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家出してきた王女さまを[かくまう]ことになりました。  作者: くろめ
ステアード・ユア・ドリーム
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0 少女の瞳 ―ステアード・ユア・ドリーム―

   ☆★☆


 ――夢を見ていました。

 それは、私にとって理想の世界。

 『平凡ならざる平凡』を過ごし続ける私には至福の時間。民にとっての平凡とはすなわち、私にとっての非凡です。


 非凡こそが私の理想で、夢は苦痛が決まり切ったこの人生とは対称的で。


 ただ屋内で、ただのんびりと。

 映像を見たり、音楽を聴いたり、冒険したり、お買い物をしたり、家事をしたり、友達と談笑していたりして。

 自発的に、何より楽しく。

 やりたいことがあれば、倫理さえ問題が無ければ、何でも行動に移していい。


 お話でしか聞いたことのない『理想の平凡』がそこにはありました。


 夢を見なければ決して視られないような、味わえないような世界。

 そのような生活が本当に出来たとしたら、私はどれほど幸福になれるのでしょう。


 いいえ。理想が訪れることはありません。

 未来の王女として生まれてしまった私に、自由の権利はないのですから。


 けれど、ええ。

 もしも一時でも『理想の平凡』がもたらされるとしたら――。


 私は喜んで、王家を放棄いたします。

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