう。もし気づつけたのなら悪かった。

でも君が私のパートナーになってくれたらと心から思ってるけれど

会ったばかりだから言いたくなかったんだ。

成功してからでも言いたいとは思ってたけれど信じてもらえないかもしれないけれど

まずは計画を教えてほしい」


女の計画はこうだった。


女の兄妹がこの街の管轄の署長の娘にいじめを受け、しまいには美人局や薬の運び屋もやらされていて

逃げようとして被害届を出しに行ったところ逆に偽証罪だといわれ逮捕されそうになったと。

女は兄妹と一緒に住んでいなかったためたまたま帰省した時に泣きながらそのことを打ち明けられて復讐にかられているということだった。

署長の悪い噂は聞くが立証するものがなく、途方に暮れていたのだが

そんな時に署長と仲良くしている代議士とクラブで知り合い気に入られ

こっそりいろいろ話を聞きだしたという。

二人して権限をフルに活用して私腹を肥やしているだろうと容易に分かった。

だが所詮会話でしかないそれを録音しても一方の会話でお酒の時の話だと切り捨てられたらそれでおしまいだ。

ただせめて兄妹に対しての復讐と懐に入るものを減らすことをまず考えたという。

そして二人とも麻薬が大きなポイントであるのではないかということが分かり

今精通しているもの以上の快楽しかも体に害を残さないものが出回ればダメージになるのではと考えて、

自分がいろんな世界を飛び回ってきた経験を生かして今回のエスペランサーを手に入れることができたし、

この世界では絶対に手に入らないものなので女しかそれを扱うことができない状態であるという話であった。

男にとって見たら最後の話は少し信じられないことではあるが

目の前の女しか扱いがいないというのが本当であればそれだけで十分であった。


「なるほどな、実は私もその二人には精通していますが、

あなたと手を組むことにします。

二人を陥れてもう二度と悪事ができないようにする証拠などはこちらで用意して

私の知り合いの記者にでも記事にしてもらいましょう。

そして二人が地に落ちたことを確認してからでもいいので

独占販売を私にさせてもらえないだろうか

記事にしたりするのもたいした時間はかからないが

握りつぶされないようにしなくてはいけないのでそれに少し時間を割かせてもらいたいというのがあるけれどどうでしょう」

男はやさしく微笑んではいるが目はギラギラした獲物を狙う猛獣のようなものを感じさせた。

「それですとすべてあなたに甘えてしまうことになるし、

もし失敗したときのリスクが大きいだけでそんなに価値があるものなんでしょうか、

でももしお願いできるなら一つだけ二人の密会の動画がありますがこちらをお持ちください。」

そういうとSDカードを男の手に握らせた。

「それから今の私にできるのはお渡ししたものと今持ってるエスペランサーをお渡しすることしかできません。

もちろん成功した後には販売はすべてあなたにお任せします。

私は言われた数だけあなたにお渡し、販売はもう致しませんし今この時点でもう私は販売をやめます。

それでお願いできますか?」


「ありがとう、君に逢えたこと本当に神様に感謝だな、がらにもないけれど。

ところで君の名前を聞いてなかったな、私はsanezaki toshiharuだ。」

「私はnozomiです。実はスマホをなくしてしまって明日にでも新しく購入する予定なので、もし何かあればここのマスターに連絡していただけたら私といつでも連絡とれるようにします。

私とあなたがつながっていることが向こうにばれるとあなたのお立場もあると思いますし。しばらくはそういうことでいかがですか?

無茶をさせてしまうのでこれくらいは用心したほうがいいと思いまして。

マスターはご存知と思いますが口は堅いですし、、、」

「わかっています。私でも敵には回したくない方ですから信じていますし、私もあなたを裏切りませんから。

では私にも連絡を取りたいときはマスターと通してということで。

では成功を祈って乾杯しましょう」


男は今までガザ入れ情報など警察情報がなくなってしまうことなど忘れて

シノギの確保にほくそ笑むのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ