3-6
「先ほどからの話を聞いていて思ったことだったのですが、、なぜ新しいものを作ろうとしないのでしょうか?
あ、許可をいただいてないのに申し訳ございません。黙ります。。」
「あ、いや。。あまりにも斬新で続けてください。」
錬金マスターがayaに発言を続けるように促す。
「では、こちらに来たばかりでよくわかっていないので不可能なことを話しているかもしれませんが、
既存の物だと金額ってだいたい設定されているし関わっている人たちが大勢いるので簡単に変えていいものではないと思うので、問題を補える新たなものを作成するのはいかがでしょうか?
たとえば、、解毒剤のポーションだったり、普通品質のポーションでは回復が難しいところを何かでカバーするみたいなものなど、、」
「それだと持ち物がかさばってしまうし、解毒剤の類はすでにあるのだが、毒にも種類があるためそれに対応するものをすべてというわけにはいかないのだよ。しかもそれこそ高価なものなんだ。
それは薬師ギルドの分野なのだよ。」
冒険マスターがayaやさしく説明した。
軽率な発言だと思い
「軽率でしたすみません。」頭を下げるayaの隣でyukitoは考え込んでいた。
錬金マスターがyukitoの様子に気が付き
「どうした何か知恵でもあるのか?」
(いや、ayaの考えもありだと思いまして。。持ち運びに便利にすればたくさん持参できるし、。。
解毒剤も確実にその場で完治をさせる必要などなくて薬師のところに移動するまでの応急処置的なものでもいいのであればいいわけだから、、ただちょっと良くなったと思って薬師に行かないとそれもこまるのでそこを考えての効果があれば・・・)
ぶつぶつ何かを言いながら考え込んでいるのでたまらず冒険マスターが
「おーい聞いてるか??いい考えは浮かんだようだから説明してくれ。。」
その言葉にハッとしてyukitoは顔を上げた。
「あ、すみません。あの、、ちょっとお時間いただけませんか?えっと、1時間だけでかまいません。
それといろいろ素材を使いたいのですが、価格が低いものをいくつか教えてもらえないでしょうか?
自由素材以外だったらお支払いしますので。」
錬金マスターはニヤリと悪い顔をする。
「よかろう、レンネに頼んでおこう。じゃあ1時間後に作業台でいいかな、ザッハも今日は特別に許可するから出直してこい。薬師ギルドに顔を出しておいた方がいいんじゃないか?
では解散。」
そういうとレンネを呼び指示をし、そのあとにyukitoが付いていく。
冒険マスターはayaに
「今日来たばかりだったようだな、よかったら一緒にきてほしい。今日の対処法など説明してくれるとありがたい。」
「いいのでしょうか、、対処法を聞かれても重症者は私が対応してないのですが、、ただもしご迷惑ではなかったら連れて行っていただけないでしょうか?」
「よかろう、1時間デートと行きますか?」
冒険マスターはayaに微笑んでそのまま一緒に薬師ギルドに向かった。
yukitoはレンネから渡された素材を作業台に並べて吟味しながらいくつかの物を作り出した。
ポーション小でも10本もあればかさばる、、だからあの大きさはダメだ。。
それに品質が普通でもそれ以上との差を埋めるものであれば今までのものが無駄にはならない。。
だから素材は価値のないもの。。。う~ん。。
HPポーションをサイズ別に作ってみた。それも素材の一つとして並べてみた。
ふとこの前飴を作ったことを思い出した。あれは飴だったがあれくらいに圧縮したらどうなるのだろう。。
大を手にしてイメージをしながら圧縮と念じると手の中からポトンと丸い小さいグミのようなものが落ちた。
大きさにして親指の先くらいだろうか、魔眼で性能などを確認する。
効用:HP全回復、全ての解毒 ただし呪いには効果なし
確かポーション大だと毒の作用を弱めるだったはずだが、圧縮すると効果が出るということなのか。。
小を圧縮しようとしたら手から消えてなくなった。。あまりに少なすぎたようだ。。
ただ、これだとひと手間をかけることでまた金額が上がってしまう可能性がある。
これはこれでありにしてこれならもしかしたら。。
そのころ冒険マスターに同行したayaは薬師ギルドでyukitoから聞いていた毒の内容と二人が施した魔法の内容を伝えた。
話を聞いていた薬師マスターが調剤スキルはないのか?なくても治療師として所属しないかとしきりに勧誘をしていた。ギルドにはいくつでも所属ができることを説明をうけ、前向きに考えると告げた。
一通り話が終わった後時間があったので見学をさせてもらった。
処置がよかったので大半がもう帰っていったが数人様子をみたほうがいいと判断されたものだけ残っているという。
笑顔でやさしく患者に接している姿に看護婦をダブらせる。ここでは薬師が医者と看護婦の両方の役割をしているようだ。
ただ外科的治療はここにはないみたいで手術室はない。調剤がメインでそれ以外に治療師がいる。
ここに所属している治療師は使える回復魔法が限られているため薬師の指示を受けて行う。
飲ませたものの効果を妨げることもあるからだという。
この国ではレベルの高い治療師は王室にしかいない。逆に王室には薬師はいない。
この世界の医学的事情を知ることができてayaは冒険ギルドマスターに改めて同行のお礼を伝えた。
1時間が過ぎ作業台に集合したところでyukitoはまず緑のグミを見せた。
品質測定器を詳細表示にしてもらいグミを測定すると
効用:HP回復、毒全般の作用を抑制、解毒作用なし
の表示が出てきた。
「これはいったいどうやって作ったんだ?君のつくっているポーションと同じ効果ではないか」
と冒険マスターは詰め寄ってきたのでayaが間に入って落ち着かせてくれた。
「これはポーション中を素材に作ったものです。でも、この元となったものは冒険ギルドからいただいた薬師ギルド作成のポーションを使っています。僕のを使うとまた内容が変わってきてそれもちょっとどうかと思ったので、。。」
これには錬金マスターも驚いていた。
小だと消えてなくなり二つ使うと中と同じものができた。大の場合HPが全回復となる以外変わりがない。
確か調剤スキルには圧縮も含まれているのでこれなら見習いの修行にも使えるのではないかという説明も付け加えた。
ayaはyukitoに感心し、見違えた姿に好意的なものも感じ始めた。
そして自分も負けられないという気持ちになった。
「あとそれと冒険ギルドのことはわからないのでお聞きしたいのですが、装備の貸出ってしているんですか?」
「基本貸し出しはしていない、安いものだとすぐにダメになるし高価なものだと戻ってこない可能性が高いからな。なんでそんなことを?」
じゃあ、こっちは失敗だ。。貸し出して戻ってこないとなるとそれは問題になる。。
「そうですか、、貸し出すことがあれば武器に解毒効果をつけたものがあったらどうかと思ったのですが。。。確かに盗難ということは頭にありませんでした。」
錬金マスターは頭を抱え、冒険マスターは意味が分からずポカーンとして見ていた。
ayaもよくわかっていないのでyukitoに説明を求めた。
「消費してしまうものだったら何度も作らないといけないけれど、その物に効果があればずっと使えると思ったから、ギルドが所有すれば貸し出すことで回収できるし、初級者もクエストの報酬から引いてもらう形だったらさほど苦にはならないかとおもって。」
ayaは目を輝かせ、
「それいい!!すごいそんなことできるの??」
yukitoの手を取って大喜びだったが手を握られたほうは恥ずかしいやら、どうしていいのかわからなかったが思い出したかのように冒険マスターに向かい。
「やはり先ほどの報酬いただいていいですか?あの報酬で素材の発注をしたいんです、ミスリルをいただけないでしょうか?」
再度驚く3人だった。




